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製造業の職種の種類は?転職で知っておきたい仕事内容を解説!

製造業では、正社員や派遣、契約社員、パート・アルバイトといった様々な雇用形態で求人があります。また、製造業の職種には、実際に工場の現場での作業を行う職種のほかに、研究・開発や生産技術、営業など多くの種類があります。

今回の記事では、製造業の主な職種や仕事内容について紹介したうえで、工場の現場で働く技能職の仕事を詳しく取り上げていきます。

製造業の職種と仕事内容

製造業の企業には総務や人事、経理などのバックオフィス部門のほか、一般的に次に挙げる職種があります。

商品企画

商品企画は、新商品の企画や既存の商品の改良の企画を行う仕事です。商品の企画にあたっては、市場調査や競合調査、店舗の視察などをもとにトレンド分析を行ったり、クレームから顧客の潜在ニーズを把握したりするなど、市場のニーズを把握する必要があります。

研究・開発

研究・開発は研究職と開発職に分かれます。さらに、研究職の業務は基礎研究と応用研究に分けられます。基礎研究は5年先、あるいは10年先に実用化されることを目指して行う先進的な研究です。応用研究は基礎研究をもとに、実用化の可能性や既存の製品への応用方法の研究を行います。

開発職は研究開発と技術開発、商品開発に分かれます。研究開発は、研究職の研究結果をもとに製品化を行う仕事を担います。技術開発は商品の製造に活かせる技術を開発する仕事で、特許の取得につながることもあります。商品開発は企画開発部門の商品企画をもとに、製品化を目指す仕事です。

生産技術

生産技術は、製品の大量生産を行うための生産体制を構築する仕事です。要求されている製品の仕様通りに、ローコストで効率よく生産していくことが求められます。

生産技術の仕事は幅広く、新たな生産設備を立ち上げる際には、生産設備の設計や製造の依頼、あるいは使用する設備の選定のほか、作業手順を決定します。また、既存の生産ラインの改良や新しい製造技術の開発も行います。このほかに、生産ラインを正常に稼働させるための設備保全も生産管理の役割です。

昨今では、商品のライフサイクルが短くなり、多品種少量生産も求められるようになったことから、製造技術の担う役割が大きくなっています。

生産管理

生産管理は、営業部門の販売予測などをもとに需要予測を立てて、生産計画を立てる仕事です。商品の製造に必要な原料の仕入れ先の決定や価格交渉、作業員の確保、納期管理や在庫管理といった業務も担います。

複数の商品を製造している場合、在庫状況や納期、納入先などによって、優先順位を決めて生産計画を立てるため、営業部門や生産部門などとの調整が必要となります。

品質管理

品質管理とは製品の品質の規格を決めて、規格に適合する製品が製造されるように管理する仕事です。新製品の製造を始める際には、作業標準書やQC工程表を作成します。また、製品不良が発生した際には分析を行い、工程の見直しなどの再発防止策を立てて、マニュアルの改変を行うなど、製造プロセスの改善を図ります。

製造

工場の製造の現場の仕事内容は工場によって異なります。たとえば、自動車工場の場合は、一般的にプレス、溶接、塗装、組立、検査という工程があり、各工程の一部の作業を担当する形です。

製造の現場の仕事はルーティンワークが中心ですが、道具の置き場所を変える、作業方法を工夫するなど、作業効率を向上させるための提案を行うと評価されることがあります。

営業

営業は自社の商品を売り込む仕事を担います。製造業は法人向けに営業活動を行う企業が中心です。

ルート営業と新規営業では、製造業はルート営業の比率が高い傾向があります。ルート営業は、既に自社と取引のあるメーカーや商社、問屋、小売店などをまわり、継続的に受注できるように営業活動を行います。これに対して新規営業は、新たな取引先を獲得するための飛び込み営業などを指します。

営業は取引先企業のオリジナル商品の開発に関わったり、アフターケアも担当したりすることもあります。

技術職と技能職の違いとは?

製造業の技能職とは、専門的な知識をもとに製品の開発や量産体制を築くための業務に携わる職種をいいます。技能職にあたるのは、研究・開発や生産技術、品質保証などです。一方、技能職は工場の製造の現場で作業に従事する仕事が該当します。

工場の現場の具体的な仕事内容

工場の現場の仕事といっても、業種や企業、工場によって様々です。主な工場の現場の職種の仕事内容をまとめました。

プレス加工

プレス加工は金型の形状にプレス機を用いて材料を変形させる加工方法です。プレス加工は一度金型を製作すると、大量生産が可能となるといったメリットがあります。プレス加工は自動車部品のほか、携帯電話やパソコン、エアコンなどの家電といった製品に用いられています。

