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自動車メーカーの工場の製造ラインの仕事内容とは?

日本の基幹産業である自動車産業は多くの人が働く場でもあります。特に車好きの人は転職や就職を考えたときに、自動車工場の現場ではどのような仕事をしているのか気になるのではないでしょうか。大手自動車メーカーでは、期間従業員の募集がよく行われています。

そこで、自動車工場の製造工程ごとに仕事内容を紹介したうえで、自動車工場で働くメリットやデメリットを紹介していきます。

自動車工場の製造工程とは?

自動車工場では工場内で製造された部品や、自動車部品工場に発注した部品をもとに、自動車を製造しています。

自動車メーカーの工場の製造工程は以下の工程があります。

・プレス工程
・溶接工程
・塗装工程
・エンジン製造工程
・組み立て工程
・検査工程

このうち、プレス工程と溶接工程、塗装工程はフレームの製造工程です。エンジン製造工程には、鋳造工程、機械加工工程、熱処理工程、エンジン組み立て工程、検査工程があります。組み立て工程は、フレームにエンジンやそのほかの部品を取り付けていく工程です。そして、検査工程を経て自動車は出荷されます。

自動車の製造工程ごとの仕事内容

自動車の製造工程の多くは、ロボットなどの機械によって自動化されています。主に同じことを繰り返す作業や人には難しい作業をロボットが担い、人の手による作業は一部です。人が担うのは、機械のオペレーションの管理や細かい作業、目視などによる検査が中心です。

自動車メーカーや工場による違いもありますが、一般的な製造工程の仕事内容をまとめました。

プレス工程

プレス工程は、鋼板と呼ばれる長いロール状の鉄の板を切断して圧力をかけて、自動車のボディやドアなどのパーツを作る工程です。

プレス工程では、まず、鋼板のコイルをセットして、部材ごとに必要なサイズにカットします。次に、プレス機で圧力をかけて成型していきます。

プレス工程は機械によってほとんどの作業が自動化されています。そのため、プレス工程では機械のオペレーションの管理が主な業務となります。

溶接工程

溶接工程では、プレス工程で作られた部材を車の形状にしていきます。溶接とは、電気を流すことで発生する熱によって接合する加工方法です。

溶接工程では、まず、インナーフレーム溶接という、内側の骨格になるインナーパネルの溶接を行います。次はアウター結合溶接の工程で、インナーパネルの外側にアウターパネルを溶接します。そして、ドアを溶接します。その後、約2,000箇所にも及ぶとされる溶接箇所の検査が行われるという流れです。

溶接工程もロボットや機械によって自動化されている部分が多いですが、ドアのパーツを機械にセットするなど、人の手による作業も一部あります。製造ラインではこうした作業のほか、機械のオペレーションの管理が主な業務です。また、検査工程では接合部分の確認など目視や手触りの確認による検査が行われていて、注意力が必要とされます。

塗装工程

塗装工程は、車体のサビを防いできれいな状態で保つために必要な工程です。塗装工程では下塗り塗装・中塗り塗装・ベースカラー塗装(上塗り塗装)・クリア塗装の4回の塗料を塗る工程があります。

塗装工程では車体を洗浄した後、まず、電着塗装を行います。電着塗装は下塗り塗装で、金属部分の錆を防ぐことが目的です。プールに電気を流しやすい電着塗料を貯めておき、車体を浸して電流を流すことで、ムラなく塗料を塗ることができます。

次のシーラー塗布は、鋼板のつなぎ目や細かな隙間から水やホコリが侵入したり、錆びが発生したりするのを防ぐため、シーラーを塗る工程です。

そして、本塗りの工程では、ロボットによる中塗り塗装、上塗り塗装、クリア塗装が行われます。中塗り塗装は塗装面を平滑にするためのもので、ベースカラー塗装は車体のカラーとなる塗料を塗ります。クリア塗装は光沢が出る塗料を塗ります。塗装の一連の業務が完了すると、検査が行われます。

塗装工程も製造ラインは、ほぼすべて機械によって自動化されています。人が担う作業は、機械のオペレーションのほか、検査の目視や手触りの確認といった人による作業と、塗装にムラがある場合はポリッシャーという機械で磨く作業などです。

エンジン製造工程

エンジンの製造には精密で高度な技術を必要とされるため、自動車工場で製造されるケースと、専用工場で作られるケースに分かれます。エンジン製造工程には、鋳造と機械加工、熱処理、組み立て、検査という工程があります。

鋳造はエンジンの材料となるアルミ合金を熱で溶かして、型に入れて成型する工程です。機械加工では、ドリルで穴を開けたり、削ったりしていきます。熱処理は高熱で焼いて炭素を添加する工程で、表面を硬くすることで、強度をアップする目的で行われます。そして、エンジンの部品を組み立てる工程です。エンジンの組み立ては人の手による作業が中心です。

