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安全靴や作業靴選びを失敗しないための、賢い「性能別チョイス法」

人と人の対面や会話によってコロナウイルスが飛沫感染する世界的な感染病の蔓延によって社会の在り方が大きく変容した今、笑顔で騒ぎながら楽しく食事をしたりお酒を飲んだりする機会が激減。それと同時に、飲食店やカラオケ店をはじめとするサービス業のアルバイトがなくなってしまったり、勤め先が休業に追い込まれたりと、私たちの “職”を取り巻く環境も大きく様変わりしました。

そうしたなか、職種替えによって新天地を見出しす人も多いようです。東京に暮らす25歳の男性Aさんは、IT企業でプログラマとして働いていたものの、コロナ禍により収入が落ち込んだことで将来への不安を感じ、心機一転、2020年11月に水道工事施工会社へ転職。まったくの異業種で新たなスタートを切りました。

Aさんは採用された際、費用は会社が持つが、仕事を始めるにあたって長靴タイプの作業靴を自分で用意してほしいと言われたそう。ところが、東京出身のAさんは幼いとき以来長靴を履いたことがなく、仕事をするうえでどんな靴を選べかよいか迷ったと言います。Aさんはこれから、道路下に埋設された水道管の工事を担うことになりますが、果たしてどんな作業靴を選んだのでしょうか。

このように、異業種への転職を果たした人のなかには、作業着や作業靴などに対する知識をまったく持ち合わせていない人が多いのも事実。もちろん、大手ゼネコンであれば作業機、作業靴、ヘルメット等を一式支給してくれますが、中小・零細企業では自前で作業着を購入することも珍しくありません。今回は、そうした人にとって役立つ、賢い「性能別・作業靴チョイス法」をご紹介しましょう。

大前提として「どんな場面で作業靴が必要なのか」を考えよう

幼児がカラフルな色合いの小さな長靴を履き、小さな傘をさしながら雨の中を走っている姿はとてもかわいいですね。でも、年を重ねるうちに自然と長靴を履かなくなる人は多くなり、都市部で生活する人ほどその傾向は強くなります。とはいえ、泥や土砂混じりの屋外で作業をすることが多い工事業者や、水産業・林業・農業に従事する人、さらに釣りやキャンプなどのアウトドアの趣味をもつ人、マイカーを洗車する機会が多い人、さらに雪深い地域に暮らす人にとって作業靴や長靴は必需品といえます。

とはいえ、「作業靴や長靴なんてどれも似たようなものでしょ」と考え、性能よりも価格を優先させたため履き心地のしっくりこない一足を購入してしまい、後悔している人も多いようです。そうならないためには「どんなシーンで作業靴を履き、何のために必要なのか」を大前提に、①不安定な足場や危険を伴う現場での安全確保 ②作業効率をアップする ③足を保護する……の3点を踏まえながら、少し値が張ってでも足にしっくりなじみ、求める性能が搭載された靴をチョイスする必要があるといえます。

でも、それが頭のなかでわかっていても、いざホームセンターに行ってズラッと並んだ様々なタイプの作業靴や長靴を目の当たりにすると、どれを選んでよいか迷ってしまうのは確かでしょう。そんなときは「重量」「ホールド(装着)感」「ソール」「耐滑性」「サスペンション性」といった観点でチョイスするようにすると、間違った靴選びにはつながらないはずです。

最適な一足をみつけるポイント

では早速、ここからはカテゴリー別に、着目すべきポイントを列挙していきましょう。一般的に靴を選ぶ際には耐水、抗菌、防臭、撥水などの性能を確認することが多いと思いますが、ここでも主に作業靴、長靴に絞って解説していきます。

ホームセンター等の商品棚の前に立ち「どれが自分にとって最適な一足?」と迷ったとき、実は留意すべきポイントはたくさんあります。では賢く選ぶためには、どんなポイントを確認すればよいのでしょうか。

●「重量」 ①/“軽ければよい”わけではない。重さを第一の選択基準にしない

一般的にくるぶしが隠れる程度のショートタイプの作業靴であれば500g程度のものもありますし、ふくらはぎをホールドする長靴仕様のロングタイプであれば約800g〜1300gと重量にも幅があります。

