おしゃれなイメージのパティシエは、実は体育会系? 洋菓子作りの職人・パティシエにフォーカス!
2020.01.202019年は“飲むスイーツ”のタピオカドリンクが大きな話題になりましたが、バブル期から平成にかけてのスイーツブームによって、ケーキ、クッキー、パイやムース、タルト、シュークリームなどをひとまとめにして「スイーツ」と呼ぶことが多くなりましたね。そんな洋菓子ですが、単なる「おやつ」や「お菓子」の領域を超え、見た目にも華やかで美しく、話題性のあるスイーツが続々登場! 甘いお菓子は疲れを癒すだけでなく、リラックスした幸せな気分にしてくれる効果があるため、最近は“スイーツ男子”と呼ばれる、甘いもの大好き系男子も増えているようです。
さて、それまで「ケーキ職人」や「洋菓子職人」と呼ばれていた職業が、総じて「パティシエ」と呼ばれるようになったことで、世界で活躍する日本人パティシエも増え、小学生女子の「将来なりたい職業」の上位に、最近は当たり前のようにパティシエがランクインしています。
このように華やかでおしゃれなイメージのあるパティシエですが、実際にはどのような仕事なのでしょうか? 今回は、洋菓子を作る「職人」としてのパティシエにフォーカスし、どうすればパティシエになれるのか、仕事内容や収入、やりがいなどをみていきましょう。
フランス語の「パティシエ」「パティシエール」の違いとは?
そもそも「パティシエ」はスイーツの本場・フランス発の名称です。それまで日本で呼ばれていた「ケーキ職人」「洋菓子職人」と比べて、とてもおしゃれな呼び名ですが、「パティシエ」の名称を生み出した本場フランスでは、パティシエとはどのような職業なのでしょうか?
「パティシエ」はもともとフランス語で「菓子職人」を意味します(菓子を製造して販売する店や生地に小麦粉を使った菓子は「パティスリー」 )。フランス語を少しでも勉強した人ならおわかりでしょうが、フランス語の名詞には「男性形」と「女性形」があり、呼ぶ人の性別にそって使い分ける必要があるため、下記のように呼び分けられています。
●「パティシエ(patissier)」の名詞は男性形
●「パティシエール(patissiere)」の名詞は女性形
●男性のパン職人は「ブーランジェ(boulanger)」
●女性の場合は「ブーランジェール(boulangere)」
つまり、フランスでは男性の菓子職人を「パティシエ」、女性の菓子職人を「パティシエール」と呼び、名詞に男性形、女性形がない日本では、性別を問わず「パティシエ」と呼んでいます。
もっとも、フランスでも「パティシエ」と「パティシエール」で違うのは名詞(呼び名)だけで、仕事内容などに性別の違いはありませんし、男性女性を問わず、たくさんの人が笑顔になるおいしいお菓子を作ることが仕事であり、そして使命なのです。
フランスでパティシエは、ステータスの高い職業
フランスは、まさにお菓子大国。マカロン、フィナンシェ、マドレーヌにクレープ、エクレアにミルフィーユ、フォンダンショコラなど、フランスからやってきて日本でおなじみとなったお菓子はたくさんあります。そのため、プロの菓子職人を目指す日本人がフランスへ留学して修業するケースもとても増えていますが、フランスでは、パティシエはステータスの高い職業として認知。技能水準に応じて、下記の国家資格が設けられています。
●初級の職業適性証(CAP)
●中級の職業バカロレア(BAC)
●最上級のブルベ・ド・マイトリス(BM)
最高水準の技術が認められた職人はM.O.F(フランス国家最優秀職人章)に認定されますが、これは日本で言えば「人間国宝」に相当する名誉。M.O.Fコンクールは3年に一度開催され、このコンクールで評価されれば、フランス料理界で”最高の栄誉と信頼”を保証されることになります。
フランス人の生活に必要不可欠なスイーツ
フランス人の生活におけるスイーツの存在感も、フランス文化でパティシエの地位を高める要因になっているといえます。例えばフランスでは下記のように、スイーツに出会うチャンスやチャネルが非常に豊富です。
●日常生活に欠かせないパン。街のあちこちにあるパン専門店には、店頭に必ずさまざまなスイーツが並んでいる。
●ケーキ専門店も多いが、それ以上に例えばチョコレート専門店、マカロン専門店、カヌレ専門店、エクレア専門店、マドレーヌ専門店などもあり、「道を歩けばスイーツに出会う」といえるくらい多彩なスイーツ店をみかける。
●日曜日などに家族全員が集まる際には、ホスト(招待する側)は食後のケーキやスイーツを用意しておく。
●何の記念日でもない普通の日に、恋人が彼女の好きなスイーツをプレゼントする、というような愛情表現が多い。
