ワーカーズトレンド

清掃の仕事の種類や作業内容とは?転職に向いている人は?

オフィスビルや商業施設、ホテルなどの清掃の仕事の多くは、特別な資格を必要としません。そのため、学生のバイトから、子育てを終えた女性やシニア層まで幅広い年齢層の人が働いていて、契約社員や正社員を含め、雇用形態は様々です。正社員の場合、管理者としてマネジメントを行うポジションでの募集もあります。清掃の仕事の種類や作業内容を紹介したうえで、どのような人に向いているのかみていきます。

清掃の仕事の種類と作業内容は?

清掃の仕事は、掃除をすることで衛生的に保つのが基本。とはいえ、清掃を行う場所によって仕事内容や作業時間などは異なります。清掃を担当する施設による種類ごとに、作業内容や働き方などの特徴などをまとめました。

ビル清掃

ビル清掃は、オフィスビルなどの主に共用部分を掃除する仕事。エントランスや通路、階段、トイレなどが清掃を行う場所になります。ビル清掃には、日々行う日常清掃と年に数度実施する定期清掃があります。

日常清掃では、エントランスや通路、階段の床は、素材によってバキュームと呼ばれる掃除機をかけるか、あるいはモップがけをします。窓ガラスやテーブルなどは拭き掃除を行います。トイレの床はデッキブラシで水洗いして、便器はゴム手袋をしてスポンジなどで掃除します。ビルの外回りのゴミ拾いや掃き掃除、ゴミの整理やゴミ出しといった業務を伴うこともあります。

また、定期清掃を担当してワックスがけを行うこともあります。ワックスがけはまず、洗剤を撒いた後、ポリッシャーという円形のブラシやパッドを装備した機械を用いて床を洗浄します。タンクがついたタイプは洗剤を撒く手間が省けるので便利です。ポリッシャーは振動が強いため、慣れるまでは思うように操作するのが大変とされています。その後、フロアスクイジーなどで汚水を回収し、モップで水拭きをします。そして、床面が乾燥した後、ワックスを塗布する流れです。

ビル清掃の仕事は勤務時間が朝早いところが多く、6時や7時といった時間から勤務を開始して、15時や16時に仕事が終わるケースが多いです。パートの場合は午前中3時間程度の勤務となっているケースもみられます。ビル清掃はチームで行いますが、作業員にそれぞれの担当箇所が割り振られます。

オフィス清掃

オフィス清掃はビルの専有部分など、オフィス内のトイレ掃除や給湯室の流し台の清掃、掃除機がけなどを行う仕事です。電話や応接室の机、ゴミの回収といった作業を行うこともあります。清掃する回数は週1回~6回など企業によって異なります。オフィス清掃は業務に支障が出ないように、始業前や終業後の作業が中心ですが、企業によっては業務時間中に行います。

施設清掃

施設清掃とは、デパートやショッピングモールなどの商業施設のほか、音楽ホールやドームなどの清掃を行う仕事です。床の掃除機がけやモップがけ、トイレ掃除、ゴミの回収などを行います。定期清掃としてワックスがけを行うこともあります。

施設清掃は、営業時間外の早朝や深夜の時間帯に勤務が発生する仕事と、営業時間中に清掃を行う仕事があります。営業時間中の場合、多くの施設のスタッフが働いていて、数多くのお客様も訪れているため、邪魔にならないように作業を行っていくことが求められます。

ホテルの客室清掃

ホテルの客室清掃は、チェックアウト後の部屋を清潔で整然した状態に設えるのが仕事です。お客様が連泊中の部屋は外出中に希望に応じて清掃に入ります。

客室清掃の仕事は、主に客室の清掃とベッドメイキング、リネンなど備品の交換とアメニティの補充です。客室の清掃は、ゴミの回収とテーブルなどの拭き掃除、トイレや浴室など水回りの清掃、掃除機かけなどです。トイレや浴室の清掃では水滴を残さないことが求められます。ベッドメイキングはシーツや枕カバーなどをクリーニング済みのものと交換し、ピンとシワのない状態に整えます。そして、リネンなど備品の交換とアメニティの補充は、タオルなどのリネン類やコップなどを交換し、歯ブラシやシャンプー、リンスなどのアメニティを補充します。