プレス加工には、材料をカットするせん断、V字やL字、Z字といった形状への曲げ加工、凹凸のある形に変形する絞り加工という種類があります。

プレス加工は、受注すると製品に合わせて金型の設計を行うという業務が発生します。その後の製造の作業は、金型をセットしたプレス機械に加工する材料をセットして、プレス機械を作動させます。その後、表面の研磨などの仕上げが行われます。

鋳造

鋳造は熱を加えて溶解した金属を鋳型に流し入れ、冷やし固めて成形する金属加工方法です。鋳造は自動車部品メーカーの工場などで用いられています。

鋳造では、材料の溶解炉への投入、溶解炉で溶かした金属の鋳型への流し込み、固まった金属の型枠外し、バリ取りなどの仕上げといった作業工程があります。また、鋳造の作業も自動化が進んでいるため、機械の設定の管理も必要です。

鋳造(たんぞう)

鍛造も金属加工方法の一つで、高温に熱した金属にハンマーや機械で圧を加えて成形していく方法をいいます。鍛造は鉄工所や自動車部品工場などで用いられています。

鍛造にはハンマーによる手作業の自由鍛造と、型枠に入れて圧力を型枠鍛造という種類があります。自動車部品などの大量生産に向いているのは型枠鍛造です。型枠鍛造には、金属の切り出し、金属の加熱、粗型での成形、仕上げ型での成形、バリ取りなどの仕上げといった作業工程があります。

旋盤

旋盤とは、旋盤という機械を用いて行う、金属の切削加工をいいます。旋盤はネジやボルトなど細かい部品の加工に用いられています。

旋盤は汎用旋盤とNC旋盤で仕事内容に違いがあります。汎用旋盤は、作業員が設計図にもとづいて、ハンドルなどを操作して手作業で加工を行うもので、技術や経験を必要とします。汎用旋盤は精密機械の試作品や小ロットで生産する製品に向いた加工方法です。

これに対してNC旋盤はコンピューター制御によって、あらかじめプログラムされた通りに、金属が加工されていきます。NC旋盤は大量生産に向いています。

NC旋盤の場合、プログラミングと機械の動作チェック、製品の仕上がりのチェックが主な仕事内容です。大規模な工場では、プログラミングとオペレーションで担当者が分かれていることもあります。

研磨

研磨とは表面の凹凸をなくして滑らかにする加工をいい、加工の仕上げの工程で行われることが多いです。研磨では、削る作業の「研削」と表面に光沢を出す作業の「琢磨」の2つの作業からなります。2つを同時に行う場合が多いですが、片方のみを行う場合もあります。

研磨は機械製品をはじめ、スプーンやフォーク、アクセサリー類などに幅広く用いられている加工方法です。

研磨には様々な方法があります。主な方法を挙げると、砥石研磨は、回転する砥石に加工する製品を当てて研磨を行う方法や、あるいは固定した砥石に加工する製品を当てる方法です。研磨布紙加工は、砥粒が配列された布の研磨ベルトを回転させて、加工する製品を当てて研磨していきます。ラッピング研磨は、ラップ盤と呼ばれる回転する台に加工する製品を押し当て、研磨剤とすり合わせることで研磨する方法です。ポリシング研磨はバフ研磨とも呼ばれ、フェルトなどの柔らかい素材で加工する製品に研磨剤をすり合わせる方法をいいます。

溶接

溶接とは、金属を溶かして接合させることをいいます。溶接は機械部品、家具、自動車や電車、飛行機など幅広い金属製品で用いられている加工方法です。溶接には融接、圧接、ろう接という種類があります。

融接は溶接する材料や、あるいは溶接する材料と溶接棒を加熱して溶かし、冷却して固める方法です。融接にはアーク溶接やガス溶接、レーザー溶接といった方法があり、アーク溶接が広く用いられています。

圧接は機械的な圧力や電流によって、溶解する材料を溶かして接合する方法で、主に薄板の溶接に用いられています。圧接の中でも、金属の抵抗発熱を利用する抵抗溶接は、大量生産に向いています。

ろう接は溶接する材料を溶かさずに、融点の低いろう材を接合面の隙間に埋めることで応接する方法です。

自動車工場では溶接の工程は自動化が進んでいるため、大きな部材の溶接は機械が正常に稼働しているか確認する作業が中心です。細かい部品の溶接は、アーク溶接などが手作業で行われています。

塗装

塗装は自動車やバイクなどの工業製品での求人が目立ちます。自動車の場合、電着塗装、シーラー塗装、本塗装、検査という工程をたどります。検査を除いて、ほとんどが機械による作業が行われています。

電着塗装は導電性の高い塗料のプールに自動車のボディを浸して、電流を流して塗装を行うものです。電着塗装は複雑な形状のものでも、まんべんなく塗装しやすいのが特徴です。シーラー塗装は、鋼板のつなぎ目や隙間などに、シーラーという樹脂を塗る工程で、ホコリや水の侵入を防ぐのが目的です。

