建設現場だけでなくDIYや椎茸栽培にも有益な電動ドリル。種類や電動ドリルの基本を解説!
2019.11.21ドリルとは、簡単に言えば電動で穴を開ける工具のこと。DIYでもよく使われていますね。子どもたちには漢字ドリルや計算ドリルでおなじみです。
「え? それは違うでしょ」と思ったかもしれませんが、英語ではどちらも同じdrill。名詞と動詞として使われ、「穴を開ける」という意味のほかに「反復練習をする」という意味をもっているので、ドリルという言葉は日本でもこのように使いわけられてきたようです。
業務用のドリルになると、工事現場で使われるオーガーのほか、石油・天然ガス、採石、探査などに使われる掘削リグと呼ばれる大型装置などがありますが、ここでは木材などに穴を開ける携帯型の電動(電気)ドリルを中心に取り上げます。
電動ドリルのしくみや種類、用途などの基本について紹介しましょう。
電動ドリルのしくみは?
電動ドリルは穴を開けるための工具です。モーターで軸を回転させ、その軸の先に部品をつけて使用します。回転する力で穴を開けるというシンプルなしくみです。
ドリルの先にとりつける部品はドリルビット(drill bit)と呼ばれます。ドリルビットは日本語ではドリル刃とも呼ばれ、用途別にさまざまな種類があります。また、サイズや規格、メーカーなどによっても変わってくるので、木材や金属などに穴を開ける場合はドリルビットも使い分ける必要があります。穴を開ける能力は鉄材と木材で変わるので注意が必要です。
ちなみに、ドリルビットを取り付ける部分は、ドリルチャックと呼ばれ、6.5mm、10mm、13mmの3種類です。チャックに取り付けたドリルビットにモーターからの回転する動力を伝えることで穴を開けます。
また、ドリルチャックにはキーレスチャックとチャックキー(チャックハンドル)で締め込むタイプの2種類があります。ひとつのドリルに用途ごとにドリルビットをアタッチして使えるので、多種多様なドリルビットを揃えておくと穴開け作業の幅が広がります。
電動ドリルのタイプは
電動ドリルには、AC電源のコード付きドリルとコードレスドリルがあり、屋外や狭い場所で使用する場合は充電式のコードレスが便利ですが、電動ドリルの場合はAC電源タイプが主流です。
形状は、小型で軽量なピストル型、大型で持ち手がD型のDハンドル型、先端部がL字型で狭いところでの利用に適したアングル型の3種類に分かれているので、用途に応じて選ぶのがコツ。
また、用途によって回転数が違い、1分間に600回転する低速型から、4000回転する超高速型のタイプまであります。金属に穴を開けるには1分間に2000回転以上の回転数の高い機種がよく、それ以下のものは木材向きです。
さらに、作業効率をよくするための便利な機能がついた機種もあります。ビットに合せて回転数を調整する無段変速機能、速度切り替え機能、ビットを抜くときに便利な逆回転切替機能などがついたタイプです。
電動ドリルとよく似た工具とは
電動ドリルによく似た名称や作業能力を持つ工具にはどんな種類があるのでしょうか。穴を開ける材質やサイズなどの用途によって、以下のようなさまざまな種類があります。
・ドリルドライバー(ドライバードリル、電動ドライバーともいう)
・インパクトドライバー
・振動ドリル
・ハンマードリル
このほかにも椎茸を栽培するためのほだ木への植菌孔あけに使われる「椎茸栽培用ドリル」という専用ドリルもあります。1分間に10000回転するうえ、ストッパリングという機能があるので一定の深さの穴を連続して開けることができます。原木栽培の場合、1シーズンで数万個から数十万個もの穴を開けるなど数をこなす必要があるため、このような機種は作業効率がよいのです。錐先の大きさは 8mmから12.7mmまで種菌のサイズにより5種類ほどあります。
では、電動ドリルによく似た工具の特徴や違いを見てみましょう。
ドリルドライバーとは
ドリルドライバー(ドライバードリルともいう)とは、文字通り穴を開けるドリルとドライバーを電動化したものです。コンパクトな工具なので、DIYなどでも多く利用されています。
木材に穴を開けることに加え、ドリルビットを変えることでドライバーのネジを締める機能も併せ持つとても便利な工具です。モーターで軸が回転するのは電動ドリルと同じですが、トルククラッチという調節機能がついているのが特徴です。
トルククラッチとは、あらかじめ設定されたトルク(回転軸を中心にはたらくねじる力の強さ)に達した場合に、自動でクラッチが作動して回転軸をモーターから切り離す機能です。するとトリガー(引き金)を引いていても空回りするだけなので、ネジ山をつぶしたり、木材にヒビを入れたりする心配がありません。ネジの締め具合や穴の開け方を調整して使用できるので、どちらかというと小さなビスを締めるなどの繊細な作業向きです。トルクの締め付けは本体のリングを回転させて設定します。リングに示された20段階の数字がトルク設定の目盛りです。