「とにかく軽いほうがいい」「軽いほうが足はラクだから」と考えている人の場合、まず、どんなシーンで自分が作業靴や長靴を履くかを考えましょう。800g〜1300gと重量に幅がある理由は、単に牛革、ラバー(ゴム)、合皮といった「素材」だけでなく、性能によって重量差が生じていることが多いので、作業での安全を確保する機能性を優先させたいのであれば「軽い」なものは避け、性能に伴ってほどよい重量がある靴をチョイスすることが大切です。

●「重量」 ②/ 性能が高い作業靴ほど、重い傾向にある

つま先が重量物に押しつけられたときに、その荷重からつま先を守る鉄芯が搭載された「耐圧迫性能」が備わった一足

最近の作業靴や長靴の性能は驚くほど進化しています。例えば、足下へ危険物が落下した際につま先や甲部分を守ってくれる鋼製の「甲プロテクタ(甲部分を保護するパーツ/JIS規格では記号Mと表記)」が内蔵されたものもそのひとつ。

また、オイルや熱による底剥がれを防ぐ「耐油・耐熱底」や、クギや鋭利な金属片を踏み抜かないようソール部分に「踏み抜き防止板」を内蔵しているものももそのひとつ。さらに、かかと部分に「再帰反射材」が採用されたものもあります。この「再帰反射材」は見通しの悪い夜間の道路工事や、夜間にレール・枕木・砕石交換などの線路工事に携わる人にとっては、安全を確保し命を守るための性能となります。

加えて冬季であれば、冷気の侵入によって足下が冷えると作業に集中できませんし、細かい砂利が履き口から靴内部に侵入すると作業の妨げになります。それらの侵入を防御するカバーが取りつけられたものなどもありますので、自分が作業する場面と性能を照らし合わせれば、後悔しない最適の一足に出会えることになります。

このように、求める靴にどのような性能が搭載されていればよいのかを考えながら比較検討していけば、ある程度の重量が必要であることも理解できるはず。要は、最初に「軽さ」や「価格」を優先させてしまうと、最適の一足に出会う道を遠回りしてしまう可能性があることを理解しておきましょう。

●「ホールド感」/長時間着用する人をほど装着感を重視!

画像左のように2本の帯状のマジックテープで甲の部分をアジャストできるタイプであれば、自分好みのホールド感を得られますし、甲部分が高い人なら、画像右のような甲部分の圧迫感を軽減する「アッパーデザイン」も賢い選択に。

また、足をスポッと出し入れしやすいタイプとは別に、最近はジッパー仕様の長靴も多くラインナップされています。足下の安定性を高めるために、ふくらはぎからくるぶしにかけてしっかりした履き心地(フィット感)を得たい人であれば、ジッパータイプやスニーカーのように靴ひもがあるものを選択のポイントとして考えてよいでしょう。

さらに、靴内部にベロア素材やウレタン素材が使用されたものは、土やホコリ、冷気・水滴の侵入を防ぐ効果を得られることはもちろん、足を入れた瞬間に柔らかさと温かを感じられる分、快適な履き心地も感じられるはずです。

スニーカーのように靴ひもがあり、内部の素材にウレタンが用いられた作業靴

●「ソール」/靴内外の2方向から着目したいグリップ&フィット感

作業靴や長靴の命ともいえるソール。ラバー(ゴム)の配合によって歩行時の感触や安定感はまったく異なりますし、溝の多さや形状によって「防滑性」も大きく異なります。ソールは車のタイヤと同じ役割をもちますが、スリップサインが出たグリップ性能の低いタイヤで走行していればスリップしやすくなり、事故を招く大きな原因にもなりえることはご存じの通り。つまり、グリップ性能が低い靴を履いていれば足下はおのずと不安定になり、滑って転倒する危険性を高めることになります。そうした危険を回避するためにも、足場の悪い屋外や濡れた床の上で作業する人ほどグリップ感やフィット感を重要な選択基準にしましょう。

また、地面や床に接する靴底だけでなく、足裏が直に接する靴内部のインソールにも注目を。靴によっては平らな「フラットソール」もありますし、指の付け根からかかとに向けて緩やかに勾配(起伏)し、土踏まずをカバーするタイプもあります(最近は多彩な別売りインソールも販売されています)。インソールは試着してみないと実際の感覚がつかみにくいので、購入前に必ず試着し、靴内外の2方向から、足裏のフィット感と歩行時のグリップ感を確認しましょう。

