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ライン作業とは?求人の条件や仕事内容、向き・不向きは?

ライン作業は大規模な工場などでよくみられる生産方式です。求人情報でも、ライン作業や流れ作業の募集はよく見受けられます。実際にライン作業では、どのような仕事を担うことになるのでしょうか。ライン作業は単純作業が中心ですが、人によって向き・不向きがあります。

ライン作業などの生産方式について触れたうえで、工場のライン作業の現場で働くメリットやデメリットなどについて紹介していきます。

そもそも、「ライン作業」とは?

ライン作業はライン生産方式のことをいい、流れ作業と呼ばれることもあります。

ライン作業では、工場のベルトコンベアーの上を流れて部品や製品が運ばれていき、複数人がそれぞれ所定の位置で担当する作業を行い、製品を完成させていきます。

ライン作業は大量生産を行う工場で広く採用されている生産方式です。半導体工場や自動車工場、食品工場など、製造業の幅広い業種でライン作業が導入されえいます。

製造する製品や配置される作業による違いはありますが、ライン作業では基本的に作業の順序や内容はマニュアルや作業指示書で決められていて、作業者は指示内容に沿って作業を行うのが一般的です。専門性が必要とされない単純作業が多くを占めます。

ただし、工場によっては週単位あるいは1日単位で担当する業務をローテーションして、作業者が複数の作業に対応できる体制がとられています。

ライン生産方式の特徴やメリット・デメリット

ライン生産方式は生産ラインの構築にコストがかかり、多くのスペースを必要とすることから、長期間にわたって大量に同一の製品を製造する場合に向いています。また、完成在庫を持つ商品に向いた生産方式でもあります。

ライン生産方式では、生産ラインは一定の速度で稼働することから、生産計画で予定した生産量にもとづいて生産を行いやすいことや、同一の製品を安く効率的に製造できることがメリットです。一方で、一つの作業工程に不具合が生じると、生産ライン全体に影響が波及することがデメリットといえます。また、ライン生産方式は細かな仕様の変更に対応しにくく、多品種少量生産には向きません。

また、生産ライン方式は作業者の側面からみると、各作業者が決まった作業を担うことから、教育コストを抑えられることや作業者を確保しやすいことがメリットです。作業者が複数の作業工程の業務を習得することで、欠員が起きたときなどに柔軟に対応することができます。

ただし、長期的な視点に立つと、単純作業が中心のため、長期間作業に携わっていても、一定以上の技量の向上が見込めないことがデメリットといえます。作業者のモチベーションを維持しにくいことから、人材が定着しにくいことも課題です。

ライン生産方式とセル生産方式の違い

昨今では顧客のニーズが多様化したことから、多品種少量生産に適した生産方式として注目されているのが、セル生産方式です。

セル生産方式は1人、または複数人のユニットで製品を完成させる生産方式です。ライン生産方式は作業者は所定の位置について一つの作業を担うのに対して、セル生産方式では業者が動きながら複数の作業を担当します。また、ライン生産方式では多くの作業者を必要とするのに対して、セル生産方式では少数の作業者で担えるのも異なる点です。

また、ライン生産方式はベルトコンベアーがあることなどから、製造ラインの変更を簡単に行うことはできませんが、セル生産方式は容易に変更することが可能です。

セル生産方式には、U字ラインや二の字ラインといったレイアウトがあります。

ライン作業の工程の種類

ライン作業で行う工程は主に、加工・組み立て・検査」「梱包」「仕分け」があります。

加工

加工は手作業や機械による作業で、材料を変形、変質させるなど加工する工程です。自動車工場の場合は、鋼板を部材ごとに必要なサイズにカットするプレス工程や、部材を車の形状にする溶接工程などが該当します。

組み立て

組み立ては部品を組み立てて、製品として完成させる工程です。自動車工場の場合は、車体やエンジン、シート、窓、タイヤなどの部品を組み立てて、自動車として完成させる工程になります。

検査

検査は出荷前の製品の中に不良品がないかをチェックする工程です。自動車工場では検査項目は数百項目~2000項目におよび、外装検査や内装検査、走行テストや水漏れテストなどが実施されています。

梱包

梱包は配送時に壊れないように緩衝材を使用して、製品を段ボールに詰める工程です。

仕分け

仕分けは完成した梱包した製品を配送先によって仕分ける工程です。トラックへの積み込み作業も含まれることがあります。

工場のライン作業は未経験からスタートできる?