形状の違いでは、ペン型とピストル型があります。ペン型は主に電気工事などで使われていますが、軽量のためパワーはあまりありません。精密機械の組み立てや家電製品の修理などに向いています。ピストル型は一般的なタイプです。サイズや重量はパワーによって違い、締め付けトルク、回転数、電圧などに差があります。
ビットを取り付けるチャックは、ドリルドライバーの場合キーレスチャックが主流です。取り付けるドリルビットは六角軸と丸軸のどちらも使用できます。キーレスチャックはチャックハンドルを利用して締めるタイプに比べて固定する力が弱いのですが、DIYなどでは問題なく使えますし、ビット交換は手でスリープを回して締め付けるので、取り扱いが簡単なところがドリルドライバーの長所でもあります。
インパクトドライバーとは
インパクトドライバーは、前述のドリルドライバーにハンマーのはたらきを加えたタイプを言います。打撃(インパクト)を与えることからインパクトドライバーと呼ばれています。
ハンマーが内蔵されているのでモーターが回転する方向に打撃を与えて、さらに強い力で締め付けることができます。衝撃が強いので、どちらかというと穴開け作業には向いていませんが、パワーが必要な建築現場などで多く使われています。強い打撃力を持って長い木ネジを打ち込むことができるので、ビス打ちや大型家具の組み立て、堅い材木へのネジ締めなどには必須の工具と言えるでしょう。
ビットを取り付けるチャックはインパクトドライバーの場合、六角軸チャックが主流です。ドリルドライバーのように丸軸と六角軸のドリルビットが取り付けられるわけではなく、六角軸のドリルビットしかセットできませんが、ピッタリ六角がはまって固定されるので、強い打撃と回転に耐えられる構造となっています。
DIY向けのインパクトドライバーにはトルクが90~100N.m程度のパワーがあり、小型で1kgほどの軽量、かつ充電式がおすすめです。電源が確保できる場合はコード式でも快適に使用できます。
なかには、マルチインパクトドライバーとして、モードを切り替えて使用できるタイプのインパクトドライバーもあります。インパクトモードなしでビス締めをしたり、振動ドリルモードでコンクリートに小さな穴あけをしたりと、幅広く作業がこなせます。
また、インパクトドライバー使用時の音を軽減するタイプのソフトインパクトドライバーは、騒音に配慮したい営業中の店舗のリフォームや学校・病院などでの一部改装や修理などに適しています。
振動ドリルとは
振動ドリルとは、木材ではなくコンクリートや石材に穴を開けるために使うドリルのことです。
ドリルドライバーではコンクリートなどに穴を開けることはできませんし、電動ドリルを使っても回転するだけで刃先が食い込んでいきません。振動ドリルは回転する力と先端のドリルビットを振動させることで、コンクリートなどの硬い材質を崩すように穴を開けます。振動により削りカスを落とすので目詰まりせず継続して穴を開けることが可能です。モルタルやレンガなどの欠けやすい材質にも使用できるため、主に建築現場などで使用されています。
開けられる穴は一般的にはネジ用の小さな穴(直径1センチ程度)になりますが、穴を開ける材質(木材、銅板、コンクリート、レンガ、石材など)と穴の大きさ(径)・深さによって、選ぶタイプが変わりますので、しっかりチェックをすることが重要です。
ハンマードリルとは
ハンマードリルは、コンクリートに大きな穴を開ける場合や、コンクリートの軽いはつり作業(削ったり、壊したりすること)に使われるドリルで、電動ドリルとしては大型の機械です。前述の振動ドリルを強力にしたもので、回転する力にハンマーで叩くような強い打撃を加えて穴を開けます。コンクリートのはつり作業をする場合は打撃モードで使用します。
AC電源式は大径の穴あけに最適です。充電式は重量があるものの、作業場所を選ばないため使い勝手の良さがポイント。さらに、ハンマードリル特有のタイプが集塵式ハンマードリルです。コンクリートの削りカスを集めるボックスや袋がついていて、作業現場をなるべく汚したくない場合などに重宝します。
ちなみに、ハンマードリルの商品名に「〇mm」と表記されているのは、その機種でコンクリートに開けられる最大径を表しています。また、ビットの取り付け規格は六角軸、SDSプラス軸、SDS-max軸の3つがあります。購入する場合は、どのぐらいの穴が開けられるのか、必要なビットがどのタイプかを確認してください。
主なメーカーは
電動ドリルをはじめ、ドリルドライバー、インパクトドライバーなどの工具を製造・販売している主なメーカーは次の通りです。
・マキタ
・HiKOKI(日立工機)
・ボッシュ
・ブラック&デッカー
・リョービ
・パナソニック
ドリルと名がつく工具には名称や性能でよく似たものが多くわかりにくいですが、プロはその用途によってしっかり使い分けています。
── 建築現場はもちろん、椎茸栽培でも欠かせないドリル。先端につけるドリルビットや錐先については別途ご紹介しましょう。
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