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大切な手指を守り、作業効率を上げる手袋!その多様な素材・種類・機能にフォーカス

軍手やビニール手袋、ゴム手袋、使いきり手袋など、日常的にも用途によって使い分けられる手袋ですが、作業の現場で使われる手袋にはいろいろな素材や機能を備えたものがあり、さらに薄手から厚手、長さ、色やデザインなどもバラエティ豊か。ホームセンターやワークマンに行くと、多彩なランナップが店頭に並んでいるため、どれが最も自分に適しているのか、どの手袋が仕事や作業に適しているのか、判断に迷ってしまうことも多いですね。

寒さや汚れ、熱、摩擦、刺激や感染、危険などから手指を守る手袋(扱う商品を汚れや破損から守る場合も)は、仕事を効率よく安全におこなうためには必須のアイテム。そうした点からも、使いやすく作業内容や目的に適応した手袋を選びたいもの。

そこで今回は、手袋に用いられる素材や作業用手袋に施された機能(加工)など、作業や目的に合った手袋を選ぶヒントになるものをご紹介しましょう。

手袋の素材によって、適応した作業や業種も違う

使いきりの意味を表すディスポーザブル手袋は、「極薄手」とも呼ばれるタイプのもので、衛生面や使い捨てできる手軽さから需要が増しています。介護や医療の現場をはじめ、指先の感覚が必要な細かい作業によく使われ、素材の違いによって特徴が異なります。

ここでは、同じディスポーザブル手袋でも、素材によってどのような違いがあるのかを比較してみましょう。

【ポリエチレン】手袋の特徴

○最も安価な使い捨て手袋。

○着脱しやすいため頻繁に交換する作業に便利。

○油・薬品・溶剤に強く導入コストも比較的かからないため、広く利用されている。

○強度がないため、短時間の軽作業向き。

〇調理・食品の盛りつけ・食品加工、検査や清掃などに適している。

【塩化ビニール】の特徴

○耐久性・柔軟性に優れている。

○複雑な手のフォルムにフィットするため指先の感覚が活かせ、細かい作業も可能。

○油・薬品・洗剤・漂白剤などに強く、劣化しにくい。

○耐摩耗性・耐水性・耐油性があるので軽作業から重作業まで広範囲に使用可能。

○食品に直接触れることはできない。

〇衛星管理、油や石油を扱う作業、ペンキ・スプレー塗装、美容関係などに適している。

【天然ゴム(ラテックス)】手袋の特徴

○滑りにくく柔軟性に優れ、気温・水温に左右されることが少ない。

○良質の天然ゴムだけが持つ優れた伸縮性、高い装着感が指先の感触を保つ。

○手の動きになじみやすく丈夫なため、長時間の作業には最適。

○油・薬剤・溶剤には弱い。

○天然ゴムアレルギーやゴムのニオイが気になる人には合成ゴムの手袋がおすすめ。

〇水仕事、洗車、DIY、ゴミ処理などに適している。

【合成ゴム(ニトリルゴム)】手袋の特徴

○油・薬品に強く、強度のある万能タイプの手袋。

○手にピッタリフィットするので、「素手感覚」を感じられる。使いやすさはピカイチ。

○天然ゴムアレルギー対策の代替品として、急速に利用されはじめている。

〇油作業、ペンキ・スプレー塗装、医療一般、化学実験などに適している。

革の手袋は、作業用としても古くから使われてきた

皮革(牛革・豚革)手袋は柔軟で滑りにくく、耐摩耗性にも優れることなどから古くより作業用手袋として活用されてきました。火や熱に強く、鉄工作業などの火を扱う現場や、重いものを手で扱う現場などで多く使用されています。素材に天然の革を使用していることから、使用することによってしだいに手になじむ感覚が得られます。また、軟らかくて使いやすい特性によって、ハードな作業から一般作業まで多用途に使用できる点も特徴です。

なお、「皮」の表記は動物のもの。「革」は、動物から採取した「皮」を製品にするために鞣(なめ)したものです。※鞣(なめ)す(皮の脂肪や毛を除いて、耐久性・可塑性・柔軟性をもたせること)

合成皮革と人工皮革の違い

本物の革に似せて作られた、いわゆる「フェイクレザー」は、天然皮革と比べてデザイン性が高く、取り扱いやすい点が特徴です。

【合成皮革】

ナイロンやポリエステルなどの生地にポリウレタンなどの樹脂層をコーティングしたもの。軟らかでフィット感抜群。革のような独特のニオイもなく、人工皮革に比べて滑り止め効果にも優れている。人工皮革より安価。

【人工皮革(マイクロファイバー)】

三次元立体構造の繊維層という不織布ベースに弾性ポリウレタン樹脂を含浸させたもの。組成繊維は天然革に似ており、従来の合成皮革より丈夫で、本革に近い特性がある。革独特のニオイもなく、通気性・フィット性に優れている。

