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魅力的なガラス加工に欠かせないグラインダー。種類や加工法について見てみよう!

私たちの生活において身近な物質である「ガラス」。気付けば身のまわりのあちこちにあり、建築用資材から実用的なアイテム、芸術品など多くの用途やシーンで使われていることがわかります。

大都会に乱立するガラス張りのビルや、住宅で使われる窓ガラスはもちろん、自動車にはフロントガラスやドアガラスなどで特殊なガラスが使用されています。室内を見渡せば飾り棚などの家具のほか、グラスやお皿などにもガラスをみることができます。さらに、照明に使われている蛍光灯やLED電球、かつてテレビに使われていたブラウン管、さらには洗面台の鏡などにもガラスが用いられていることに気づくでしょう。

また、ガラス自体の種類も豊富で、多くのバリエーションがあります。もっとも一般的な板ガラス、透明で美しいクリスタルガラス、特殊な効果を施した耐熱ガラスや強化ガラスなど、ガラスの世界は実に多種多様です。

ガラスは古くからの歴史を持ち、芸術的な価値があるものから実用的なものまでが存在し、今では私たち人間にとって欠かせない物質のひとつとなりました。そんなガラスを加工する際に使われる「グラインダー」とは、どのようなものでしょうか。

── ガラスにまつわる話や加工技術などとあわせて、紹介していきましょう。

芸術であり、教書でもあったステンドグラス

ガラスの誕生ははるか昔、紀元前4000~5000年頃からと言われ、紀元前1世紀ごろのエジプトで吹きガラスの技法が発明され、グラスや花瓶などが普及していきました。中世になると、ステンドグラスが作られるようになり、ヨーロッパでは8世紀頃から多用されていった……と考えられています。

宗教の力が増していくと、ステンドグラスのある教会がつくられるようになりました。ステンドグラスは色鮮やかなガラスを組み合わせて美しい絵柄を描き出すだけでなく、聖書の物語を正しく伝える役割を担っていたからです。当時、教会に来る人々は文字が読めない人が多かったため、子どもから大人まで誰もが理解できることがステンドグラスの重要性を高めました。ステンドグラスの持つ創造性の豊かさや光を通した神秘的な美しさが信者を魅了し、教えを伝え、宗教的世界へといざなっていたのです。

複雑な色や質感のガラスで製造されたステンドグラスは世界遺産に登録されたものも多くあります。

例えば、フランスのシャルトルにある「シャルトル大聖堂」。ここのステンドグラスは“シャルトルブルー”と称えられるほど有名で、その美しい姿を一目見ようと世界中から観光客が訪れます。

また先般、火災に見舞われたフランス・パリの「ノートルダム大聖堂」も世界遺産です。ステンドグラスは直径13mの大きさで“バラ窓”と呼ばれ、多くの信者やパリ市民、観光客からも親しまれていました。ステンドグラスに使われていた古いガラスには不純物が含まれていたため、当時と同じ色や質感で再現することは難しいともいわれていますが、なんとか復活してほしいものですね。

存在価値を示し、生活に密着したガラスへ

芸術的な価値を持つガラスは、生活にもさまざまな方面でその存在価値を示していきました。

例えば、「バカラ」に代表されるクリスタルガラスは王侯貴族に愛され、その類まれなる美しさから、グラス、アクセサリー、花瓶、シャンデリアなどがつくられています。近年では生活空間を華麗に彩るガラスとして世界中で親しまれるようになりました。

 「ベネチアンガラス」のように完全ハンドメイドのオリジナル作品は、唯一無二のアイテムとして大変人気があります。イタリア・ベネツィアのムラーノ島につくった工房に職人をとどめることで、その高度な技術の流出を防いだといわれています。現在でもその技法は受け継がれ、イタリアの財産ともなっています。 

そして日本のガラスも、歴史と個性に満ちた魅力的なものがたさんあります。現在においても日本国内には多くのガラス工房があり、今なお多くの手作りのガラス工芸職人が昔ながらの製法を継承しています。

なかでも、東京では「江戸切子」が有名でしょう。カットガラスとしてガラスの表面に彫刻をする工芸技法は明治時代に確立されました。受け継がれた熟練の技で彩られた江戸切子は日本の伝統工芸品として認定され、手作業で代表的な文様をていねいに施される作品の数々はその歴史と品質の高さから、東京土産や贈り物に重宝されています。

このようにガラスを使った作品や商品は、世界中のあちこちにありますが、街を見わたすとガラス張りのビルが多いことに気づきます。日本だけではなく世界中で、ガラス張りの高層ビルが増えているようです。

