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自動車整備士ってどんな仕事?どんな資格が必要?

車を持っている人なら誰しも経験があると思いますが、マイカー購入後1年目に行う「1年点検」や、自動車検査登録制度の略である「車検」をはじめ、カーオーナーは車の点検・修理などに応じて、車を購入したディーラーや整備工場で整備します。

そしてディーラーに車を預けている間は、そのディーラーで働く自動車整備士がオーナーから依頼された内容に則って、車の診断・点検・分解・組み立て・修理・調整などを行っていきます。そうした幅広い業務を担当するのが自動車整備士です。

自動車整備士は「自動車整備士」という正式名称以外に「メカニック」と呼ばれますが、そのほとんどが営業職や事務職でないことが一目瞭然の「つなぎ」を着用しています。

でもなぜ、メカニックは「つなぎ」を着用しているのでしょうか。また、メカニックになるためにはどんな資格が必要なのでしょうか。

小規模整備工場が陥る、深刻なメカニック不足

現在、日本に存在する整備事業場(約9万事業所)のうち約半分が、メカニック不足に陥っているといわれ、そのなかの10%(町の整備工場など/約1万事業所)の事業者では、業務に支障が出るほどの窮地に追い込まれているといわれています。さらに、そうした小規模事業所では後継者不足も深刻化しています。

ここで、「整備工場」には認証工場と指定工場の違いがありますので、おおまかな違いを整理しておきましょう。

■認証工場:自動車の点検整備や修理をメインに行う工場

会社の規模は小さめで民間工場が多い。メカニックの業務は一人で幅広く行うケースが多いので、スキルは広く身につき、キャリアを積んだ後に条件のよい整備工場に転職するケースが多い。

■指定工場:自動車の点検整備や修理以外にも、車検(完成検査)まで行える工場

会社の規模は大きめでディーラー系が多い。メカニックの業務は分担されているので、特定分野の専門職の色合いが強く、スキルは狭く深く身につく。また、ディーラー間で転職するケースが多い。

 日本にメカニックは何人くらいいる?

気になるメカニックの数ですが、日本で活躍しているメカニックはどれくらいいるのでしょうか。

■整備士数      約34万人
■整備関連従業員数  約54万人

メカニックと呼ばれる整備士の数は約34万人ですが、この数字は東京都内で働く外国人労働者数に匹敵する数字。また、政府が今後の5年間での受け入れを見込んでいる、最大34万人あまりの外国人労働者数字と同じ数字になります。

昭和の時代、国家資格を取得者であるメカニックは、中学生男子にとっての憧れの職業でした。

国家資格者としてその仕事に一生従事できる安心感や、エキスパートになれる点から、憧れの職業として人気上位にランクインしていたのですが、実は最近、メカニックの数が減少傾向にあり、メカニック人気が急降下している……とも指摘されているのです。

その要因は、若者の車離れや危険、大変、重労働な仕事であることが要因として考えられますが、こうした現状に対し、すでに国も対策を講じていて、平成26(2014)年4月に「自動車整備人材確保・育成推進協議会」を発足。

長時間労働やきつい仕事に従事するイメージを抱かれがちだったメカニックの待遇、休暇、作業環境、仕事の達成感など、様々な面から労働環境を改善する働きかけが行われています。

ところで、日本に車はどれくらい走っている? 

若者の車への指向変化などもあり、自動車整備士が不足するのか、過剰になるのかといった今後の動向を見極めることは難しいといえますが、とはいえ、日本にとって自動車産業は国の基幹産業であり、車の数が急激に減少するとは考えにくいといっていいでしょう。

それ同時に、電気自動車が今後増えていけば、将来的には自動車整備業の縮小につながることが指摘されていますし、運転の安全性能が高まれば車にキズがつく(修理する機会)ことも減少するといわれています。

こうした点から、メカニックに対する需要はなくならないものの、ドライバーにとってメカニックが身近な存在でなくなる可能性もあるといえます。

そこで、車大国である日本の車にかかわる数字を見ていきましょう。

一般財団法人日本自動車工業会の調べ(2014年度数値)によると、車に関連した数字は以下のようになっています。

■1年間に生産する車の台数        約977万台
■1年間に販売する車の台数          約556万台(輸入車34万台)
■1年間に日本が輸出する車の台数     約447万台
■日本にある車の台数                     約7662万台

これほどの台数の車の整備・点検・修理を行う、車のエキスパートであるメカニック。その数が不足してしまうことになれば、大きな社会問題に発展しかねないことが数字からわかりますね。

