イケメン揃いの『第302保安警務中隊』とは?『特別儀じょう』についてもご紹介
2020.12.01突然ですが、『第302保安警務中隊』をご存じでしょうか?
どこかの警備会社の中隊?などと思うなかれ。知る人ぞ知る、いやいや、きっと誰もが一度はテレビなどで見たことがあるはずです。
「日本の陸上自衛隊のイケメンが集まっている」とも言われる部隊ですから、すでに注目されている方も多いかもしれません。
彼らの任務は、国賓を迎えた際などに最大の敬意を示す儀式『特別儀じょう』を執り行うこと。その一糸乱れぬ立ち振る舞いは日頃の訓練の賜物です。制服姿もビシっと決まっていますね。
今回はそんな『第302保安警務中隊』にフォーカスしてみましょう。
※この記事の画像は「陸上自衛隊のHP」より引用したものです。
『第302保安警務中隊』とは?
まず、『保安警務中隊』から説明しましょう。
陸上自衛隊には普通科をはじめ、機甲科、野戦特科、高射特科などの実戦に関連する部署から、情報科、航空科、通信科などのほか、会計科、衛生科、音楽科など多種多様な16の職種があります。そのうちのひとつである警務科は、自衛隊内の犯罪捜査や警護、道路交通統制、犯罪の予防などの自衛隊内の秩序を維持する役割をもつ職種で、全国の各方面に組織されているのが『保安警務中隊』です。
北海道から九州・沖縄までの各方面隊にある『保安警務中隊』の中で、東部方面隊に所属している警務科部隊が『第302保安警務中隊』であり、市ヶ谷駐屯地に所在しています。
この『第302保安警務中隊』は定員が115名ですが、『特別儀じょう』を行うため、入隊するにはルックスがたいへん重要視されます。身長が170~180cmであること、体重は60~75kg以下、メガネ不可という規定があります。さらに容姿端麗なことが条件です。そのうえ、猛暑でのアスファルトの上でじっと立ち、吹きすさぶ北風にも動じない、強靭な体力と精神力が必要とされる特別な部隊なのです。
なお、警務科は自衛隊の中の警察であり英語ではmilitary police、MPです。制服の袖にはMPの文字が入り、『第302保安警務中隊』は「302MP」と呼ばれます。
『特別儀じょう』とは?
『第302保安警務中隊』がほかの保安警務中隊と違う点は、前述の通り『特別儀じょう』の任務があることです。115名の定員から101名が『特別儀じょう隊』を編成し、『特別儀じょう』を行います。
『特別儀じょう』とは、国際儀礼に基づいた各国共通の儀式、セレモニーです。
国家元首などの国賓や世界各国の名誉ある地位の来賓に対して行われるもので、防衛大臣や副大臣などの離着任時にも実施されます。場所は主に皇居、迎賓館、首相官邸、羽田空港、防衛省などで、開催される場所によって『特別儀じょう隊』の編成人数が変ります。
『特別儀じょう』は1957(昭和32)年10月、神宮外苑絵画館前での観閲式において岸総理大臣に対して行われた第1回目に始まりました。その後、大喪の礼、即位の礼のほか、九州・沖縄サミットなどで行われ、2015(平成27)年3月には2500回を達成しました。さらに、2019(令和元)年10月には2900回を数えています。
記憶に新しいところでは、トランプ大統領が来日した際に迎賓館で『特別儀じょう』が行われましたので、テレビで見た人も多いのではないでしょうか。
なお、『特別儀じょう』については、『第302保安警務中隊』から編成された『特別儀じょう隊』と演奏を担当する『陸上自衛隊中央音楽隊』の合同で担当します。
『特別儀じょう』のための制服とは
この『特別儀じょう』は本当に特別で、この行事のためだけの制服があります。
正式には『特別儀じょう服』『特別儀じょう演奏服』といい、2017(平成29)年4月に改正されました。デザインが変更されたのはなんと52年ぶりです。数年前から陸上幕僚監部内で検討が始められ、部外の有識者や実際に着用する隊員の意見を踏まえて、現代的なデザインに生まれ変わりました。
新デザインのコンセプトは、威厳、伝統、統制美、そして華やかさとのこと。写真の通り、夏服は白地に赤のラインが入っていて日の丸をイメージしたものです。爽やかでかつノーブルな雰囲気ですね。