エンジンが完成すると安全性を確認するため、顕微鏡などを使用した精密検査が行われます。

組み立て工程

組立工程は車体やエンジン、シート、窓、タイヤといった多くの部品を組み立てて、自動車が完成する工程です。組立工程はベルトコンベアで車体を移動させて、複数の工程が流れ作業で行われています。組立工程は機械による作業と人の手による作業があります。

自動車は顧客の注文内容よって、車体やシートの色、オプションなどが異なるため、指示書を確認して部品を間違えないように作業をすることが求められます。

組立工程の大まかな流れは、まず、スピードメーターや燃料計などのメーター類や、オーディオ、エアコンなどのスイッチが設置されるインストルメントパネルを取り付けます。そして、ガラスが取り付けられた後、バンパーは人の手で取り付けられます。エンジンは重くて大きいため、数人がかりで取り付けますが、ロボットを補助的に用いる工場もあります。その後、シートやハンドル、タイヤが取り付けられた後、ドアをつける作業は機械も利用しながら、人の手で行われます。

検査工程

自動車が完成すると、ガソリンを少し入れて、検査が行われます。検査項目は自動車メーカーや車種によって異なりますが、数百項目や1500項目、2000項目といった膨大なものです。検査工程は人の手によって行われ、外装検査、内装検査のほか、走行テストや水漏れテストなどの各種検査が実施されます。また、電子部品の検査は専用の機械を用いて行われます。

外装検査では、車体に汚れやキズがないか確認し、ドアの開閉がスムーズにできるかチェックします。内装検査では、内装の汚れの有無、組み立てのずれがないか確認が行われます。

走行テストはドラムと呼ばれるローラーの上を走行させて、メーター類やエンジン、ブレーキ、タイヤなどの検査を行うものです。ヘッドライトが光るか、エンジンオイルの漏れはないかといった点も検査が行われます。水漏れテストは、高圧のシャワーで大量の水を自動車にかけて、水漏れが起こらないか確認するものです。さらに排気ガスとして排出される一酸化炭素や炭化水素の濃度も、検査の対象です。

そして、こうした一連の検査に無事合格した自動車は出荷されます。検査で不具合が判明した車は、該当する工程で修理が行われた後、再び検査を実施して、問題がなければ出荷されるという流れになります。

自動車工場のピッキングの仕事とは?

自動車工場の現場では、直接、製造ラインに関わる業務のほかに、ピッキングの仕事もあります。

自動車工場のピッキングの仕事は、指示された品目・数量の部品を別の製造工程や倉庫で集めて、製造ラインに運ぶ仕事です。部品の運搬には台車を使用するケースが多いですが、重い部品の運搬にはフォークリフトが用いられることもあります。

ピッキング担当者を設けるのは、作業者が自分で部品を集めて取り付けるのではなく、別の担当者が部品を集めた方が作業効率がアップするためです。

ピッキングは慣れて来て、部品ごとの棚の位置を覚えるなどして、スムーズに部品を集められるようになると、製造ラインに貢献していることにやりがいを感じられるようです。

自動車の開発の流れ

新しい車種の自動車が工場で製造されるようになるまでには、通常、企画を始めてから3~4年程度かかります。

企画…自動車が発売される3~4年後の社会構造やライフスタイル、好みのトレンド、車に求められることなどの予測をもとに、デザインコンセプトを決定します。

デザイン…企画が固まった段階で、デザイナーが1つの車種に対して、数百や数千にも及ぶデザイン案を作成します。数案に絞り込まれた段階では、3D画像やクレイモデルの制作によって立体化して、デザインイメージを1案を選定していきます。

設計…決定したデザインイメージをもとに、外装や内装、パーツなどの設計を行います。デザイン面だけではなく、自動車の基本性能に関する設計も実施されます。

試作…設計したデータをもとに、部材をつくって組み立てを行うなど、試作車を制作します。

テスト…高速道路や滑りやすい道、電波の影響を受ける環境、様々な気候の場所、幅広い条件下で試作車による実験を行います。そして、実験の結果を評価した結果にもとづいて改良を行い、再びテストを実施することを繰り返します。

この後、実際に工場で製造を行う前に、生産技術部門などでの生産性の検証や工程の検討、生産設備の検討や設計、調達といった段階を経て量産化されます。

自動車工場の製造ラインの雇用形態は?