決められた時間内に担当する客室の清掃が終わるように、スピーディーに作業を行うとともに、完璧な状態に仕上げることが求められる仕事です。適切な作業の順序を身につけて、効率よく進めていくことが大切です。

勤務時間帯は、10時から翌10時、12時~翌12時まで仮眠や休憩を挟んで勤務し、翌日は明け休みとなる勤務形態が少なくありません。日勤のみの勤務となる募集もあります。パートの場合は、お客様のチェックアウトからチェックインまでの10時から15時半までの時間帯のみの募集が多いです。

列車清掃

列車清掃の仕事には、新幹線など終着駅のホームで清掃を行う業務と車両基地で清掃を行う業務があります。

新幹線の清掃はお客様が降車して、次のお客様を乗せるまでのわずか10分間で行われています。1チーム22名ほどで、1車両を1名で担当します。車内のゴミを回収し、座席の方向を進行方向に合わせて回転させた後、テーブルを拭いたり、ブラインドを戻したり、窓枠を拭いたりします。また、背もたれのカバーの交換し、座席にホウキをかけて、汚れている場合はカバーを換えます。このほかに、トイレの清掃担当者もいます。新幹線の清掃員は、短時間でスピーディーに漏れがないように、決められた業務を効率よく行うことが求められます。降りるお客様に一礼してから車両に乗り込み、降車時には待っているお客様に一礼するなど、おもてなしの心を持って業務にあたっているのも特徴です。

車両基地での列車清掃は、日常清掃や定期清掃を担います。日常清掃では、決められた時間に車両基地に入ってきた列車を出発時刻までに清掃します。清掃する箇所は、座席や吊り輪、荷物棚、床、内窓といった場所。定期清掃では照明器具の清掃も行います。

勤務時間帯は、新幹線の列車清掃は駅による違いもありますが、7時台から21時台までの時間帯の中で、シフト制での勤務となります。車両基地での列車清掃は日勤が中心です。

窓ガラス清掃・外壁清掃

ビルの窓ガラスや外壁の清掃は、ブランコ、ゴンドラ、高所作業車、足場などを用いて行われています。高所での窓ガラス清掃は危険を伴うため、資格が必要な作業が多くを占めています。ビルの窓ガラスやビルの清掃業務は明るい時間に作業を行うため、8時から16時までの勤務の求人が中心です。

低層ビルでよく用いられるブランコ作業(ロープ作業)とは、屋上などにロープを固定して、ロープにつけられたブランコの板に乗って窓ガラスや外壁の清掃作業を行う方法。足場を組めない場所や高所作業車が入れない場所でも活用されています。ブランコ作業を行うには、ロープ高所作業特別教育を修了することが必要です。ブランコは不安定なため、バランスを上手くとって清掃作業を行うには、熟練の技術が求められます。

超高層ビルなどで用いられるゴンドラによる窓ガラス清掃では、ゴンドラを操作するには、ゴンドラ取扱い業務の特別教育の修了が必要になります。

高所作業車による窓ガラスや外壁の清掃が行われるのは、ブランコ作業ができない場所や足場の設置ができない場所です。高所作業車の運転に必要な資格は、作業床の高さによって異なります。作業床の高さが10m未満の場合は、高所作業車の運転の業務に係る特別教育の修了によって運転業務に就くことが可能です。作業床の高さが10mを超える場合は、高所作業車運転技能講習の修了が必要です。また、高所作業車で公道を走るには道路交通法にもとづいた運転免許が必要になります。

足場を用いた窓ガラスの清掃では、足場の組立てや解体の作業が発生します。足場の組立てや解体を行うには、足場の組立て等作業主任者の技能講習の修了者を作業主任者として選任することが必要。ほかの作業員は作業主任者の指揮のもと、足場の組立て作業を行います。

