ドリルビットはドリルを使うための必須アイテム!ドリルビットの基本を確認しよう!
2019.12.23前回、ドリルについて基本的なことを解説しましたが、DIYなどでもおなじみのドリルドライバーとインパクトドライバーは、そのもの単体では使用できません。ドリルの先にドリルビット(drill bit)と呼ばれる部品をとりつける必要があります。
ドリルビットは日本ではドリル刃ともいわれ、用途別にさまざまな種類があるだけでなく、サイズ、規格、メーカーなどによっても違うのが実状です。穴をあける場合、ネジを止める場合などの使い勝手によっても違いますし、木材や金属など素材ごとに適切なドリルビットを使い分ける必要があります。何を作るためにどのドリルビットを使いたいか、また、自分の持っているドリルに使用できるのかどうかなどを確認してから使いましょう。
── 今回は、ドリルビットについての基本をご紹介します。
ドリルビットの種類と使い方
穴をあけるためのドリルビットの場合、おおまかに分けて、木工用、金属用、コンクリート用などがあります。コンクリート用のドリルビットは振動ドリルなどのコンクリート専用のドリルに取り付けて使うため、一般的なドリルドライバーやインパクトドライバーには取り付けられません。無理に使うとドリルビットが折れるなどの事故につながることもありますので、適切なドリルビットを使う注意が必要です。
また、木材用のドリルビットでは、鉄板などに穴をあけることはできません。逆に、金属用のドリルビットを木材に使用することは可能ですが、使い方としては適切とはいえません。切断面はきれいな仕上がりにならず、粗さが目立つようです。用途に適したドリルビットを使い分けないと、ドリル本体に支障をきたすこともあるので、しっかり確認をして使用できるドリルビットをセットするようにしましょう。
主なドリルビットの種類にはどのようなものがある?
では、ドリルビットの種類について見てみましょう。
木工用、鉄工(金属)用があるので、購入する際は注意して選ぶことをおすすめします。
●貫通ドリルビット(木工錐)
主にDIY用に使われることが多いドリルビットで、木材の穴あけ専用です。ショートやロングなど、それぞれ穴をあけられる深さ(材料の厚み)の違いで分かれています。先端部が「ネジ状」のものは、スムーズに貫通するような穴あけができるタイプ。「三角状」の場合は、押した分だけ穴があくので、好みの穴の深さで止められるのがポイントでしょう。
●下穴用ドリルビット(下穴錐)
ビス締めや木ねじを打つ場合、下穴をあけずに打つと木材が割れてしまうことがあります。そんなときに活躍するのが、下穴をあけるための下穴用ドリルビット(下穴錐)です。先端が先細りしているテーパー状のため、木への食い込みがよいのが特徴です。
●ダボ用ドリルビット
木材を組み立てる際に接合部に使う木の棒を「ダボ」と言いますが、このダボを入れる穴をあけるためのドリルビットです。ストッパー付きで、一定の深さの穴をあけることが可能です。
●センタードリルビット(丁番錐)
ヒンジ(丁番)のちょうど真ん中へ下穴をあけるためのドリルビットです。これを使うと穴をあける場所がずれることがないため、正確かつ簡単に下穴をあけることができます。
機能を併せ持つタイプや、変わったタイプのドリルビットとは?