また、冬服はパンツの色が紺と白の2タイプがあり、礼式等の場に適合しながら華やかさが表現できる紺を基調としており、同じく日の丸を表す赤のラインが入っています。
従来は深緑色を基調にゴールドのラインが入ったデザインでしたが、襟元は詰襟タイプで、パンツも細くなり全体的にシャープなシルエットでまとめられています。
やはり自衛隊の花形だけあって、優美なユニフォームに身を包んだ端正な姿はかっこよく、セレモニーでの整然とした動きは見る者に爽快さを感じさせてくれるといえます。 ちなみに、この制服で自衛隊音楽まつりにも参加していますので、運よくチケットを入手できた人はその雄姿をみることができますよ。
特別儀じょうのための訓練とは
厳粛な儀式として行われる『特別儀じょう』。銃剣の上げ下げや歩き方などの動作はもちろん、立ち止まっているときですら隊員たちは常に美しく、端正な姿を見せなくてはなりません。
そのため『特別儀じょう隊』は3つの小隊で構成され、それぞれ身長の高さ順で区分けされています。身長の高さが揃っていないと隊列がでこぼこしてしまい、見た目が揃って美しく見えないからです。
整列する際は1つの小隊で横に9人ずつ3列で並びますが、その訓練はとても厳しいものです。つま先の開く角度や銃剣の上げ下げのタイミング、視線の高さなどを揃える訓練が行われ、ずれているとミリ単位で修正されます。9人並んだ姿がまるで1人しかいないように見えることが理想なのだとか。
ひたすら、不動の姿勢でいつづけること、周囲と同じ速度とタイミングで方向転換すること、捧げ銃(ささげつつ)をした音が一致すること……これがどれだけ大変なことか。バランスのよさも求められるため、隊員は日々緊張感をもって挑んでいます。 さらに驚くのは、まばたきにも制限があること。隊員の前を国賓が通る巡閲の際にはまばたきはできないのです。前後左右と同じ間隔で進むことができ、ピタリと息が合った動きを披露するには弛まない努力と忍耐が必要なのですね。だからこそ、これほど人々の耳目を集めるのでしょう。
写真集やDVDも出ているイケメン揃い
この『第302保安警務中隊』は巷では“イケメン部隊”とも言われていて、なんと写真集やDVDが発売されています。おかげで『特別儀じょう』の振る舞いやそのルックスに魅せられる人が続出中。隊員は自ら志願していることや、自衛隊だけでなく国家を代表しているという自覚を持っているだけあり、体型維持やヘアスタイルなど身だしなみには相当気を遣っているのだそう。
さらに、制服にシワは許されず、きれいにアイロンがかけられているのが当然で、靴は常に鏡のように曇りなくピカピカに輝いていなければなりません。代々先輩から続いてきた訓練には、自分たちでアイロンがけをすることや靴やベルトの真鍮部分を磨くことも含まれるのです。
心身ともに健康であることを基本に、容姿端麗な『特別儀じょう隊』は一糸乱れぬ動きをする『百人一致』を求められる、陸上自衛隊の勇士です。
さらに、対外的には国賓が日本で最初に目にする部隊となります。日本を代表する自衛隊としての統率力や屈強さ、気鋭を誇示するうえでとても大きな意味を持っており、隊員たちのモチベーションを維持し続けることも重要です。
さらなる完璧さを求めて、今日も訓練に臨む『特別儀じょう隊』の隊員たち。 新型コロナウイルスの影響によりさまざまな行事や祭典が中止されていますが、この間も彼らはさらなる俊敏な動きや不動の美しい姿勢による完璧な『特別儀じょう』を目指して、日々訓練に励んでいることでしょう。
── 2019(令和元)年に『特別儀じょう』で使われる儀じょう用の小銃は新しい『儀じょう銃』が採用されました。これまでのM1ガーランド小銃が老朽化したためで、ボルトアクション式となっています。『特別儀じょう』の様子は動画などでも見ることができるので、新旧の制服や小銃の違いを見比べるのもおもしろいかもしれません。
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