道路やトンネルの清掃

少し変わり種として、清掃用の大型特殊車両などを使って、道路やトンネルを清掃する仕事があります。実際に車両で道路を走行して清掃を行うため、作業は夜間がメインです。

道路の清掃に用いられるのは、先行車と散水車、ロードスイーパー、ダンプトラックの4台が基本。まず、先行車に乗務した清掃員が、歩道など路面清掃車では掃除できない場所をホウキで掃いたり、ゴミを回収したりします。そして、散水車で水を撒いた後、ロードスイーパーと呼ばれる路面清掃車が道路の路面を清掃。ロードスイーパーには、道路の端の土砂やゴミを掻き出すサイドブラシと、集まったブラシを掻き上げるメインブラシが搭載されています。そして、ロードスイーパーのホッパーという部分に集められたゴミがいっぱいになると、ゴミを運搬するダンプカーに移し替えます。

また、トンネルの清掃に使われるのはトンネル清掃車。上下や左右に動かせる回転ブラシのついたアームが装備された特殊車両で、トンネルの壁面を清掃します。

清掃の仕事に資格は必要?未経験から始められる?

シニア層を中心に、大学生や子育てを終えた主婦など幅広い年齢層が活躍する清掃の仕事ですが、未経験からスタートする場合、特別な資格は必要とされるのでしょうか。

特別な業務以外は資格は不要

一般的に清掃の仕事は特別な資格が必要とされず、未経験歓迎とされる求人が多くを占めています。ただし、窓ガラスや外壁の清掃では、清掃を行う方法によってはロープ作業や高所作業車、ゴンドラの操作などに関する資格が必要とされます。しかし、特別教育や技能講習による資格で、1日~3日の講習を受講して修了することで取得できるため、難易度は高くありません。また、未経験で資格がない場合も、入社後に会社の費用負担で資格取得ができる求人もみられます。道路の清掃では大型特殊車両の運転免許が必要ですが、会社の費用負担で取得できるケースもあります。

清掃は未経験からスタートしやすい仕事

清掃はチームで行うことが多く、OJTで先輩にイチから教わっていくことができるケースが多くを占めています。特別なスキルは求められず、一般的な清掃業務に近い仕事が中心です。窓ガラスや外壁の清掃は高所での作業となるため、技術を身につけていく必要がありますが、地上での歩行者や室内での作業から始めていき、徐々に先輩から仕事を教わっていくところが多いようです。

清掃の仕事でおすすめの資格は「ビルクリーニング技能士」

清掃の仕事は未経験で特別な資格がなくても始めることができます。キャリアアップや年収アップを目指すのであれば、ビルクリーニング技能士の取得がおすすめです。

「ビルクリーニング技能士」とは?

ビル技能士は、オフィスビルやショッピングモールなどのビルクリーニングに必要な技能を備えていることを証明する国家資格です。国家検定であるビルクリーニング技能検定に合格すると、ビルクリーニング技能士と名乗ることができます。ビルクリーニング技能士には、1級から3級が設けられています。

1級ビルクリーニング技能士を取得すると、企業が自治体に建築物清掃業の登録を行う際の人的要件として必要な清掃作業監督者の受験資格を得られます。また、管理者を目指すのであれば取得しておきたい資格でもあります。

「ビルクリーニング技能士」の1~3級の違い

ビルクリーニング技能士3級は1~3年程度の実務経験があり、一通りの業務を習得したレベル、2級は2~5年程度の実務経験があるチームリーダークラス、1級は5年以上の実務経験を持つ現場責任者クラスを想定しています。3級は事実上受験資格がなく、ビルクリーニングに従事している人やこれからビルクリーニングに従事する人の受験が可能です。2級は実務経験2年以上、または3級の合格などの受験資格が設けられています。1級は実務経験5年以上、2級合格後1年以上、3級合格後3年以上などの受験資格があり、いずれかを満たしている人が受験できます。

清掃の仕事の雇用形態は?