特に、長時間にわたって作業靴や長靴を着用する人であればあるほど、履いていることを意識しなくて済むフィット感は大きなポイントになります。足下の安定感が得られれば、作業効率は上がりますし、何より安全確保にも大きな役割を発揮することになるからです。

●「耐滑性」/安全靴の基本性能のひとつである耐滑性

前項でグリップ感とフィット感について解説しましたが、グリップ感とフィット感が乏しい靴を着用していれば、それだけ作業時の耐滑性が低くなります。

農業、水産業、林業の従事者はもちろん、道路・架橋・空港・鉄道など降雨や降雪下での作業頻度が高い人、水・油・粉・氷などが床や足下にある加工工場で働く人、あるいは土木工事の従事者は、着用する靴の耐滑性が非常に大きな役割を果たします。これらの専門的な職場ではJIS規格の「耐滑性(記号F)」の性能をクリアした安全靴の着用が義務づけられていることがほとんどです(※滑りにくい設計が施された高耐滑性の作業靴であっても絶対に滑らないとは限らないので、水・油・粉・氷などが床や足下にある環境では注意が必要です)。

さらに上記のほか、飲食店の厨房で仕事をする人向けのコックシューズなど、多様な職場・作業・動作に即した安全靴があります。

これら専門業務に携わる人は、靴を購入する際にJIS規格に合格した耐滑性能が備わった製品であるか、もしくは、作業靴に定められた技術指針の等級(区分4)をクリアしているかどうかを最初に確認しましょう。なお、動摩擦係数が高い安全靴であっても水・火・油・粉・氷などが床や足下にある場合は耐滑性が低くなる可能性もあるので、耐滑性の効果を確認してから使用する必要があります。

そのほか、降雪量が多く足下が滑りやすい環境下で暮らす人、釣り・キャンプ・ガーデニング・洗車など足場の悪い場所や、足下に水がかかることが想定されるシーンなど、安全靴の着用を義務づけられてはいない環境や趣味の場でも同様のことがいえます。そうした様々な場面で、起伏や溝がないペタンとしたラバー製のソールが装着されただけの低耐滑性の靴を着用していると、転倒してけがや骨折をする頻度が高まります。そうしたアクシデントを防ぐためにも防滑性を備えた一足や、JIS規格の安全靴をチョイスすることが重要です。

●「サスペンション性」/重大事故を防ぐ、優れた付加的性能!

解体業者、建築現場、金属加工業等であれば、クギ・ガラス片・金属切削くずなどを踏み抜く危険性が常に伴いますが、こうした障害物を無意識に踏んでしまった際、その衝撃を吸収するスペンションシステムが靴底に搭載されたものもあり、これはJIS規格で「耐踏抜き性(記号P)」に規定されています。

そのほかにも、水・火・油・粉・氷・電気等を扱う専門的な色合いが濃い業務に携わる人の場合は、JIS規格で規定された「付加的性能」が備わっているかどうかを事前に確認するようにしましょう(「付加的性能」については本記事の後項で詳細を説明)。

付加的性能には様々な性能がありますが、いくつか例を挙げると、水の中に1時間以上浸水させた試験で浸水が認められなかった「耐水性(記号W)」も、安全靴の付加的性能のひとつです。

また、靴底(ソール)の厚い長靴を着用していると足裏の熱や変化を感じにくくなりますが、靴底が油に浸漬された後、表面の体積変化性能を備えた「表底の耐燃料油性(記号BO・UO)」も安全靴の付加的性能のひとつです。

さらに、中底温度の上昇を感知する「靴底の耐熱伝導性(記号HI)」、低温熱を感知する「靴底の低温熱伝導性(記号CI)」、電路の交流電圧を絶縁する「電気絶縁特性(記号I)」といった多様な性能も、JIS規格の安全靴では付加的性能として規定されています。

もちろん、作業靴といえども靴底が必ずしも高温の油や火力、ガソリン、化学薬品、溶剤などに対して耐久性を有しているわけではありません。そうした環境の職場では「耐薬品性・高温耐熱性」といった性能を備えた高機能作業靴を着用する必要があります。こうした多様な性能は、特定業種に携わる人にとって円滑な業務もちろん、労働災害を防ぐ重要なポイントになりますので、安全靴を着用する際は、求める性能が備わった一足かどうかをしっかり確認しましょう。

●よく耳にする「安全靴」には、どんな基準がある?