自動車工場の製造ラインでは、主に正社員や期間従業員(契約社員)、派遣社員の3つの雇用形態の人が働いています。一部の業務は正社員に限定されています。

正社員は安定した雇用形態であり、賞与が支給されます。期間従業員よりも派遣社員の方が時給がやや高めですが、期間従業員は満期慰労金などの手当が充実している傾向があります。短期間でまとまったお金を稼ぎたい人には、期間従業員が向いています。

また、期間従業員は正社員登用制度を利用して、正社員を目指すことが可能です。期間従業員から正社員になることで管理職への道も開けます。ただし、正社員への登用の実績は、自動車メーカーによって差があるため、注意が必要です。

自動車工場の製造ラインで働くメリット

自動車工場の製造ラインの仕事は未経験から始めやすく、お金を稼ぎやすいことがメリットです。また、非正規雇用の期間従業員から正社員を目指すこともできます。

未経験からスタートしやすい

自動車工場の製造ラインは機械による自動化が進んでいて、人の手による作業はマニュアル化されています。そのため、基本的には決められた作業を正確に遂行することが求められることから、初心者でも取り組みやすいです。

また、特に期間従業員や派遣社員は、新しい技術を次から次へと覚えることを求められることは少なく、同じ作業を繰り返して行うケースが中心です。反対に経験を積んでいくうちに、高度な技術を必要とする仕事を任されて、スキルアップを図れるケースもあります。

正社員を目指すことができる

自動車メーカーの多くで期間従業員を対象に正社員登用制度を設けています。正社員を希望すると必ずしもなれるわけではありませんが、大手自動車メーカーの正社員になるチャンスがあることはメリットといえます。

稼ぎやすい環境が得られる

自動車工場の期間従業員は無料の寮に入れて、食事手当や満期慰労金などの諸手当が充実しているのが特徴です。また、交替制の勤務で、深夜に業務に従事する際には深夜手当が支給されます。非正規雇用の中では、比較的稼ぎやすい環境が得られるといえるでしょう。

一定の需要がある

自動車産業は日本の基幹産業であり、国内市場に限らず、海外への輸出も行われています。一定の需要があることから、期間従業員や派遣社員として働く場合に、更新で契約を打ち切られにくいこともメリットです。

自動車工場の製造ラインで働くデメリット

自動車工場の製造ラインの仕事は体力面や夜勤があることなどによるデメリットもあります。

慣れるまでは体力面できつい可能性がある

自動車工場の製造ラインの仕事は、いずれの業務の担当になっても、立って行う仕事がほとんどです。長時間、集中して作業を行うことが求められるため、慣れるまでは体力的なきつさを感じることが考えられます。

夜勤がある

自動車工場の製造ラインは、2交替制や3交替制の勤務が基本です。勤務時間が一定の周期で変わり、夜勤が発生するため、慣れない人は生活のリズムを整えるのに苦労するかもしれません。また、睡眠不足になりやすいことや生活のリズムがつかみにくいことに、ストレスを感じやすいこともデメリットに挙げられます。

単調な作業を繰り返して行う

自動車工場の製造ラインは、業務がマニュアル化されているため、仕事を覚えること自体は難しくありません。しかし、正確に業務を遂行することが求められます。単純作業が苦手な人は、集中力を保ちながら、同じような作業を長時間にわたって繰り返し行うことに、つらさを感じる可能性があります。

夏は暑く、冬は寒い可能性がある

自動車工場は空調が完備されているのが一般的です。ただし、工場内は広い空間のため、空調の風が十分に行きわたらないことがあります。また、夏にスポットクーラーが設置されていても、涼しくなるのは局所のみというケースもみられます。工場や担当業務によっては、夏の暑さや冬の寒さが厳しいこともデメリットです。

自動車工場の現場の仕事に向いている人とは?

自動車工場の現場の業務は体力があり、誠実に業務に取り組める人に適性があります。

自動車が好きな人

自動車工場の製造ラインの仕事は、車ができていく過程に携わることができるという醍醐味があります。そのため、好きな車に関われることから、製造業の中でも自動車工場を選ぶ人もいます。自分が関わっている車種の自動車が街を走っているのを見かけると、誇らしい気持ちになることがあるようです。

体力がある人

自動車工場の製造ラインでは立って行う仕事が中心です。担当業務によっては力を必要とします。ある程度の体力がある人でなければ、務まらないことが考えられます。

集中力を持ってコツコツと業務に取り組める人

自動車の製造工程は機械化が進み、作業はマニュアル化されているとはいえ、集中力を持って、正確に作業をこなしていくことが求められます。長時間にわたって実直に業務に取り組める人に向いた仕事です。

まとめ

自動車工場の現場の仕事はある程度の体力が必要とされますが、マニュアル化されていることから、未経験からスタートするハードルが高くありません。自動車が好きな人やモノづくりに携わりたい人は、転職先や就職先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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