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ペットの美容師・トリマーは「第二の獣医」の役割も!高齢犬の介護施設にも活躍の場が!

犬猫などのペットが、生活のパートナーや家族同然の存在として扱われる傾向はさらなる高まりをみせ、専門店やスーバーなどのペットフード売り場では犬猫のサイズや年齢などによる、多様なバリエーションを備えた品が棚を占領。そうしたコーナーでは「グルメ」「美食」「ダイエット」「健康長寿」「低脂肪」と書かれたPOPがズラリと並んでいます。

さらに昨今のペットブームを追い風に、ペットの洋服・アクセサリー、おやつ、マッサージ、ネイル、エステなど、ペットの暮らしは人間の生活水準にも届きそうな勢いに発展し、ペットを通しての人脈や人づき合いも深まり情報交換も盛んです。

そのような情勢のなか、需要が高まる動物の美容師、トリマー。今回はペットのシャンプー、ブロー、カット、爪切り、耳掃除などを行うトリマーについてご紹介します。動物が好きな人には人気の職種ですが、どうすればなれるのか、仕事内容や待遇、将来性などをみていきましょう。

美容師とトリマーの違い

トリマーの名称に由来する「trimming」の意味は「ペットの毛をカットする」ことですが、トリマーの仕事はトリミングを行う前のブラッシングやシャンプー、ブロー、カラー、ヘアアクセサリーの飾りつけなど多岐にわたります。そのため、トリマーはペットの美容師と呼ばれることもあり、手入れするペットは犬が圧倒的に多数を占めます。

トリマーと人間の美容師との違いはペットは自分の好みをトリマーに伝えられないこと。そのため飼い主(=お客様)の好みや希望を把握しつつ、ペットに合ったスタイルを提案することがトリマーの大切な仕事となります。

また、言葉の通じない動物相手の仕事なので危険がともなうことも理解しておきたいポイントです。「指を噛まれた」「顔を引っかかれた」など、ケガにつながるリスクがあるうえ、数十キロもある大型犬の相手をするのは体力的にもかなりハードです。

さらに、トリマーと美容師との決定的に異なる点は、ペットの健康管理にあるといえるでしょう。人間と違い、全身を毛で覆われているペットは頭にとどまらず体全体の手入れを行う意味からも、ペットの体の様々な場所に触れ、飼い主が気づきにくい小さな異変を見つけることで、病気の早期発見にも努める。これもトリマーの仕事の一環です。

「第二の獣医」としての役割

では早速、トリマーが行うペットの健康状態のチェックポイントを以下に挙げてみましょう。

犬の毛にブラシとトリマーでブラッシング

【トリマーが行う健康状態のチェック】

〇トリミングの前に、皮膚や耳、目などに異常がないかを必ずチェック

〇シャンプーによっては皮膚の状態が悪化する可能性もあるため、通常のシャンプーか、薬用シャンプーかを見きわめる

〇ペットが耳や口を気にしていないかなど、病気の兆候を察知する

〇トリミングと同時に爪切りや肛門腺絞り、歯磨き、耳掃除も行う。これらのケアを通してペットの健康状態を読み解く

トリミングを通して動物と触れ合いながら体の状態をチェックし、健康状態を把握できれば飼い主から信頼を得られますし、次の来店時に指名を得て関係を深めることも期待できます。このように、飼い主にとってトリマーの存在は「第二の獣医」の意味あいも強いため、動物の健康や医療についての知識も求められます。

ペットをより魅力的に仕上げ飼い主に満足感を与える……、また、動物の健康チェックを通して病気を早期発見する……など、トリマーの仕事は責任が重い半面、やりがいも大きいといえますね。

トリマーの仕事に必要な資格はない

では、トリマーになるにはどうすればよいのでしょうか?

トリマーとして働くために特別な資格は必要ありませんが、トリマー養成の専門学校を卒業後、ペットショップなどに就職し、トリマーとして働くルートが一般的とされます。

トリマーを養成する専門学校などで知識と技術を習得後、トリマーとして就職活動をする人が多く、動物関係の専門学校であれば、ほとんどの学校にトリマーになるために必要な知識、技術を習得できる専攻分野が設置されています。

一般的な通学期間は2年ですが、1年制、半年制などの短期科や昼間仕事をしながらでも通える夜間科もあり、ライフスタイルに合わせて通学が可能。また、トリマーとして就職したらそれで終わりということではなく、シャンプー、爪切り、耳掃除や販売されるペットの世話などを続け、それ以外の時間でトリミングの練習を行い、実力が認められた後にようやく一人前としてデビューとなります。

そのほか、人間の美容師同様、一度カットしてしまうと取り返しはつきませんし、飼い主に満足してもらえなければ再来店は期待できない場合もあります。こうしたミスが店の評判を落とすことにもなりかねないリスクがあることも心がけておきましょう。

では、具体的にトリマーはどのような一日を送っているのか、一例を挙げてみましょう。

トリミングに使うさまざまな用具

【あるペットショップに勤務するトリマーの一日】

9:00 出勤/制服に着替えたら、前日のトリミング作業で落ちた毛が残っていないかをチェックしながら掃除を行い、開店準備を行う

10:00 開店/カウンセリング開始。開店と同時に飼い主を迎え、「どんなヘアスタイルにしたいのか」「爪切りや耳掃除などのケアは必要か」などペットの状態を見ながら飼い主とカウンセリングのうえ、施術内容を決める