工場のライン作業の仕事は未経験から応募できる求人が多くを占めています。また、学歴や資格などによる特別な条件が設けられていない求人が中心です。

ライン作業は未経験者でも無理なく対応できるように、マニュアルが用意され、教育体制が確立されていることが多いです。また、ライン作業の中でも、初めは覚えやすい仕事から担当することが一般的です。

そのため、初めはまわりの人のようにスピーディに作業をこなせないことに戸惑いを覚えるかもしれませんが、教育担当者など周囲のアドバイスや作業への慣れによって、徐々にスピードが上がっていくため、未経験から無理なくスタートできるのです。

ライン作業の仕事のメリットとは?

ライン作業は単純作業が中心のため、慣れれば難しい作業ではないことや、工場によっては正社員を目指せるといったメリットがあります。

作業を覚えれば簡単

「ライン作業はスピードについていくのが大変」という声も聞かれますが、基本的には単純作業です。慣れてきて要領をつかんでしまえば比較的簡単なため、未経験からでも無理なく取り組みやすいです。

興味がある製品に関われる

モノづくりに興味がある人にとっては、モノづくりの一旦を担えるという楽しさある仕事です。また、完成品を取り扱う工場の場合は、製品によっては実際に製造に関わっているモノが世の中で使われていて、人々の役に立っているシーンを目の当たりにできることにやりがいを感じられます。

職場によっては正社員を目指せる

ライン作業は未経験からできる求人が多い一方で、雇用形態はアルバイトやパート、派遣社員、契約社員といった非正規雇用が少なくありません。しかし、正社員登用制度を設けているケースが目立ちます。

ただし、正社員に登用制度があっても、実際の運用には差があり、正社員に登用された人が限られているケースもあります。ゆくゆくは正社員になることを目指している場合は、東洋実績や登用の条件などを面接時に確認しましょう。

ライン作業の仕事のデメリットとは?

ライン作業は単純作業が中心ですが、正確に多くの作業量をこなすことが求められるため、「きつい」「大変」といわれることもあります。

体力面など肉体的なきつさがある

ライン作業の多くは立ち仕事のため、基本的に勤務中は立った状態で作業に従事します。また、同じ作業を繰り返して行うため、同じ姿勢を取り続けることが多く、首や足腰に負担がかかりやすいことがデメリットです。作業時の力の入れ方などによっては、腱鞘炎になる人もみられます。

腰痛や足のむくみを防ぐには、休憩時間にはストレッチをして過ごす、入浴時にマッサージをするなど、身体への負担を軽減する工夫をしましょう。また、ライン作業でも組み立てや検査の工程などで、座って作業を行う工場もあります。

長時間にわたって集中力が求められる

ライン作業は単純作業が中心ですが、ミスなく作業を行うことが求められるという大変さがあります。ミスをすると作業が止まってしまうことをプレッシャーに感じる人もいます。また、単調なことを繰り返し行うことで眠気を覚える人もみられます。ミスを防ぐには長時間にわたって飽きることなく、集中力を切らさずに作業に取り組むことが必要です。

ただし、個人差はありますが作業に慣れていくと、気を付けるべきポイントや手を休めるタイミングがわかり、無理なくこなしていけるようになるようです。

作業スピードの速さが求められる

ライン作業はベルトコンベアーで流れてくる速度に対応するなど、一定の作業スピードが求められます。工程にもよりますが、作業スピードが早すぎるのも遅すぎるのも好ましくなく、全体のペースを乱さないためには、周囲に合わせてリズムよく作業を行うことが大切です。

そのため、慣れるまでは間に合わないことがあったり、間に合わせなければならないとプレッシャーに感じたりすることが辛いと感じる人もいます。反対に、作業が遅い人や要領をつかめない人に対して、苛立ちを覚える人もいるようです。

ただし、仕事に慣れることでスピードアップが図れて、周囲にスピードを合わせて作業を行えるようになることが多いようです。

時間が経つのが遅く感じる

ライン作業は単純作業が中心のため、単調な作業を続けていると、時間が経つのが遅く感じる人もいるようです。時計を見過ぎてしまうと、時間が経つのが余計に遅く感じやすいです。

トイレに行きにくい工場もある

ライン作業に携わっているときにトイレに行きたくなると、生産ラインを止めることになることから、行きにくさを感じるケースがあるようです。しかし、工場によっては昼休憩以外に午前や午後に休憩が設けられていたり、トイレなどで持ち場を離れるときには代替要員が配置される体制がとられていたりします。

作業中のトイレのことが心配な人は面接時に確認するとよいでしょう。

工場によっては夜勤がある

24時間稼働している工場などでは、夜勤が発生します。夜勤は深夜勤務手当がつくため、収入がアップするものの、生活リズムが不規則になりやすいことがデメリットです。

ライン作業に向いている人とは?