●フランスは料理に砂糖を使わない国のため、洋菓子はしっかりと甘く仕上げられ、甘いスイーツを摂ることで味覚のバランスをとっている。
長い歴史のなかでフランス人の生活とスイーツは切っても切れない関係にあり、深くかかわってきました。フランス人作家マルセル・プルーストによる世界的名著『失われた時を求めて』では、紅茶に浸したマドレーヌの味覚と香りから幼少時代の記憶を鮮やかに蘇らせる記述はつとに有名ですし、印象派を代表するフランス人画家のクロード・モネは、フランス菓子とは趣向が異なる英国菓子に興味をもち、筆を休めるティータイムにスイーツを楽しんでいたとも伝えられています。
また、砂糖や甘味調味料を料理の隠し味に用いている日本人から見て、フランス料理は砂糖を使わずに作られる……と聞いて驚く人も多いと思いますが、こうした相違から、スイーツの甘さにも下記のような相違があるのです。
日本では甘さをひかえたスイーツが好まれる傾向にある。対してフランスでは、しっかり甘さをきかせたスイーツが好まれる傾向にある。
パティシエになるための資格や免許は必要なくとも、技術や知識は必要
では、日本におけるパティシエに視点を戻し、具体的な点をみていきましょう。どうすればパティシエになれるのでしょうか?
先にも述べたようにフランスではパティシエは国家資格であり、レベル別に取得しなければならない資格が定められています。またパティシエ免許がなければ、一定額以上の給料が支払されることも、仕事をすることも認められません。
一方の日本は、パティシエになるために必要な資格や免許はありません。つまり、お菓子を作る基礎的な仕事ができさえすれば、パティシエを名乗ることは可能です。この点は、調理師として仕事するには調理師免許を取得しなければならない点を考えると意外な気もしますが、パティシエを目指す人であれば「未経験者OK」と書かれたスイーツ店の求人募集に応募したり、ホテルやレストランで見習いとして経験を積む道も選択可能です。
ただし、自由に「パティシエ」と名乗って仕事はできるものの、単にお菓子作りがうまい、お菓子作りが好きなだけでは、当然ながらパティシエとして通用しません。パティシエには、多種多様な洋菓子作りのレシピや専門技術をマスターし、それをお客様に提供できる(お金を支払ってもらう)レベルで大量に製造しなくてはならないため、継続性と高度なスキルが求められることになります。
また、ホテルやレストランなどで働く場合には、先輩の人も忙しいことが当たり前。よって、技術も基礎から丁寧に教えてもらえるとは限りませんし、必要な知識は忙しい日々の仕事の合間に自ら進んで習得する気構えが必要です。さらにこうした場合、菓子作りの専門学校を卒業した同僚と比較して、理論的+体系的なスキルの差を感じることもありえるでしょう。
専門学校で知識と技術を体系的に習得するのが一般的ルート
お菓子作りが趣味という人や、プロ顔負けのお菓子を作る人も最近は増えているようですが、限られた時間内に、同じお菓子を同じ形で同じ味に作り続ける。そして、それを何種類も同時進行させる、となれば、そこにプロとして極めて専門的なスキルが求められることになります。つまり、趣味のお菓子作りと、洋菓子職人のプロとしてのパティシエには、目には見えないけれど、高くて厚い壁で仕切られているほどの格段の差があるのです。
では、専門的な知識を体系的に身につける方法はどのようなものがあるのでしょうか。パティシエの知識・技術を学ぶ方法としては以下のような選択肢があります。
●製菓専門学校に通う
●短期大学の製菓コースで学ぶ
●店舗で修業、弟子入りする
●お菓子作りの教室などに通う
なかでもおすすめなのは、専門学校や短期大学などで製菓の基礎から学ぶルートです。学校では、お菓子作りに関する知識や技術はもちろん「食品衛生」「店舗経営」「飾りつけやデザイン(ケーキのデザインやデコレーション)」など、パティシエとして知っておくべき知識を総合的に学ぶことができます。
特に日本では、現在パティシエとして活躍している人の多くが、製菓の専門学校に通ってスキルを身につける……といった一般的ルートを歩んできたといわれています。菓子専門学校の場合は2年制が多く、さらに卒業後、洋菓子店やホテルなどで修業を積んでキャリアを重ねていきます。また、専門学校在学時に一定の知識や技能を証明する資格取得を推奨するケースも多いため、資格を取得しておけばパティシエとして就職する際に有利になります。さらに学校によっては、スイーツの本場とされる欧州への研修留学制度などが整えられていることもあり、そうした経験を通して実践的スキルを幅広く養うこともできます。
さて、専門学校などでパティシエの基礎を習得し、いざ、製菓の現場へ! そこで若きパティシエたちはどのような現実と向き合うのでしょうか?
