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コンビニ弁当やパンなどを作る、食品加工工場の製造現場と仕事にフォーカス

スーパーやコンビニに並ぶ弁当、惣菜、パン、お菓子、レトルト、冷凍食品など、手軽に食べられる調理済みの加工食品は、少子高齢化や核家族化、女性の社会進出などが進む近年、ますますニーズが高まっています。

工場から届けられるこれらの加工食品は、厳しい衛生管理・品質管理のもと24時間体制で製造されていますが、私たちがその現場に入る機会はほとんどないため、実際にどうやって作られているのか気になりますよね。そこで今回は、さまざまな食品加工工場の製造現場や、そこで働く人たちの仕事のリアルにフォーカスします。

食の安心・安全を第一に、徹底した衛生・品質管理を実施

食品加工工場と聞くと、ベルトコンベアに乗って流れる大量の食材が、次々と自動で調理されていく……そんな光景を思い浮かべる人が多いでしょう。たしかに、最近の食品加工工場はオートメーション化が進み、人の手をほとんど介さずに製造されている食品もあります。一方で、大きさ・形が不ぞろいな生鮮食材のカットや下ごしらえ、弁当・サラダなどの盛り付け、デザート・パンのトッピングといった工程は、人間の微妙な感覚や勘が重要となるため、一つひとつ手作業で行われています。

このように、食品加工工場は扱う食品や食材によって、製造工程も作業内容も大きく異なりますが、共通するのは「食の安心・安全」を第一に、徹底した衛生管理・品質管理体制を整備していることです。

まず、原材料を仕入れたら「鮮度をチェック」⇒「異物やゴミ、虫などが付いていないか確認」⇒「原材料を洗浄して調理・加工」⇒「製造中の品質チェック」⇒「包装・パッキング」⇒「完成品の検品」と各工程で何度も確認作業を行い、不良品が見つかればそのつど取り除かれます。

また、長期の保存性が求められる食品は急速冷凍したり、真空パックに詰めたりと、温度管理やパッケージにも細心の注意が払われています。こうした細かな対応や入念なチェックを経て、私たちの手元に安全で美味しい食品が届けられているのです。

スタッフの衛生管理・事故防止への取り組みも万全

もちろん、食品加工工場では働く人たちの衛生管理や、事故防止への取り組みも徹底しています。調理作業をするスタッフは、食品への異物混入や工場内への細菌の持ち込みを防ぐため、日々さまざまな衛生管理対策を確実に実践。身だしなみの規定や、禁止事項なども遵守することが求められています。

【一般的な食品加工工場の主な衛生管理対策・禁止事項】

●出勤前に発熱していないか、爪は切ってあるかなど、身体面のセルフチェック。

●就業前に専用の衛生服に着替え、キャップ・マスク・安全靴を着用。

●調理場へ入る前に全身を消毒し、エアーシャワーを通って衣服に付着したホコリや毛髪を取り除く。

●エアーシャワーを通った後、さらに粘着テープで衣服に付着したホコリや毛髪を取り除く。

●作業前に石鹸で手を入念に洗った後、消毒して手袋を着用する。さらに着用した手袋も消毒。

●食品にニオイが移る可能性があるため、化粧・香水・タバコ類は禁止。

●食品への異物混入を防止するため、極端な長髪や、貴金属・アクセサリー類の着用は禁止。

●作業中は手袋の着用が原則だが、ネイルを禁止している工場もある。

こうして見ると、細かい規則がいくつも設けられていますが、ひとたび食中毒や異物混入などの事故を起こすと、食べたお客さまに損害を与えるだけでなく、メーカーや店の信頼も一気に失うことになってしまいます。場合によっては、工場営業停止などの行政処分が下されることもあるため、スタッフの衛生管理と事故防止への取り組みは、どこの工場でも業務上の最重要事項として厳しく指導しています。

