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プロもアマチュアも必見!進化著しい超便利なパワーツール入門

大工といえば、ノコギリ、カンナ、ノミといった昔ながらの手工具であらゆる作業を行っている印象があります。また、これらの手工具を上手に使えるようになることが、一人前の大工の条件となる傾向があります。

しかし近年は、木工用電動工具、いわゆる「パワーツール」の進化が目覚ましく、これらを巧みに使いこなすことも大工職人にとっては重要な技術のひとつとなっています。また、パワーツールの価格が下がっていること、そしてパワーツールを使えば作業が容易なことから、アマチュアにも人気が高まっているようです。

こうした傾向から、今では「切る」「削る」「穴をあける」など、ほぼすべての木工作業がこのパワーツールでできるようになっています。今回は、この木工用電動工具の種類や基礎的な使い方を紹介し、大工職人はもとより、アマチュアDIYファンにも役立つパワーツール入門書をお届けしましょう。

パワーツールの、最近の傾向と使用上のコツ

まずは、パワーツール全般の傾向と、使い方のコツを簡単に紹介しましょう。

1. バッテリーの進化がめざましい

近年のパワーツール、特にドリルドライバーの分野では、充電式が主流となっています。使用場所を選ばない充電式パワーツールはおよそ40年前に初登場。以来、そのパワーも充電時間も大きな進化を遂げています。特に、当初はニカドが中心だったバッテリーはニッケル水素に変わり、今ではリチウムイオンが主役に。リチウムイオンは電圧が高く大きな力を発揮でき、それでいて小型軽量化が可能という特性を持っていますし、なかには充電時間が数分でOKなもの、USBで充電できるものなども登場しています。

2. LED搭載タイプがおすすめ

パワーツールを使う時、手元が暗く、切断する線や締めつけ位置が見えにくいことが多くあります。このデメリットを解決してくれたのが消費電力が少なく、それでいて明るい高輝度LEDを搭載し、丸ノコの切断線、ドリルドライバーの締めつけ位置などを照らしてくれるLEDの普及です。現在主流とされるパワーツールにはLED搭載がされており、作業効率が大幅にアップしています。

3. 材をしっかり固定して使おう

パワーツールは人力をはるかに超えるパワーで材を加工します。加工時は材に大きな負荷が加わり、手で押さえているだけでは材が反動で動き回り、なかなかうまく加工できないもの。そのためパワーツールで加工するときは、材をクランプなどでしっかり固定させて作業することが上手に仕上げるコツです。

4. 捨て材を上手に使おう

パワーツール使用時は、材の下に捨て材を敷くようにしましょう。ドライバードリルで穴をあける時など、下に捨て材を敷かないと工具の勢いによって木が割れてしまったり、“バリ”が出てしまったりします。せっかく便利な工具も、きれいに仕上がらなければ意味がありません。捨て材を贅沢かつ上手に使うことが、パワーツールを生かす方法のひとつです。

5. ケガに十分気をつけよう

パワーツールの多くは、モーターで刃物が高速で回転する工具です。これに手指が巻き込まれたりすれば大事故につながりかねません。事故を防ぐには「袖口がしっかり閉じる作業着を着る」「作業用グローブで手を守る」「慎重に作業を行う」ことが肝要。また、木の破片や粉塵が舞うことも多いので、保護グラスや防塵マスクなども用意しておくとより安心です。

作業目的別パワーツールの基礎知識

直線切りが簡単にできる丸ノコ

【切る】

【丸ノコ】

丸ノコはブレードが高速回転し、直線切りが簡単にできる道具のこと。手ノコで切ったら時間も体力もたくさん必要な作業を、ごく短時間に行えます。しかも一定方向から切り進むので、切り口が滑らかで美しく仕上がります。

ポータブル丸ノコが開発されたのは、第二次世界大戦の前後と言われています。すでに半世紀以上の時間が経過していますが、丸ノコはほとんど当時のままの形をしています。もちろん大幅な軽量化が進み、非力な人でも扱いやすくなっているなど進化を遂げていますが、その構造は開発当初のままと言われています。

直線切りに便利な丸ノコですが、初心者が手持ちで使うとまっすぐに切ることが難しく、自然に曲がってしまうことも……。そんな時は「ガイド」と呼ばれる定規を利用するとまっすぐ切断できますし、材に対して垂直に切るだけでなく、角度を調節して斜めに切ることも可能です。さらに美しい切断面を得るには、ブレードの選択も大切。横挽き用、縦挽き用など、作業にあったものを選ぶようにしましょう。

手動の糸ノコを電動化した工具・ジグソー

【ジグソー】

ジグソーは手動の糸ノコを電動化した工具のこと。直線的なブレードを本体に取りつけ、それが上下にピストン運動することによって切り進みます。大きな円から小さなカーブまで、曲線状に切ることに長けており、ブレードごと本体を斜めに傾斜させ、材を斜めに切ることもできます。

ジグソーは、ブレードがピストン運動をするため材がばたつきやすいことが難点です。これを防ぐコツは、材をクランプなどでしっかりと固定し、本体を押しつけながら切りましょう。