パティシエの仕事は体育会系!? パティシエの厳しい労働環境
きれいで洗練されたスイーツを作るパティシエの仕事は、おしゃれなイメージが強いため、小学生の将来なりたい職業にランクインされるようになったことは頷ける点が多いですし、パティシエを目指す人は、いずれ自分で考案したオリジナルスイーツを完成させたり、海外の有名スイーツ店で働いたり、自分の店を開業させるなど、さまざまな夢を抱いていることでしょう。
しかし、現実的にパティシエの仕事はそうしたイメージとのギャップが大きく、とても重労働な仕事であることを最初に理解しておかなければなりません。例えば、体育会系の部活に所属して「体力も根性もある」「同じ作業を継続させる忍耐力がある」といった人ほどパティシエ向きともいわれるのですが、実際にパティシエの仕事を続けているうち、知らず知らずのうちに腕に筋肉がつく人も多いよう……。では実際に、パティシエがどのような重労働な仕事なのか、具体的に挙げてみましょう。
●パティシエの仕事は早朝から始まることも多く、店の営業時間が終わったあとも残業や翌日の仕込みが続くこともある。
●厨房の調理器具や、生地をのせた重い鉄板、袋詰めの重い小麦粉、グラニュー糖などを持ち上げる、運ぶといった力仕事も多い。
●厨房や作業室の中で、長時間の立ち仕事や、力仕事に従事することが多いうえ、単純作業を毎日継続することから、腱鞘炎(けんしょうえん)がパティシェの職業病といわれている。
●土日祝日やクリスマスなどの繁盛期は、休みを取ることは難しい。(専門店には泊まり込んで作業をするためのスペースを確保していることも)
●温度によって変化しやすいデリケートなチョコレートをはじめとする菓子材の品質管理のため、厨房は一年中冷房が効いている(低い温度で管理されている)ことが多い。
●人気店になるほど予約注文が多いうえ、たくさんの商品を作り続けることから常に忙しく、残業も当たり前。
●パティシエのスキル向上の一環であるコンクールへ出品する場合、その練習も営業(閉店)後におこなうため、プライベートの時間を削って仕事に従事することも。
上記に挙げたような労働環境から、業界では体力的に優位な男性が多い傾向にあるといわれていますが、逆に1mm単位の緻密なデコレーション、0.5度単位での温度管理を必要とする繊細さが求められることが多いため、アバウトな性格や継続力の乏しい人はパティシェには向いていないといわれています。
また、製菓学校を卒業してパティシエになる夢をようやく叶えたにもかわらず、一人前になる前に辞めてしまう人も多い現状にあるようです。ある報告によると、製菓の専門学校に入学した時点では女性が8割を占めていたのに、卒業後、現場に入って10年弱の時点で、男女半々の割合に変化しているという数値も明らかになっています。このように、パティシエ目指す人は男女に関係なく、継続性、集中力、弱音を吐かない前向きなタイプといった人が向いているといわれているのです。
現場ごとに、パティシエの仕事内容はさまざま
街のケーキ店や洋菓子店、大手菓子メーカーの生産ライン、ホテルやウェディング関係など、多くのシーンでパティシエは活躍していますが、その仕事内容はどのようなものなのでしょうか。簡単にまとめてみましょう。
〇小規模な洋菓子店やチョコレート専門店など/働くスタッフの数が少ないことから、新メニュー開発、スイーツ製造、販売を含む全プロセスにおいて、パティシエがかかわることが多い。
〇規模の大きな専門店や工場など/企業が経営している現場では、生産性や効率性を重視することが多いため、「焼き菓子のみ」「生地のみ」「デコレーションのみ」など、工程ごとに作業分担することが多い。
〇レストランやカフェなど/スイーツ作りはもちろん、最近であればSNS映えするデザインの考案など、時代や流行を察知する能力やセンスが求められる。また、美しく盛りつける技術も必要で、高度な美的センスも必要とされる。
このように、働くシーンによって担当する業務は大きく異なってきますが、いずれにしてもパティシエには、力仕事や立ち仕事、長時間労働など気力・体力を要する専門性の高い仕事であり、そうした素養に加えてアイデア、創造力、美的センスなどを発揮することが多い仕事なのです。
有名店の食べ比べで、トレンド、専門用語、知識、感性を養おう
