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災害派遣で活躍する自衛隊の仕事とその作業服に注目してみよう!

近年、世界的に相次ぐ自然災害。極度の乾燥による干ばつや大規模な森林火災は深い森に生息する貴重な動物の命をも脅かしました。やけどをしたコアラが助けられたニュースを目にした人も多いことでしょう。

また、大型サイクロンやハリケーン、台風による災害リスクもさらに規模やその強度を大きくしています。豪雨や暴風雨による洪水の発生は家屋の浸水や倒壊に加え、農地に深刻な被害をもたらすうえ、毎年のように地滑りや土石流などの土砂災害で甚大な被害を受けた地域も少なくありません。2020年7月、熊本南部での集中豪雨で多くの人が亡くなられたのは記憶に新しいところです。

さらに、東日本大震災に代表される大規模な地震や津波災害、普段はあまり降雪がない地域での豪雪による雪害など、自然災害は数え挙げるとキリがありません。異常気象による自然災害は今後も数多く発生し、続いていくことが予想されています。

そんな災害時にいち早く駆けつけ、行方不明者の捜索や救出、避難者の誘導や必要物資の運搬など、適切な対応にあたる人々がいます。日本における公的な機関としては、警察、消防、自衛隊などが思い当たりますが、災害時に最前線で活動する人々のうち、自衛隊の活動とその作業服にスポットを当ててみましょう。

※この記事の画像は「防衛省・自衛隊HP」および「陸上自衛隊HP」より引用したものです。

いざ災害が発生したら?

台風や豪雨による風水害、地震による津波や地滑り、雪害や火山災害などの自然災害に加え、大規模な火災や爆発などの事故、捜索や救助を必要とする行方不明者の発生など、災害や事故が起こっている昨今。海や湖、河川などのほか、奥深い山間部などからコンクリートで覆われた都市部まで、時間や場所を問わず生じています。

そんな大規模な災害や事故などが起こった場合、行政としてはまず、すみやかに事態の全体像を把握しなければなりません。次に、災害対策本部を設置して状況を鑑みるとともに、的確かつ躊躇のない避難指示を住民に出すことが求められます。指示発令を迷っているその瞬間にも、住民の命にかかわる危険が差し迫っている可能性があるためです。

忘れてはならないのが、マスコミ対応とボランティアの活用です。住民への情報提供はマスコミに適切な対応ができるかどうかによって変わってきます。平時からの事前準備や連携がカギを握るといえるでしょう。大規模災害への対応は行政による「公助」だけでは難しいことがわかっています。「共助」としてボランティアの力を借り、彼らを支援することも迅速かつ円満な復旧につながります。

とはいえ、何よりも急がなければならないのは、やはり救助活動や物資の調達、ライフラインの供給活動などの応急対応です。指揮命令系統がしっかりしていることが前提で、各市町村の職員のほか、警察、消防、消防団員に協力を求めます。各関係省庁が管轄する職員へのすみやかな情報提供、対応要請・指示に基づいて、さまざまな職種の専門家たちはそれぞれの知恵や能力を合せて一丸となり、被災した住民が普段の生活を取り戻せるように力を注ぎます。

さらに、被害の内容や規模によっては、災害時に国民を守る活動である「災害派遣」として、自衛隊の出動要請を行うことになるのです。

陸上自衛隊はどんな活動をしている?