清掃の仕事の雇用形態は様々です。3時間程度の仕事はパートやアルバイトですが、フルタイムの場合、パート・アルバイト、契約社員、正社員など多様な雇用形態の求人があります。また、フルタイムのパート・アルバイト、契約社員の求人では、正社員登用制度が設けられているケースが少なくありません。清掃業界は、未経験から正社員の仕事を見つけやすい業界といえます。

さらに清掃業界は未経験からマネジメントを行うポジションを目指すことも可能です。清掃の現場を束ねたり、パート・アルバイトの教育やシフトの策定を行う清掃業務管理者で、未経験歓迎とする募集がみられます。ただし、企業によっては現場で清掃作業を一通り覚えた後に、管理業務に移行となります。

清掃の仕事のメリットとは?

清掃の仕事は「きつい・汚い」というイメージを持たれがちですが、この仕事ならではの魅力もあります。

幅広い年齢層の人が活躍できる

清掃の仕事は大学生のバイトや子育てを終えた主婦からシニア層まで、幅広い年齢層の人が活躍しています。ビル清掃などは50代や60代の人が多く、定年退職後の仕事としても人気があります。

また、未経験からスタートしやすく、パートやアルバイトから正社員への道が開かれていたり、正社員での採用もあったりするなど、正社員としての仕事を探しやすいです。

残業が少ない

清掃の仕事は、いずれの仕事も決められた時間内に終わらせるのが基本です。勤務時間中はテキパキと作業を進めていくことが求められるケースが多いですが、残業がほとんど発生しない傾向にあります。

安定した業界

清掃は幅広い業界で必要とされる仕事。世の中のICT化が進んでも、完全に人の手による清掃がすぐに不要になることは考えにくいです。人手不足が常態化していることからも、安定した求人があります。

清掃の仕事に向いている人とは?

未経験でも始めやすい清掃の仕事ですが、どのような人に向いているのでしょうか。活躍できると考えられる人の特徴をまとめました。

黙々と作業をこなすのが得意な人

清掃の仕事は、基本的に同じ作業を毎日繰り返して行うルーティンワークです。チームで仕事を行うケースが多いですが、担当箇所の作業を黙々と進めていくことが求められます。コツコツと丁寧に同じ作業を繰り返し行うことが得意な人に向いています。

きれい好きな人や掃除が好きな人

日頃から住まいや身の回りをきれいにしている人や掃除が好きな人は、使命感を持って掃除に取り組めたり、きれいになることに達成感を得られやすいため、向いています。反対に汚れが気にならないタイプの人は、「このくらいやっておけばよいのでは」と妥協をしてしまいがちですので向いていません。

まとめ

きついイメージを持たれやすい清掃の仕事ですが、未経験からスタートしやすく、正社員を目指しやすい仕事でもあります。また、安定した環境で働けることも魅力です。正社員の場合、資格の取得などによって管理者を目指すこともできます。

作業服、ユニフォームを買うならWAWAWORK(ワワワーク)

WAWAWORK(ワワワーク)は、日本最大級の作業服の通販サイトです。

WAWAWORK(ワワワーク)では、オシャレでかっこいい最新の作業服・作業着・ワークウェアから、機能的で便利な定番のワークアイテムまで、幅広い品揃えの商品を激安特価でご提供しているほか、刺繍やオリジナルロゴ入り等のカスタムも対応しております。

作業着、ユニフォームをお探しであれば、通販サイトWOWOWORK(ワワワーク)をぜひご覧ください。webサイト:https://wawawork.work/


同じカテゴリーの記事

ライン作業とは?求人の条件や仕事内容、向き・不向きは?

人々に夢や喜びを届け、物流のかなめとなるトラックドライバー

社会の安全や私たちの生活を守る警備員──AI化へのシフト!

警察組織の歯車として働く警察官の仕事──ピラミッド型の「階級」と手厚い待遇

24時間365日、人々の安全を守る警察官の仕事と適性