さらにパティシェは、話題のアート作品や流行のカラーやデザインなど、世の中のトレンドに敏感であるよう常に感性を磨く必要もありますし、チョコレートだけをとっても、世界のカカオ生産地ごとの味・香りの違いや、紀元前2000年にまで遡るカカオの歴史に関する知識も、パティシェの基礎的な素養となります。
そのほか、パティシェを目指す人は早い段階からデッサン力を磨いておきましょう。多くのパティシエが休日の時間を使って有名店やライバル店に足を運び、そのお店のスイーツを食べて“舌”(味覚)を養っているといわれますが、こうした習慣を早い段階から身につけておけば、それだけスイーツに関する知識を誰より早く習得できることになります。
その際に、自分だけの「レシピノート」を用意し、自分が食べたスイーツをデッサンする方法も習得したいもの。そのノートの1ページにスイーツの全体像を描いたら、食べた日やお店と商品の名前はもちろん、色、香り、材料などに対するコメントを書き加え、食べた時の感想などを付記していくことで、デザイン、色合い、材料の組み合わせに対する知識はもちろん、スイーツに対する感性も磨かれていくことになります。そのほかにも、いくつもの有名店のスイーツを食べ比べするうちに、ガナッシュ、フランボワーズ、ボンボン・ショコラといった専門用語が自然と養われる効果も得られることでしょう。
気になるパティシエの給与、そして気構えとは?
では次に、パティシエの給与はどのようなものでしょうか。
●正社員の初任給
・月20万円を超えることは珍しく、下積み時代は見習いの状態であるため年収が低いケースがほとんど。また、個人経営の店は特に給与水準が低い傾向にあり、場合によっては初任給が15万円を下まわることも。
・ホテルやブランドの確立した専門店でも初任給で20万円を超えるケースは少なく、その分、ボーナスや昇給が支給されることが多い。
・製菓に関連した大企業の工場勤務など、残業代をきちんと出してくれる環境であれば、20万円を超えるケースも。
●アルバイトで働くほうが正社員より高収入
一方、時給制のアルバイトの場合には残業代が保証されることもあります。さらにアルバイトなら休みも取りやすく、正社員よりも待遇がよい場合もありますので、有名店で修業を積みたい人の場合、まずはアルバイトとして働く選択肢もあるでしょう。
●アルバイトからスタートするなら、しっかり気構えを
アルバイトを通していろいろな現場を経験することは、パティシエを目指すうえでとても有効な方法である一方、「イヤなことがあったらに辞めてしまえはいい」という生半可な気持ちでスタートしても、パティシエとして大成することは難しいといえます。最初にパティシエになる夢を抱き、せっかくアルバイトとして第一歩を踏み出したにもかかわらず、習得すべき技術や必要な経験を身につけられないようでは「本末転倒」になってしまいかねないからです。そうならないためにも「腰を据えてがんばろう」「毎日の単純作業も下積みと思ってがんばろう」という気構えをもつことが、とても大事。その点を覚悟しておきましょう。
さらに、アルバイトを通して修業する場合は長期的視野に立ち、5年後、10年後に、自分が何をしているのか、どんな自分になりたいのかといった長期スパンに立った視点を失わないことが大切です。
こうして説明すると「重労働のうえに収入面でも厳しいのか」とつい悲観的になってしまうかもしれませんが、最近では広告媒体を通さなくても、SNSにアップした新作がまたたく間に話題になり、それがきっかけで人気やブームを巻き起こす傾向にあります。それだけに、ヒット商品を開発した実績が認められ、企業やホテル、有名専門店の主力パティシエに登用される……といったチャンスも大いに期待できるでしょう。結果、スイーツ作りに懸ける情熱、創造性、実力が認められれば、500万円以上の年収を期待することも不可能ではありませんし、チャンスが拡大し、自分のお店を構えることも夢ではありません。
つまり、飽くなき向上心とお菓子作りに懸ける不断の情熱が、将来的な年収に反映されていくといえるでしょう。夢を実現させるためには、長期的な視点に立ったスキルアップ・キャリアアップを図り、着実に前進していくことが何よりも大切なのです。
パティシエの登竜門、国内外のコンクールにはどんなものがある?