上記の項目で「安全靴」や「JIS規格」という言葉がいくつか出てきましたが、長らく業務で作業靴を着用している人も、その定義について明確に答えられないことが多いようです。ここでは、JIS(日本産業規格)の安全靴について解説していくことにしましょう。

日本産業規格(※2019年7月より「日本工業規格」から「日本産業規格」に改称)

JISで定められた性能を満たした靴を「安全靴(JIS T 8101)」と呼びます。

安全靴には画像のような「JIS」マークや「JIS T 8101 革製S種(普通作業用)合格品」」といった表記が商品箱やタグ、靴底等に記載されています。この表記がある製品はJIS認可工場で生産され、厳しい性能試験に合格した靴のみに限定されます。

「安全靴」に備わった3つの「基本性能」

1/重量物を落としたときにつま先を保護する先芯を搭載した「耐衝撃性能」

2/つま先が重量物に押しつけられたとき、その荷重からつま先を守る「耐圧迫性能」

3/甲被と靴底(ソール)の剥がれを防ぐ「耐剥離抵抗」

それぞれの性能ごとに、重作業用「H種」、普通作業用「S種」、軽作業用「L種」に分類・規定されていて、H ➡ S ➡ Lの順に性能ランクは低くなります(※H種・S種・L種のほか、超重作業用(JIS記号/U種)もあります)。

耐衝撃性能の「J」=ジュール衝撃エネルギーの単位。「70J」は約7kgのボウリング用ボールを胸の前からつま先に落下させたときの衝撃エネルギーとほぼ同等

上記画像で紹介したものは、安全靴の素材と3つの「基本性能」になりますが、そのほか安全靴には労働災害を防ぐ目的の「付加的性能」もあります。

JIS規格に定められた安全靴の基本が理解できたところで、ここでは参考までに「保護靴」「作業靴」の分類についても整理しておきましょう(内容は下図参照)。

ちなみに、JIS規格以外に軽安全作業用の「プロテクティブスニーカー(JSAA)」もあります。JSAAは普通作業用の「A種」と軽作業用の「B種」に分けられ、「A種」はJIS規格の安全靴の普通作業用の「S種」に相当。「A種」はJIS規格の安全靴の軽作業用の「L種」に相当します。

また、JIS規格の安全靴と比較して、JSAA製品はデザイン性や色合いがバラエティ豊かな傾向にあり、素材も革、ゴム、合成皮革、人工皮革、編物、プラスチックと多様。人工皮革や合成皮革を使用したタイプは、軽量で通気性が高いとされています。

安全靴の「付加的性能」も要チェック!

上項では、安全靴の3つの「基本性能」と、「保護靴」「作業靴」との違い、「プロテクティブスニーカー(JSAA)」について解説してきましたが、ここからは安全靴の「付加的性能」をご紹介しましょう。

上記の図にも記載しましたが、性能ごとに記号が定められていますので、従事する業務に必要な性能(記号)をメモし、記号と照らし合わせながら最適な作業靴を選択しましょう(※各性能における規定の衝撃・圧力・時間を超えた場合、性能を保障するものではありません。また、一度高い衝撃や圧迫を受けたものは性能が落ちることがあるため使用を避けましょう)。

●甲プロテクタの耐衝撃性(記号M)

非常に重い物を台車などに載せて運んでいる際にバランスを崩し、重量物が落下したことで足下が圧迫されたとき、衝撃エネルギーを先芯に分散させることで衝撃を和らげ、つま先+甲部を保護する性能です。J衝撃時残存高さ25mm以上(J:ジュール = 垂直の自然落下条件における衝撃エネルギーの単位)。

●かかと部の衝撃エネルギー吸収(記号E)

歩行時の衝撃をどこまで吸収し、負担を軽減できるかを表し、歩行が多い作業環境等での疲労を軽減する性能です。JIS規格では、吸収エネルギー : 20J以上の性能を有することと規定。

●耐踏抜き性(記号P)

金属切削くず、クギ、ガラス片等を踏み抜く危険性を伴う解体現場や工事現場、金属加工業等で、足裏のケガをどの程度防げるかといった性能を表します。JIS規格では1100N以上のクギ貫通時の力に耐えうる性能と規定(1100N=大型バイク半台程の荷重がクギ先端に集中しても貫通しない力)。