そして、本塗装では、中塗り塗装、ベース塗装、クリア塗装の3つの工程を行うのが一般的です。中塗り塗装は表面を平滑にするための下地塗装で、ベース塗装で車体の色の塗料を塗ります。クリア塗装は光沢を出すとともに、保護するための塗装です。

最後の検査の工程は人の目で行われ、ムラがある場合はポリシャーという機械で磨く作業を行います。

組立

組立は部品を図面に従って組み立てて完成させていく工程です。家電製品や医療機器、自動車、建設機械、農業用機械など幅広い製品の製造工程で、組立の工程が発生します。

大量生産を行う工場では、ベルトコンベアで製作中の製品を移動させて、各作業員が担当する部分のパーツを組み立てていく、ライン生産方式と呼ばれる方法がとられているのが一般的です。最近では、多品種少量生産が求めれるようになったことから、セル生産方式と呼ばれる方法をとる工場も増えています。セル生産方式では、U字型に部品や工具を配置したセルで、1人あるいは少人数の作業員によるチームが完成まで組み立てていきます。

検品

検品は工場で製造された製品を出荷する前に、欠陥がないか確認する作業です。検品には、不良検品や混入検品、作動検品といった種類があります。

不良検品は汚れているものや破損しているものなど、不良品を取り除く作業です。混入検品は、製品の中に異物が混入していないか、確認する作業になります。作動検品は、電子機器などが正常に作動するか、確認する作業です。

製造業の仕事に就くメリットとは?

製造業の仕事は、未経験から転職しやすい職種があり、手に職がつく職種が少なくありません。また、ものづくりに関われることから、製造業の仕事を選ぶ人もいます。

未経験から転職しやすい職種もある

製造業は未経験から転職しやすい職種が少なくなく、特に技能職は未経験から応募できる求人が目立ちます。生産工程のマニュアル化や自動化が進んでいることも、未経験から活躍しやすい要因の一つです。また、仕事に必要な資格取得のための費用を負担する企業が少なくなく、働きながらスキルアップを図ることもできます。

一方で、製造業の職種の中でも技術職は、理系の学歴が必要とされ、新卒以外では経験者採用が多い傾向があります。ただし、生産技術の中でも設備保全は、未経験から応募できる求人もあるなど、未経験から比較的挑戦をしやすいです。

手に職がつく

製造業の中でも、技術職は専門的な知識を必要とされ、実際の業務で得た経験や知識はほかの製品づくりにも役立つことがあります。また、技能職の中には、熟練の技術を必要とする作業もあり、スキルを身につけたり、資格を取得したりすることで、手に職をつけられる仕事もあります。

ものづくりに関われる

製造業の職種の多くはものづくりに関わる仕事です。自分が携わった製品が販売されていたり、使われていたりするのを目にしたときに、世の中に役立っているということが実感できることに、やりがいを感じられるようです。

製造業の仕事に向いている人とは?

製造業は正確な仕事が求められることが多く、集中力のある人に向いている職種が中心です。また、ものづくりをすることから、数字や図面を見ることに抵抗のない人が向いています。

数字や図面、機械に苦手意識がない

業種や担当する業務にもよりますが、数字や図面を確認することや機械を取り扱うことがあります。専門的な知識が必要とされない仕事であっても、苦手意識のない人の方が取り組みやすいでしょう。

協調性がある

製造業は他部部門との連携が求められることが少なくありません。たとえば、研究・開発は商品企画の構想にもとづいて、製品化を目指す業務もあります。あるいは製品化が決まると、実用化に向けて生産技術と連携して進めていきます。また、製品の製造にあたっては、製造ラインを管理するのは生産技術であり、実際の製造は製造部門が行いますが、生産計画は生産管理が立てています。さらに、生産管理は営業の販売計画にもとづいて、生産計画を立案しています。他部門との連携を図るには、相応のコミュニケーション能力や協調性が求められます。

また、製造業は研究・開発や製造の現場などで、チームで行う業務もあります。一人で黙々とこなす作業もありますが、協調性は必要です。

几帳面で集中して作業ができる

製造業の仕事は図面や仕様書、作業手順の細かいところまで確認したり、正確な作業を行ったりすることが求められます。

特に製造の現場の仕事は、正確な作業を長時間にわたって続けることが少なくありません。集中力を欠いてしまうと、製品不良を発生させてしまったり、ケガなどの事故につながったりする恐れがあるため、集中力が高い人が向いています。

まとめ

製造業には様々な職種があり、未経験から転職しやすい職種もあります。特に工場の現場で働く技能職は未経験から挑戦しやすいですが、担当する作業内容は工場や工程によって大きく異なります。製造業を転職の選択肢に入れる際には、仕事内容をよく確認するようにしましょう。

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