建設業界で役立つマンション管理士、福祉住環境コーディネーターなど、人気資格の取得方法や難易度を紹介(第三回)
2021.05.14コロナ禍が長引き早期の終息が見通せないなか、飲食業や宿泊業、アパレル関連では経営破たんが目立っています。建設業界では全産業と比べて廃業検討率はまだ低いものの、会社数の多い業界でもあることから地域経済の影響が大きく、注視していかなければなりません。建設業界におけるコロナに関連する経営破たんは2020年12月では19件あり、2021年に入っても月間10件を上まわるペースで推移しています。このような状況から、当初は影響が少なかった建設業においても雇用への影響が懸念されているのです。
ただ、東京商工リサーチのアンケート結果によると、業界全体では「これまでコロナ禍の影響を受けていない」と回答した企業が4割以上あり、業界内では二極化の様相を呈しているようです。コロナ禍が終息した後には経済の回復とともに業績の復調が期待されます。大きなイベントが控えていることからも転職先、就職先として建設業界の魅力は衰えていないと言ってよいでしょう。
今回は建設業界で役立つ資格の第三回として、マンションを建設した後の管理組合の設立や営繕計画に必要不可欠な『マンション管理士』、高齢化により新築工事や改築工事で存在感を高める『福祉住環境コーディネーター』を取り上げます。
建設業界で役立つ資格~受験資格ナシの資格③~
現在、全国のマンション数は650万戸を超えています。約10人に1人が分譲マンションに住んでおり、さらに増加傾向にある現代において、修繕や建て替え、災害対策などの問題を解決するプロとしてニーズが高まっているのが『マンション管理士』です。
また、高齢者介護の世界でいま注目されている資格に『福祉住環境コーディネーター』があります。1999年に設立された公的資格で、高齢者が生活しやすい住環境を考えるのが仕事です。介護分野はもちろん、介護保険制度を使った住宅改修をはじめ建設業界での活躍も期待されています。
『マンション管理士』と『福祉住環境コーディネーター』はともに受験資格を問わず誰でも取得することができる資格です。実務経験がなくても受験できるため、建設業界に転職を希望する人や就職希望の学生、業界における経験が少ない人のステップアップに役立つお勧めの資格と言えるでしょう。
2021年の初夏を迎えたなかで第4波が襲来しているコロナ禍ですが、こうした環境だからこそ家でじっくり勉強をして資格を取得し、将来のキャリアアップに生かしていく、という積極的な発想を持ってみてはいかがでしょうか。
マンション管理士
マンション管理士は管理組合や区分所有者の相談に応じ、助言・指導・援助を行います。建物の区分所有者等に関する法律、民法、不動産登記法などの法律知識、建物の構造や設備に関する知識、大規模修繕を含む技術的知識を持つマンション管理のプロフェッショナルであり、名称独占の国家資格です。
1)資格概要
マンション管理士は法律知識や技術的知識を背景にマンションの老朽化対策を一手に引き受けることができる独自のポジションを占めています。建て替え時期の迫るマンションが多い我が国において、今後も必要性が高く将来有望の資格と言ってよいでしょう。
大手の建設業者ではマンションの設計・施行と販売・管理を一括して手がけることも多く、こうした会社でマンション管理組合との連絡を担当するポジションに、マンション管理士の活躍する場があります。
マンション管理士の主な仕事内容は次のとおりです。
① 相談業務
管理組合の役員などからの相談に対して回答し、必要に応じて助言を行います。
② 運営診断業務
管理規約、総会の決議、第三者との契約内容等と実際の運営状況を照らし合わせ、管理組合の運営が適法かつ適正に行われているかどうか診断し、問題点や改善提案を行います。
③ 立会業務
マンションの管理や建て替えなどに関するさまざまな会合にオブザーバーとして立会い、説明や質疑応答をします。
④ 顧問業務
理事会が行う日常業務全般や特定の業務について、助言や指導、援助を行います。
⑤ 管理規約に関する業務
管理規約の適法性や適正性を診断し、そのうえで見直しを行う場合は改定案の作成、新規に設定する場合は規約案を行います。
⑥ 管理委託契約に関する業務
管理委託契約や管理業務仕様の適法性や妥当性などを診断し、問題点や改善の提案などを行うとともに、管理委託契約の見直しを行う場合は、必要な業務を補助します。さらに、管理会社の変更を伴う場合には、そのために必要な業務を補助します。
2)取得方法
マンション管理士の試験は国土交通大臣が試験主体となり、公益財団法人マンション管理センターを指定試験機関として実施され、例年11月に試験が行われます。受験資格は問わず、学歴・年齢を問われません。願書の配布は例年8月1日に始まります。
テストはマークシート方式で問題数は50問、35問以上正解すると合格です。試験合格後、公益財団法人マンション管理センターにマンション管理士として登録することで、マンション管理士と名乗ることができます。登録に際し、実務経験を有するなどの要件はありません。
試験内容は以下の分野から出題されます。
① マンションの管理に関する法令および実際に関すること
② 管理組合の運営の円滑化に関すること
③ マンションの建物および附属施設の構造ならびに設備に関すること
④ マンション管理の適正化の推進に関する法律に関すること
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは高齢者や障がい者の住む家をより生活しやすい環境にするためのアドバイスが主たる仕事ですが、その他にも、福祉用具や介護用具のアドバイス、住宅改修支給申請の理由書作成なども行います。
1)資格概要
福祉住環境コーディネーターは、住環境整備に必要な福祉・医療・建築などについての幅広い知識を持ち、高齢者や障がい者にとって、安全で安心して暮らせる住まいを提案するアドバイザーです。
「車いすを使うほどではないが足が不自由で歩きにくい」「夜、トイレに行くことが多く階段を下りるのが大変」などの悩みを聞いて、その方に適したリフォームの提案をします。具体的には、玄関や廊下に手すりを設置するだけでなく、照明スイッチの場所がわかりやすいようにライト付きのスイッチを取り付ける、脱衣所から浴室への段差を解消してフラットにする、などのきめの細かい提案をしていきます。
この資格は、東京商工会議所が主催する検定試験に合格した人に与えられ、1級から3級まであります。2級以上を取得すると、住宅改修支給申請の理由書作成ができるようになります。
2)取得方法
受験資格はなく、学歴や年齢、性別、国籍を問わず誰でも受験できます。受験申し込みは、東京商工会議所のウェブサイトまたは電話で行います。2級と3級の試験は年2回、7月と11月に実施され、1級は年1回で、11月頃の実施です。試験は各都道府県の指定された会場で受験し、合格した場合は、約1か月後に合格証が届きます。
出題範囲は公式テキストの内容となり、福祉住環境整備の重要性や必要性、在宅生活の維持とケアサービス、バリアフリーとユニバーサルデザインの考え方、住まい整備のための基本技術などの内容に関連した問題が出題されます。問題は2級と3級がマークシート方式で試験時間は2時間、100点満点で70点以上が合格です。1級は前半がマークシート方式、後半が記述式で試験時間は前半、後半それぞれ2時間ずつ、前半、後半とも100点満点で70点以上とれば合格です。
── 4人に1人が65歳以上と高齢化が進むわが国では、お年寄りが住み慣れた自宅で生活を続けられるように支援していくのが国の考え方です。そのため住環境の整備は重要課題となっており、バリアフリーで安全に暮らせる家へのリフォームを提案する福祉住環境コーディネーターの活躍の場は、今後ますます広がるに違いありません。
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