ライン作業は体力がある人に向いている仕事です。また、黙々と集中して作業に取り組める人や創意工夫ができる人が活躍できます。

体力に自信がある人

ライン作業では休憩時間を除くと、ほとんどの時間立って仕事をします。数時間にわたって同じ姿勢で作業を続けるには、ある程度の体力が必要です。

黙々と集中して作業ができる人

ライン作業では指示された作業内容に従って、コツコツとミスなく丁寧に仕事をこなしていくことがあります。作業中に雑談をしていると、思わぬミスにつながりかねません。黙々と集中して作業に取り組むことが得意な人に向いた仕事です。

創意工夫をして取り組める人

ライン作業はマニュアルや作業指示書に沿って作業を行うのが基本ですが、正確にスピーディに作業をこなしていくには、ノウハウやコツが必要な部分もあります。また、昨今では業務効率化が推進されていることから、創意工夫をして効率よく作業を行うための改善提案を求める向きもあります。社員の登用に際して、企業によっては積極的に改善提案を行う人材が優遇されます。

モノづくりが好きな人

単純作業であっても、製造工程の一つひとつの工程は意味があるものです。モノづくりが好きな人は、何でこの作業が必要なのか、自分が担当する次の工程ではどのような作業が行われるのかなど、興味を持って意欲的に取り組めるため適性があります。

ライン作業が向いていない人とは?

ライン作業は立ち仕事のため、ある程度の体力がなければ持たないことが考えられます。また、飽きっぽい人やおしゃべりな人には不向きな仕事です。

体力面での不安がある人

ライン作業は立ち仕事が中心のため、体力面で不安がある人には不向きです。また、製造する製品や担当する工程によっては、重い部品などを持つこともあります。

飽きっぽくて集中力がない人

ライン作業は単純作業が中心とはいえ、集中して作業を行わなければ、思わぬミスにつながることがあります。単調な作業が続くことを退屈に感じてしまう人や飽きっぽい人など、長時間集中して一つのことに打ち込むのが苦手な人は向いていません。

工場によっては担当する業務を1日単位や週単位でローテーションするなど、集中して作業に取り組みやすいように配慮されています。

仕事中でもおしゃべりな人

ライン作業では話をしながらワイワイやるのではなく、集中して寡黙に作業を行うのが基本です。休憩時間に同僚などと話をしてコミュニケーションをとるのは良いことですが、仕事中でもおしゃべりな人には向いていません。話をしながら作業をしているとミスにつながりやすく、周囲の人の集中力の妨げにもなります。

工場のライン作業のコツ

工場のライン作業は単純作業が中心のため、飽きが来る可能性があることや、一定のスピードで作業をこなすことを求められることが大変だと感じている人もいます。そこで、工場のライン作業に適応していくためのコツをまとめました。

十分な睡眠時間を確保しておく

作業に慣れるまでは特に疲れがたまりやすいですが、睡眠不足の状態は作業効率が落ちてしまうことが考えられます。また、集中力に欠けてしまいやすいことから、ミスにもつながりやすいです。さらに作業中に眠気をもよおしてしまうと、重大な事故につながる可能性があり危険です。

適正な睡眠時間は人によって異なりますが、翌日が仕事の日には十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

慣れている作業者の動きをまねる

ライン作業はマニュアルが用意されていることが多いですが、長年携わっている人は経験から培ったノウハウを身に付けていて、スムーズに作業を行っていることも考えられます。マニュアルや教育担当者から教わったことをもとに作業を進めていく中で、上手くいかない部分がある場合は、周囲の慣れた作業者の動きを観察して取り入れてみるのも一つの方法です。

また、休憩時間を利用して周囲の人に相談してみましょう。

合格基準を把握する

ちょっとしたミスが気になって作業に遅れが生じている場合、実際にはそこまで精密な作業は求めておらず、さほど気にすることはない箇所にまでだわってしまっているケースもあります。作業を正確に行うことは大事ですが、要求水準を理解しておくことが大切です。検品の合格基準を確認して、どの程度までが許容範囲なのか把握すると、スムーズに作業を進めやすくなります。

作業を効率化する方法を考える

マニュアルや教育担当者に教わった方法で、スムーズに作業を進めることができるようになったら、作業を効率化する方法を考えてみましょう。職場によっては改善提案を行うことが推奨されています。

まとめ

ライン作業は難しい作業を行うわけではありませんが、体力や集中力などが必要とされることから、向き・不向きがあります。また、製造する製品や担当する工程による違いもあります。ライン作業に限らず、自分に合った求人を探してみましょう。

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