次に、多機能なタイプやちょっと変わったタイプのドリルビットを紹介しましょう。
●皿錐ドリルビット(皿取錐)※鉄工用もあります
ねじやビスの下穴あけと皿取りが同時にできるものです。ねじ上部が平らな形状の皿ねじがぴったりはまるように、皿の部分まで下穴があけられます(皿取り加工)。ねじが目立たずきれいな仕上がりにできるので便利です。
●フォスナービット(座ぐり錐)
単に穴をあけるだけではなく、底が平らな穴(貫通しない)をあけることができるビットです。平らに削り取る刃がついているので、穴の底面や断面の仕上がりがきれいにできます。メーカーによっては斜めの穴をあけられるものも販売されています。座金やねじ、ボルトの頭を埋め込むための座ぐり穴をあける場合に重宝します。
●ホールソー ※鉄工用もあります
一般的なドリルビットであける穴よりも大きなサイズの配管用などに使います。輪になったさまざまなサイズの刃がついていますが、使用する際は回転数に注意が必要です。回転数が速すぎると刃先が破損したり摩耗したりすることがあるからです。安全面からも、注意書きにある適正回転数を確認し、それを守って使用するようにしましょう。
●パワービット(自在錐)※鉄工用もあります
刃の位置を調整することができるタイプで、1本でさまざまなサイズの穴をあけることが可能です。主に大きな穴あけに重宝します。サイズ調整には六角レンチを使います。
このようにドリルビットにはいろいろな種類があり、穴あけに使用するドリルビットだけでも種類が多いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ドリルチャックに注意して選ぶ
ドリルビットを選ぶ場合、素材や用途に適したドリルビットを選ぶ必要がありますが、取り付けるドリル本体の構造もあらかじめチェックしておくことが必要です。
ドリルビットは、ドリルチャックと呼ばれる部分に取り付け、モーターからの回転する動力を伝えることで穴をあけるため、ドリルチャックのタイプがキーになるためです。ドリルチャックに合った適切なドリルビットをセットしないと正しく使用することができず、故障や事故に繋がることもあるので、きちんと確認しましょう。
ドリルチャックには次の2種類があります。
●キーレスチャックタイプ
丸軸と六角軸の両方のドリルビットを、工具を使わずに簡単に取り付けることができます。素早くドリルビットを交換することが可能なので、とても便利です。DIY向きだといえるでしょう。
●チャックキー(チャックハンドル)タイプ
六角軸ドリルビットしか付けられず、その取り付けや取り外しにはチャックハンドルを使います。そのためスピーディに交換することはできませんが、チャックハンドルという工具を使って締めるため、緩むことなく快適に使用することができます。
使い慣れていない人は、ドリルビットの基本セットがおすすめ
これまで述べてきたドリルビットの選び方を見ていくと、実際はどれが使えるのか悩んでしまうかもしれませんね。特に、初心者の方は使ったことがないでしょうから、わかりにくいのではないでしょうか。
ネットショップや量販店などでは、よく使うタイプのドリルビットをセットにして販売しています。まずは、多種多様なドリルビットがセットになったものを一式揃えてみてはいかがでしょうか。1セットあれば、ひと通りの穴あけやネジ締め作業ができるので、DIY初心者の方やどれを選べばいいかわからない場合は、セットタイプのドリルビットを購入することをおすすめします。メーカーによっても違いはありますが、あまり大きな差はないようです。
使っていくうちに、どのドリルビットの使用頻度が高いか、使いやすいものはどれか、などがわかってくるはずです。使いこなしていくうちに好みが出てくるかもしれませんし、別素材のドリルビットを試してみたくなるかもしれません。基本セットから買い足したり、買い増ししたりして、自分好みにカスタマイズしたセットを作っていけば、使い勝手の良いセットができることでしょう。
最適なドリルビットを選ぶためのコツ
ドリルビットをどう選ぶかは、用途だけでなく、加工物の材質や穴のサイズや深さなどによってさまざまだということが理解いただけたかと思います。電動ドリル本体の構造(ドリルチャック)についてのチェックは必須ですし、ドリルビットの材質や強度、長さ、径サイズなども選択条件として重要な項目です。
先端部にドリルビットを装着してドリルを使い、穴をあけたり、ネジを締めたりして、さまざまな用途に使われることと思いますが、やはり順守すべきは安全です。使用する際はくれぐれも周囲に気をつけてください。
また、適切なドリルとドリルビットのセットが必要なだけでなく、使えば使うほどドリルビットの切れ味は劣化していきますので、メンテナンスも大切です。いかに効率よく作業の目的を果たすかは、用具選び、しいてはドリルビット選びにかかっているともいえます。
使用法を誤ると危険を伴うことがあるドリルビット。安全面に気をつけて、楽しく効率的に作業できるように、目的にそって適切なドリルビットを選定することが、使用するうえでの大切なポイントです。
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