コンビニ弁当・パンの製造工程とスタッフの作業内容

では、さまざまな加工食品を製造する各工場では、実際にどのような工程で作業が行われているのでしょうか。ここでは、私たちにもなじみ深いコンビニ弁当・パンの製造工程と作業内容について、それぞれ詳しく見ていくことにしましょう。

【コンビニ弁当工場の製造工程・スタッフの作業内容】

コンビニ弁当の製造工場では、複数のベルトコンベア上で弁当の材料が流れており、スタッフは「原材料の受け入れ」「下ごしらえ」「炊飯」「おかずの調理」「盛り付け」「値段のシール貼り、検品」などの工程ごとに分かれて作業を担当。マニュアルに沿った流れ作業で、さまざまな種類の弁当を仕上げていきます。

●原材料の受け入れ

原材料が工場内に運び込まれたら、まずは鮮度や異物の有無、賞味期限などをチェックし、鮮度が落ちないうちに適切な温度で保管します。

●原材料の下ごしらえ

肉類や魚類、野菜類などの生鮮食材を洗浄し、包丁などで均一なサイズにカットします。

●おかずの調理

下ごしらえした食材を調味し、大きな鍋やオーブンなどに入れて加熱調理します。一度に大量の食材を扱うため、肉体的にややハードな作業となります。

●炊飯

米の種類や気温・湿度に合わせて水の量を調整し、ベルトコンベアに乗った自動炊飯器でご飯を炊きます。

●冷却

加熱調理したおかずや炊き上がったご飯を、冷却器を使って速やかに冷まします。

●容器への盛り付け

冷却したおかずやご飯を、手作業で容器に盛り付けます。分量を均一にすることはもちろん、見た目にもこだわって丁寧に作業を行います。

●包装・検品

フタをして賞味期限や原材料などの表示シールを貼った後、検品します。

パン工場の製造工程・スタッフの作業内容

コンビニやスーパーで販売されているパンは、製造工程のほとんどが機械化されており、パンメーカーの大規模な工場で大量生産されています。工場で働くスタッフは、成形ライン・チェックライン・包装ラインなどの工程ごとに分かれ、ベルトコンベアの前で担当する作業を次々と進めていきます。

●成形ラインの作業

パンに具をのせたり、マヨネーズやソースをかけるといったトッピング作業を行います。

●チェックラインの作業

焼き上がったパンに焼きムラはないか、形が崩れていないか、具材がはみ出していないかなど、一つひとつ目視で確認し、商品として出荷できない不良品を取り除きます。ちなみに、見た目が悪くて出荷できないパンは、工場のスタッフに無料で提供されることが多いようです。パン好きには魅力的な職場ですね。

●包装ラインの作業

完成したパンを包装用のベルトコンベアに流し、包装されて出てきたパンを専用のラックに詰めて仕分けしていきます。

パン工場でのライン作業は、基本的に単純作業の繰り返しとなるので、コツやテンポをつかめば初心者でも簡単にこなせるようになります。ただし、ベルトコンベアの流れに合わせて手早く作業をしなければいけないため、それ相応のスピード感と集中力が求められ、基本的に途中で持ち場を抜ける(トイレなど)こともできません。

食に興味のある人は、工場見学に足を運んでみよう!

食品加工工場で仕事をする場合、栄養士や食品衛生管理士、調理師といった資格を取得していると有利になることもありますが、基本的に必要とされる資格や技能はなく、短期アルバイトや未経験・初心者歓迎の求人が多いのも特徴です。

普段、何げなく食べている食品が、どのように作られているのかを間近で知り、みずからも製造の一端を担うことができるため、食品の製造・加工に興味がある人はもちろん、将来、食品業界に就職・転職したい人にもおすすめの仕事といえるでしょう。

── またここ最近は、生産ラインを見学できる食品工場も増えていますので、気になる工場があれば、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。なかには、完成した商品を無料で試食できる工場もあり、親子連れのファミリーや若いカップルにも人気を集めているようです。ベルトコンベアに乗った大量の食材が次々と加工され、姿を変えていく様子を見るだけでも、ちょっとした感動が味わえますよ!

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