【ネジ締め】

現代の家づくりや木工作業では、材に釘で止めることに加え、ネジ締めが必要なビスの打ち込みもよく使われます。そのため電動のドリルドライバーやインパクトドライバーなどの活躍シーンが増えています。近年は充電式が主流になっており、屋内、屋外を問わず活躍の場を選びません。家庭用組み立て家具の製作にも役立つため、アマチュアにも便利なパワーツールのひとつとなっています。

回転機能により強力なネジ締めや穴あけができるドリルドライバー

【ドリルドライバー】

ネジ締めや穴あけができるドリルドライバーは、現代の木工作業に欠かせないもの。硬い材にいきなりネジを締めつけると材が割れる恐れがありますが、最初にドリルで下穴をあけ、それからネジを締めることで割れを防ぐことができます。ドリルとして、鉄板など、木材以外にも穴をあけることができます。

穴あけとネジ締めをひとつの工具でできることがドリルとドライバーの最大のメリット。穴あけとネジ締めは、先端工具の「ビット」を交換することによって簡単に行えます。このようにドリルドライバー はさまざまな機能をもつマルチなツールなのです。なかでも初心者が使いやすいのは、握りやすいガンタイプのデザインで充電バッテリー式のもの。一般的には12Vあればパワーは十分といえるでしょう。選ぶ際はビットを差し込む「チャック」部分の形状に注意しましょう。できればキーレスチャックのタイプが便利ですし、無段階変則機能の他、回転方向への力「トルク」を調節できる機能つきのものが尚扱いやすいといえるでしょう。

左/コースレッドネジ 右/六角シャンク・ソケットアダプター

【インパクトドライバー】

コースレッドネジを多用する建築現場で、多くのプロに選ばれているのがインパクトドライバーです。見かけはドリルドライバーと似ていますが、インパクトドライバーはビットの回転に加えて、回転方向に打撃(インパクト)を加えることで、強力かつ一気にネジを打ち込んでいきます。

インパクトドライバーのチャックはドリルドライバーとは違い、六角シャンク専用となっています。これは建築現場で素早くビットを交換できるようにとの配慮から。長いコースレッドネジなどを高速で締めつけることは得意ですが、小ネジの締め付けや穴あけ作業には向いていません。

西洋式に押して使う電動カンナ

【切削と研磨】

材の表面をきれいに仕上げる方法として、かつては手工具のカンナだけでしたが、現在は電動カンナはもちろん、トリマーやサンダーなどの電動研磨ツールが登場しています。これらをうまく使いこなせば、とても滑らかに表面を研磨できます。ただし室内の作業時には粉塵が多く出るので、防塵マスクやグラス着用を忘れずに。

【電動カンナ】

本来のカンナは本体を手前に引くようにして使いますが、パワーツールの電動カンナは西洋式に押して使います。自重があるので、材に対して本体を軽く押さえるように押し出すと滑らかに削ることができます。

最初はまっすぐ進めることが難しいかもしれませんが、慣れれば日本のカンナよりも簡単に扱えるようになるでしょう。力をあまり必要とせず、長い材も一気にかけることができるため、テーブルの天板など、広い面の仕上げなどに重宝します。

ビットを高速回転することで材の面取りができるトリマー

【トリマー】

先端にビットを取りつけ、それが高速回転することで材の面取りができる工具です。手工具のカンナで面取りするにはそれなりの技術が必要ですが、トリマーを使えば初心者でもきれいに面をとることができます。

トリマーはドリルなどよりも高速でビットが回転します。この高速回転が材を滑らかに切削し、美しく仕上げることが可能に。だからこそ万が一、稼働中にその先端に触れたりすると大事故につながります。スイッチのオンオフのタイミングなど、より慎重な扱いが求められるパワーツールです。

サンディング(研磨)に重宝するサンダーにはさまざまなタイプがある

【サンダー】

材の面を滑らかに仕上げるサンディングに重宝するのがサンダーです。カンナで仕上げても表面は滑らかになりますが、サンダーのほうがやわらかな表情に仕上がると言われます。

サンダーには、ベルト状の研磨布が回転する「ベルトサンダー」、ディスクが回転して研磨する「ディスクサンダー」、振動で震えるように動く「オービルタルサンダー」、研磨面が楕円状に動く「エキセントリックサンダー」などがあります。

初心者でも熟練職人のような仕上がりに

パワーツールは速くて正確な作業を実現し、しかも美しく仕上がる非常に便利なツール。ここまで、さまざまなパワーツールを紹介しましたが、電動工具にはまだまだ多くの種類があります。ホームセンターや工具専門店で実際に見て、触って、調べてみてください。

進化を続けるパワーツールを上手に使いこなせば、初心者でも熟練の大工職人に匹敵するような仕上がりを手にすることもできます。どのパワーツールを、どのように使いこなすかは、その人の工夫次第。まずは事故を防ぐための準備を怠りなく、文字通り“適材適所”に進化するパワーツールを使いこなしたいものです。

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