●耐滑性(記号F)

降雨、降雪時の道路や屋外での作業や、水や油で濡れた床面で作業する人の転倒防止対策になる性能です。

区分 F1 ➡ 区分1/動摩擦係数 0.20 以上 0.30 未満

区分 F2 ➡ 区分2/動摩擦係数 0.30 以上

●耐水性(記号W)

浸水試験80分で浸水が認められない性能です。ただし、高い耐水性を望む場合は、総ゴム製または高分子製安全靴の着用が推奨される。

●表底のと甲被の耐燃料油性(記号BO BU)

区分 BO ➡ 表底を試験用油に浸漬後、体積変化率が-12%〜+12%内

区分 UO ➡ 甲被を験用油に浸漬後、体積変化率が-12%〜+12%内

●耐切創性(記号C)

耐チェーンソー カットスルーを生じない性能です。素材はゴム製よりも繊維層をもつ革のほうが耐切創性が勝るので、作業で刃物、チェーンソー、突起物等を扱う業務では革製安全靴を選択することが望ましい。

●電気絶縁特性(記号I)

変電所、高圧鉄塔等の強電界下での人体帯電を防止する用途で使用する安全靴の性能です。用途により使用電圧の確認が必要となる。

区分 I-600 ➡ 交流電圧300Vを超え600V以下の電路用

区分 I-3500 ➡ 交流電圧600Vを超え3500V以下の電路用

区分 I-7000 ➡ 交流電圧3500Vを超え7000V以下の電路用

●靴底の耐熱伝導性(記号HI)

靴底の温度が40℃を超えた環境で作業を続けると低温やけどの危険性があるため、そうした事故を防ぐ性能です。ただし一定時間で作業を中断し、靴内部を冷やすことが求められる。

区分 HI 1 ➡ 中底温度20度上昇に20分以上30分未満

区分 HI 2 ➡ 中底温度20度上昇に30分以上

●靴底の低温熱伝導性(記号CI)

冷蔵庫や冷凍庫内など、床面の温度が非常に低い環境で作業を続けると霜焼けなどの症状が生じる危険性があるため、そうした事故を防ぐ性能です。ただし一定時間で作業を中断し、長時間の作業を行わないことが求められる。

区分 CI1 ➡ 中底温度10度低下に20分以上30分未満

区分 CI2 ➡ 中底温度10度低下に30分以上

●表底の耐高熱接触性(記号H)

表底を300℃ ✕ 1分間加熱したとき溶融が発生しない、屈折で亀裂が発生しない性能です。炉前作業、鋳造作業、溶接作業など、床面の温度が80℃以上の高温下で作業を続けると靴底の溶解、変形が生じる危険性があるため、着用時はこまめに靴底の変化を確認することが求められる。

ここまで作業靴、長靴の基本性能と付加的性能をご紹介してきましたが、雨天時に履くレインシューズとは異なり、業務で使用する安全靴・作業靴には多彩な機能が搭載されていることがおわかりいただけたでしょうか。

業務中のインシデントや事故、ケガ等の労働災害を防ぐ観点から、水・火・油・粉・氷・電力等を扱う特殊な現場では、各付加的性能を搭載したものをチョイス必要がありますし、農業・林業・水産業をはじめとする屋外や濡れた路面や足場の悪い環境で業務に従事する人は「耐滑性能」の高いものをチョイスする必要がある……といった具合に、作業現場や職場に見合った性能が搭載された一足をチョイスすると、それだけ業務がはかどり、さらに安全を担保できることは間違いありません。

── 最後に、冒頭で触れたIT企業から水道工事業者に転職したAさんは、道路に掘った狭い穴の中で体を屈めることが多い仕事柄、伸縮性の高い柔らかな素材を使用したジッパータイプの5000円超の一足をチョイスしたそう。Aさんのようにみなさんもぜひ、最適な一足をみつけてくださいね。

(※本記事では様々な性能をご紹介しましたが、経年劣化によって性能が衰えることがありますし、一度衝撃・圧迫を受けたものは安全性能が機能しないこともあります。使用にあたっては性能を過信せず、細心の注意を払って着用するよう努めてください)。

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