国家資格取得者である車のエキスパート

自動車整備士になるためには、一定の受験資格を満たしたうえで、国土交通大臣の行う自動車整備士技能検定を受け、その検定に合格しなければなりません。

また、国土交通大臣の指定した自動車整備士養成施設などで決められた課程を修了した者は実技試験が免除となり、二級自動車整備士の受験資格が得られます。

国家資格である自動車整備士には、一級、二級、三級の種類があります。

■一級(二級自動車整備士以上に、高度な技術を有し、自動車整備ができる)
■二級(自動車の一般的な整備ができる)
■三級(自動車各装置の基本的な整備ができる)

このほかにも、車に関連したさまざまな国家資格があります。

■乗用車整備のスペシャリストである「級小型自動車整備士(国家資格)」
■トラック整備のスペシャリストである「一級大型自動車整備士(国家資格)」
■キズついた車のボディを新品同様にする「自動車車体整備士(国家資格)」
■車の電気装置の専門家である「自動車電気装置整備士(国家資格)」
■車のタイヤの専門家である「自動車タイヤ整備士(国家資格)」……ほか

メカニックの仕事着はなぜ「つなぎ」?

「つなぎ」とはその名の通り、ズボンと上着が“つながった”作業服のこと。

「つなぎ」は作業に特化したユニホームであり「動きやすい」「床に仰向けに寝そべる」といった体位をとっても、「体に負担がかからない構造」「汚れても洗濯がラク」など多彩な機能性が備わっています。

油圧リフトやオートリフト、エアリフト等で車体を持ち上げることが当たり前の今では、メカニックが床に寝そべることはほとんどありませんが、車底部での軽作業時はジャッキで車体を持ち上げることも多く、そうした場合はメカニックが車体の下に横臥した状態で入ることもあります。

この作業のときに上下別の作業服を着ていると、作業に支障をきたす可能性が高くなります。というのも、例えば「つなぎ」ではなく、ズボンにベルトをした作業着を着ていると、車底部に潜ったときにベルトが引っかかることがあるから。ベルトが引っかかればそれだけケガのリスクが増大しますし、引っかかったときに体をいったん車底部から出し、引っかからないようにベルトを正して再び車底部に潜ることになると作業効率、作業時間にロスが生じてしまいます。

またベルト同様に、「つなぎ」には筆記具を差すポケットが右腕外側に備わっていることが多く、胸ポケットにぺン類を差すことはあまりありません。これはなぜかというと、フロントガラスやボンネットの修理をする際、ボンネット上に腹ばいになったり、胸部分を車体に押し付けることがあるからです。

ベルトをしたズボンを履いているとバックル部分とボンネットが接触して、車体にキズがつくリスクが生じますし、ペンの金具が車体をキズつけてしまう可能性もあるからです。

もしキズがついてしまったら、ボンネットのキズを修理しなければなりません。こうしたトラブルが発生すると、お客様に修理期間の延長などご迷惑をおかけするだけでなく、ディーラーサイドがボンネットの修理費用を負担しなければならないことになり、多大なリスクが生じることになります。つまり、そうしたリスクを回避するための安全な作業着が「つなぎ」なのです。

メカニックの活躍フィールドは広範囲!

自動車整備士(メカニック)の活躍フィールドは広く、民間の整備工場やディーラー系の整備工場に限らず、カー用品店、ガソリンスタンド、メカニックの専門学校講師、バス会社や建設機械メーカーでの整備点検業務者、あるいは大手自動車メーカーの車両開発部勤務者や、レーシングチームに所属してレース車の整備やピット作業を担当する人もいます。

さらに、損害保険を扱う保険会社で事故が起きた際の、事故車両の損傷状態を調査する「技術アジャスター」と呼ばれる仕事に従事する人や、空港内を走行する「特殊車両」の整備も自動車整備士が担う領域です。

以前は人気職種だったメカニックですが、次第にきつい労働環境で働くイメージが定着してしまい、中学生男子の憧れの職業のランキングが下がってしまいました。しかし、メカニックの仕事や日本の車の現状を掘り下げていくと、広範囲の活躍フィールドが用意されていることがわかります。

── 働き方改革により、日本人の「働き方」に対する意識が根本的に変わろうとしている今、メカニックを取り巻く職場環境の改善も行われています。

今後は純電気モーターカー、ハイブリットカー、燃料電池車など、第三のエコカーに特化した最先端技術を習得し、男女を問わず額に汗して働くメカニックがたくさん活躍する世の中になるといいですね。

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