陸上自衛隊は我が国の防衛組織です。「国際平和協力活動」や「防衛協力・交流(日米共同等)」など、国内・海外を問わず広く活動しています。現地において最大限の実力を発揮した活動ができるように、隊員たちは日頃から厳しい訓練に明け暮れています。国防のために教育や訓練に力を入れていることはマスコミやSNS等を通じて知ることができます。

特に、年々勢力が増大し、被害が甚大なものになりつつある自然災害時に自衛隊がどれだけ活躍しているかはニュースなどで目にすることも多いことでしょう。その貢献は誰もが知る事実であり、頭の下がる素晴らしい活躍です。

被害の規模が甚大だと予想される災害の場合、近隣の住民や消防・警察だけではとても対処しきれません。そんなとき、陸上自衛隊は都道府県知事などから災害派遣要請を受けて防衛大臣により派遣され、「災害派遣活動」を行います。活動は自然災害への対応にとどまらず、延焼の大きな火災や爆発事故、海難事故などにおける救助や、山岳地帯での遭難者の救出など、捜索・救助、水防、医療、防疫、給水、人員や物資の輸送などさまざまです。

たとえば、陸上自衛隊が被災者への支援として、入浴施設を設置したというニュースをよく見聞きしますが、断水地域で水を確保し入浴サービスを提供することは非常にたいへんなこと。大きなテントにタンクやポンプ、発電機などの大型の施設を輸送し設置することが可能な陸上自衛隊ならではの支援です。

陸上自衛隊は私たち国民の命や財産の保護だけでなく、快適な生活や癒しを提供するほどの多大な貢献をしているといえるでしょう。

自衛隊の作業服とは

そんな陸上自衛隊には14万人を超える自衛官が在籍しています。厳しい訓練を受け、侵略に備えて国を守る役割を担う自衛官には多種多様な職種があります。そのため、着用する制服(ユニフォーム)はブレザーや制帽などの常装服のほか、特別な場合に着用する服や音楽隊員用の制服など、それぞれの役割や身分に応じて異なります。

私たちが目にすることが多いのは災害派遣などで救助や作業をしている姿ではないでしょうか。この際に着用している制服は作業服であり、いわゆる迷彩服です。最近はカモフラージュ柄、略してカモフラ柄とも呼ばれ、コンピューターでデジタル的にデザインされています。

画像の通り、陸上自衛隊の場合は茶色と緑で構成されたパターンを採用。地上での戦闘を想定しているため、土の茶色と森林の緑をイメージした色が使われています。

ちなみに、海上自衛隊は海のブルーをメインにした迷彩柄であり、航空自衛隊の場合は滑走路(コンクリート)に似たグレーを基調にしたものです。どちらも災害派遣の際に活躍することがあるので、覚えておくと見分けやすいですね。

作業服の性能は?

作業服として着用する迷彩服はどのようなつくりになっているのでしょうか。

実はこの作業服、当初は国防服とも言われる緑系のカーキ色をしていました。北朝鮮の某総書記が着ている服の色をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。

その次に採用されたのが、緑系ではあるものの迷彩柄でした。北海道に多くみられるクマザサに紛れる効果を持つといわれるデザインで、北方領土問題を意識していたことがうかがえます。

その後、現在のデジタルデザインのドットパターンを採用した迷彩服が登場します。この迷彩服には、綿と難燃性の高い特殊素材が使われているそうです。日頃から射撃訓練などの火薬を扱う作業があることをふまえ、防火性を考慮したつくりになっています。また、近赤外偽装である対赤外線ステルス性の高いハイテクノロジー機能を搭載しています。つまり、暗闇でも探知できる赤外線センサーにかからない工夫がされているわけです。その他、防寒性や通気性のよさ、ポケットの数や位置とその形や大きさなども含めて、都度使いやすいように改良がされているそうです。

ちなみに、この写真は「ソマリア沖・アデン湾での海賊対処・P-3C警備」で使用された作業着。海外派遣では砂漠地域での活動をふまえたベージュが基本の迷彩柄で、気候に合わせて薄手の生地を使っています。

── 陸上自衛隊では森林火災時の空中消火活動や離島での緊急患者輸送のほか、新型コロナウイルス感染症に対する災害派遣も行っています。空港を拠点とした検疫支援、輸送支援、感染防止教育支援など、あらゆるところで自衛隊がさまざまな活動をしていることをぜひ知っておいてください。

出典:防衛省・自衛隊Webサイト / 陸上自衛隊Webサイト 

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