それでは、パティシエとしてのスキルアップ・キャリアアップにもつながる道であるコンクールについてみていきましょう(※なお、コンテストとコンクール、日本ではコンテストという名称が多く使われますが、こちらは英語。フランス語ではコンクールになります)。メディアでも話題になりますが、スイーツ作りの腕前を競うコンクールが世界規模で開催されています。有名なものをご紹介しましょう。
クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー
1989 年にM.O.F.(フランス最優秀職人章)の称号をもつガブリエル・パイアソン氏とヴァローナによって設立された世界を代表する製菓のコンクール。それぞれの国から選ばれたパティシエ3名がチームとなり、制限時間10時間以内にスイーツを制作。「氷細工」「チョコレート細工」「アメ細工」の総合得点で世界一を目指す。2年に一度、開催国はフランス・リヨン。
ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ
2002年に始まった米国で開催される国際的な製菓コンクール。クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーと同様に2年周期の開催で、世界各国から選出された3人1組のパティシエチームで腕を競う。「アメ細工」「チョコレート」「アントルメ、プティガトー」 の3部門と9種の味覚部門があり、味覚にウエイトを置いた審査となっている。 競技は合計13時間で2日にかけておこなわれる。
これらのコンテストで日本人チームの活躍はめざましく、クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーでは、優勝が1991年と2007年の2回、2位は6回、3位1回と過去開催された15回のうち、9回も世界トップ3に入っています。またワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップでは、2012年に2部門で優勝。国内の選抜チームが世界を舞台に制限時間内で競い合うとは、まるでスポーツのよう。大いに盛り上がるその模様はネットでも画像観戦できます。
次に国内の大きなコンクールとしては、
西日本洋菓子コンテスト
1958(昭和33)年より開催されている、西日本エリア最大級の洋菓子コンクール。経験年数(8年以上、4~8年、4年未満)によるクラス分けによって「チョコレート工芸菓子」「小型工芸菓子」「マジパン細工」など6部門あり、西日本においては「若手パティシエの晴れ舞台」として知られている。
全国洋菓子技術コンテスト大会
1982(昭和57)年、大阪での開催以来5年ごとにおこなわれている製菓コンクール。主催は日本洋菓子協会連合会。150分で8号程度(直径24cm)のケーキを飾り付ける。優勝した作品は、日本全国数千点の作品が展示される国内最大級の作品展、「ジャパン・ケーキショー」に展示される。
もちろん、コンクールは毎年、各地でいくつも開催され、受賞作品はネットで閲覧もできます。「ホントにお菓子?」と目を疑うようなお菓子のレベルを超えた、芸術品としか思えないようなスイーツの数々に驚かされます。
甘いスイーツを作る仕事は、全然「甘くない」
前に述べた世界的な製菓コンクールで日本人チームがめざましい活躍を遂げたり、お菓子大国のパリに何店舗も店を構える日本人パティシエの活躍……と、日本の洋菓子、スイーツのレベルは、令和の世にも上昇の一途をたどりそうです。同時にそんなスイーツに魅せられ、憧れ、パティシエを目指す人たちも増えていることは確か。
そんな華やかで美しく、人を幸せな気分にさせてくれるスイーツですが、それを作り続ける裏方の仕事というのは、なかなかに厳しく、体力、気力が必要とされます。加えて、1mm単位の繊細さで細かな作業を継続させる集中力や、美的センスや時代感覚も要求されることから、甘いスイーツを作る仕事であっても、現実的には全然「甘くない」といったところでしょうか。
しかしながら、誕生日や結婚式、記念日やお祝いの日などの人生の節目や人々の幸せに寄り添い、大切な瞬間を演出、盛り上げ、人を笑顔にできるスイーツ。そうしたかけがけえのないスイーツを作ることは、パティシエとしての最大の喜び、そして、やりがいであることは間違いないといえるでしょう。
パティシエになったからは、クリスマス、バレンタインなどのイベントであっても、仕事のために大切な人と大切な日を一緒に過ごすことも難しいといえます。さらに、おしゃれなイメージが強い職業に反して、実際の作業現場では力仕事や単純作業が多い過酷さが伴います。こうした「甘くない現実」を乗り越えながら、洋菓子作りへの意欲や情熱を失わず、パティシエとして大きく成長し、世界に羽ばたくために必要なスキルを、ぜひとも戦略的に養っていってほしいものです。
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