どちらも用途としては、下記のようなシーンでの使用に適しています。

○細かい作業

○運輸・倉庫、荷役作業

○重機操作

○アウトドア・レジャー

作業用手袋には、使用目的に特化した多彩な機能が

刺激や摩擦、危険などから手指を守り、効率よく仕事するために作られた作業用手袋には、さまざまな機能があります。おおまかなものをまとめましょう。

まずは「防寒用手袋」「スベリ止め手袋」「ビニボツ」「ゴムライナー」「耐油手袋」「品質管理・精密作業用手袋」「耐熱・防火手袋」です。

加えて、少し特殊な機能をもった「耐切創手袋」「絶縁手袋」「制電気対策用手袋」「タッチパネル用手袋」「インナー(下ばき)手袋」「オールコート手袋」「背抜き(手のひらコート)手袋」「ゴム張り手袋」についてもご紹介しましょう。

たくさんご紹介しましたが、手袋とひと口に言ってもその多様さに驚かされますね。実際には、ここで紹介しきれないくらい素材や機能(色・デザイン・モデル)のバリエーションが豊富な手袋があります。ネット検索もできますので、仕事が楽しくなり、事故を防ぐための最高の手袋をみつけてくださいね。

介護における手袋の役割は「衛生管理・感染防止」

介護の現場でも手袋は欠かすことのできないアイテムですが、一方で、その役割や目的は先に述べたような作業用手袋とは大きく異なります。介護の現場では手袋はどのような働きをするのでしょうか?

オムツ交換を中心として、介護に欠かすことのできない手袋はディスポーザブル(使いきり)手袋。「ディスポ」と呼ばれることもあります。

介護の現場で手袋は、最も頻繁に使用される個人用防護具といえます。介護従事者の手指を血液や体液など感染性物質による汚染から守り、また、介護従事者の手指から介護者へ微生物の伝播を防ぐ役割を果たします。つまり、相手だけでなく自分を守ることにもつながるのです。

手袋の使用は施設や家庭でも、主な活躍の場はトイレやオムツ交換などの「排泄介助」、「口腔ケア」や「患部への処置」などにも使用します。

手袋交換のタイミング

○介護者ごと

○同じ介護者でも汚染した体部位から顔などの清潔な体部位へ手を移動させる時

○汚染した時

○手袋の破損やバリア機能が損なわれた時

※便利なディスポーザブル(使いきり)手袋ですが、手袋を洗って使い回すのはNGです。さらに、手袋をしたまま手洗いや、手指の消毒をしても、微生物が手袋の表面から確実には除去されず、継続して手袋の完全な状態が保証できませんので、交換のタイミングを間違えないようにしましょう。

ディスポーザブル手袋についている粉(パウダー)は?

使いきり手袋には手袋の内側に粉がついているものといないものがあり、粉つき手袋についている粉には手汗によるベタつきを抑え、滑りがよくなり装着がしやすくなる作用があります。この内側に粉の原料はトウモロコシのデンプン、コーンスターチです。

コーンスターチはトウモロコシが原料であり、トウモロコシにアレルギー反応を起こす人もいるため、手袋についているパウダーは「安全衛生上のリスク要因になり得る」とのこと。こうした点から日本でも、パウダーフリー手袋への供給切り替え強化が進んでいます。

介護の現場で手袋の繰り返し利用は厳禁

介護の現場での手袋の使用について、手袋の繰り返し利用は感染防止など衛生管理の目的からはずれた使い方になります。例えば、以下のような使い方はNGです。

●NG使用例/掃除をした手袋でオムツ交換

●NG使用例/オムツ交換をした手袋で歯磨きや義歯を触る

使用目的に応じ、必ず毎回新しい手袋を使用し、介助の途中で汚れた時にはその都度交換する必要があります。また、手袋をはずす時は、片方ずつ表裏が逆になるようにはずします。こうすることで汚れた面を内側に閉じ込めます。使用後は手洗いも忘れないようにしましょう。

ふだん、仕事をするうえで何気なく手袋を使っている方も多いと思います。今回あらためて、大切な手指を守り、作業効率を上げる大きな役割を果たしていることが確認できたのではないでしょうか。また、今回の記事を読んで「こんな手袋があったのか」と驚かれた方も多いことでしょう。使い心地や機能、役割などにこまやかな工夫や配慮がなされ、これからもどんどん進化、発展しそうです。どんな手袋が登場するのか、楽しみですね。

── 気に入った色やデザイン、使い勝手のよい手袋を着用していると、なんだか自然と仕事に対するモチベーションも上がるもの。素材や機能、役割を吟味した上で手袋を選び、正しい使い方をすることで、より安全に効率よく、快適に仕事することができますので、機能性などにこだわって、ホームセンターやワークマンなどでしっかり吟味してみてくださいね。

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