10:30 トリミング開始/トリミングで一頭を仕上げるのに要する時間は平均1~2時間。したがって次の予約までの作業は時間との戦いに。ただし急いでいるからといって大切なペットをハサミでケガさせてしまうようなことは避け、慎重かつ素早くカットする高い技術が求められる

11:30 トリミング終了/仕上げが終わったら、飼い主にチェックしてもらう。施術が終了後は手早く掃除を行い、店内を清潔に保つ。あいている時間には、ペットフードなどの商品補充や接客も

12:00 昼休憩/店によるが、外に食べに行く以外に店舗の休憩所で昼食を済ませることも。また、繁忙期にはスタッフと交替で慌ただしく休憩を取ったり、お昼休憩の時間がずれ込んでしまうことも

13:00 トリミング開始/午後の業務スタート。予約の合間に飛び込みの来店もあるため、臨機応変に対応。あいている時間にはトリミングだけでなく、ペットフードやおもちゃの商品管理や販売も行う

18:00 閉店・後片付け/店の状況が落ち着いてきたら少しずつ片付けに入り、感染症を防ぐためにトリミングに使った器具などの消毒は欠かせない

19:00 退勤/店内をくまなく掃除して業務終了。閉店してから1時間ほどが退勤時間

一般的なトリマーの勤務体系は「シフト制」が多く、土日祝日は繁忙期となるため平日休みが一般的です。また飼い主がペットの毛をカットしたくなる夏場、身だしなみを整えて新年を迎えたくなる年末も繁忙期になります。

一方、ペットショップやペットサロンでスキルを身につけ、独立・開業してフリーランスのトリマーとして活躍する人もいます。企業や店舗に勤めていると長時間拘束されがちですが、フリーランスは自由にスケジュールを組むことができるため、育児や家事との両立も比較的しやすくなるでしょう。

フリーランスで働くトリマーはどのような一日を送るのか、一例をみていきましょう。

【あるフリーランスのトリマーの一日】

10:00 出勤/出張トリミングの依頼をもらったお客様のご自宅を訪問し、トリミングを行う

13:00 業務委託の動物病院での勤務/トリミング業務委託で契約をしている動物病院で、週2回トリミングを担当。予約があいている時間は、診療の手伝いや受付業務を行う

18:00 帰宅/動物病院の診療終了時間に合わせて帰宅し、自宅で事務作業。フリーランスで働く場合は、広告宣伝、経理なども自分で行わなければならない

19:00 業務終了/その日のスケジュール次第で業務終了

フリーランスで働くトリマーの場合、「出張トリミング」だけでなく、「業務委託」で動物病院などと契約するなど、自由に働き方を選ぶことができます。

病院によっては週1日~OKで勤務時間も自由に選択できる場合もあるので、あいている時間に効率的に収入を見込むことも可能です。

需要は高いが、正社員採用は少ない

拡大するペットブームのなか、新設されるペットショップやペットサロンの他にも、ペット同伴可の飲食店や宿泊施設なども増え、トリマーの活躍の場はどんどん広がりをみせています。

少子高齢化が進む日本では、ペットをわが子・孫同然に育てようとする家族も多いため、今後トリマーの役割はますます大きくなっていくでしょう。さらに最近では、飼い主には難しいペットの美容や健康のケアを手助けするトリマーの需要の高まりとともに、トリマーの求人募集も多く見られるようになりました。

ただし、需要は高まっているものの「正社員」の求人はまだまだ少なく、「予約がたくさん入る土日祝日や長期休暇に人手があればいい」という企業側のニーズから、「アルバイト・パート」としてトリマーを募集する店が多いことも知っておきましょう。

厚待遇の職場で働きたい場合には、確かなスキルを身につけ、店や飼い主から信頼されるトリマーへと成長することが重要です。特に都心部では競合店舗が軒を連ねる激戦区も多く、そうしたエリアでは生き残りをかけて、店舗ごとに激しい競争が展開されていることも理解しておきたいポイントです。

知識と技術力が評価される技術職

猫の爪切り

少子化が続く日本では、犬猫の飼育頭数が子どもの数(15歳未満人口)を上まわるようになり、都心の賃貸物件にも「ペット飼育可能」のマンション・アパートが続々と登場。ペットを飼う一人暮らしや家族が増えているようです。

また近年では、ペットの高齢化にともない、ペットの介護施設も登場しています。高齢犬がより健康的に生活するには、トリマーによるブラッシングや爪切り、耳掃除、歯磨きなどのケアは欠かせないため、こうした高齢犬の介護施設でもトリマーの活躍の場は今後広がっていくことが予測されます。

このように将来性が見込まれるトリマーですが、リーズナブルをウリにする低価格のサロンから、人間顔負けの高級サロンまで幅広い選択肢があり、それだけに飼い主の目も厳しくなっています。そのなかで「選ばれる」「生き残れる」トリマーになるためには、必要な知識を身につけ、技術を磨く努力が何よりも大切だといえるでしょう。

トリマーとは、大好きな動物をよりチャーミングに仕上げる楽しさ、いろいろな動物と触れ合えることも大きな魅力。加えて、トリミングを通して健康管理をお手伝する責任のある仕事でもあります。こうしたやりがいある仕事を飼い主に評価され喜んでもらえれば、やりがいは二倍三倍に膨らみますね。飼い主から「信頼されるトリマー」になることは、大好きな動物とかかわりながら一生続けられる、素敵な仕事といえるでしょう。

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