では、大きく透明で強度が必要なビル建設用のガラスにはどのようなものがあるのでしょうか。ガラスそのものから見ていきましょう。

板ガラスの主な種類は3つ

現代、工場でつくられているガラスは、その成分や製造方法、また用途によって実に多岐にわたります。まずはよく見かけるガラスであり、一般的なガラスの代表である「板ガラス」について見ていきましょう。

 ■板ガラス

私たちの生活においてとても身近でありなじみのある「板ガラス」。住宅建築などで一般的に用いられる板状のガラスで、主に次の3種類に分けられます。

 ●フロートガラス(透明ガラス)…フロート工法でつくられる透明なガラス。用途は住宅の窓ガラスや家具、テーブルトップなど。

●すり板ガラス…フロートガラスの片側を金剛砂ですり状(サンドブラストともいう)にし、不透明にしたガラス。用途は間仕切り、家具など。

●型板ガラス…片側に型で模様をつけ、光を通すものの視線を遮る効果のあるガラス。用途は浴室や洗面所、間仕切り、窓ガラスなど。

近年は「型板ガラス」や「すり板ガラス」とよく似た「フロストガラス」が使われることが増えています。「フロストガラス」はサンドブラスト加工後に薬品を使って表面を滑らかに処理してあるため、汚れのつきにくさで人気があるようです。

建築用ガラスの種類を見てみよう

では、建築用として使われている特殊な加工を施したガラスには、どのようなものがあるでしょうか。

 ■強化ガラス

フロートガラスに比べて同じ厚さでは約3~5倍の強度を持つガラスです。割れた場合は細かく砕けるため、破片での事故を最小限におさえることから、学校や病院、公共施設、自動車などに使われています。

 ■防火(耐火)ガラス

防火基準に沿ってつくられたもので、火災時の延焼を防ぎます。金属の網(ワイヤー)を入れることでガラスに穴が開き、崩れ落ちを防止するほか、特殊な熱処理加工をしたワイヤレスの耐熱ガラスもあり、防火設備など特別なところで使用されます。

 ■熱線吸収・熱線反射ガラス

板ガラスの表面に薄い金属の膜をコーティングしたガラスのこと。熱を吸収し反射するため、冷暖房や視線を遮る効果があります。「ミラーガラス」や「プライバシーガラス」とも呼ばれ、主にビルの外装に使われることで建物の外観デザインに影響をおよぼしています。

 ■複層ガラス(エコガラス)

ガラスを2枚組み合わせて空気の層をつくることによって3層構造になったガラスのこと。光や熱を透過したり、反射したりする膜をコーティングすることで遮熱性を高めています。遮熱や断熱効果があるため住宅の窓ガラスに使用され、快適な住環境をつくります。

■防犯ガラス

2枚のガラスを特殊な膜を挟んで圧着したガラスで、合わせガラスとも呼ばれます。貫通しにくいため防犯対策に、また万が一割れた場合は飛散しにくいので、学校や病院、公共施設のほか、一般住宅でも用いられています。

 このほかにも次のようなガラスの種類があり、適材適所で使われています。

・防音性にすぐれた「防音ガラス」

・特殊な塗料をコーティングした「デザインガラス」「カラーグラス」

・曇り止めを施した「防雲鏡」 など 

世界的シェアを持つ日本のガラスメーカー

建築資材用のガラスを製造するガラスメーカーは世界中にありますが、実は日本のガラスメーカーが世界をリードしているといっても過言ではありません。特に、板ガラスや自動車ガラスの部門において、高いシェアを誇るのが次の三大メーカーです。

 ■AGC

2018年7月1日より、旭硝子株式会社からAGC株式会社へ社名を変更。100年以上という技術革新の歴史を持ち、世界最先端のテクノロジーを有する企業として知られます。特に、自動車ガラスにおいて世界ナンバー1のシェアを誇りますが、ガラスだけではなく、電子や化学品、セラミックスの事業においてもチャレンジし続けています。

 ■セントラル硝子

山口県で創業した大手ガラスメーカーで、化学メーカーとしても名を馳せています。ガラスと化学に根ざした製品の提供で快適な生活を支えるというコンセプトのもと、省エネルギーや安全性に配慮し、環境に優しい製品を得意としています。2014年には米国ガーディアンを買収し、今後の動向が注目されます。

 ■日本板硝子

NSGグループとして、世界的に高いシェアを誇っている日本のガラスメーカーです。建築用ガラスの他、自動車用ガラス、スマホ向けなどの高機能ガラスにおいてもトップメーカーのひとつであり、世界各地に製造拠点を持っているうえ、製品の販売先は100カ国以上におよびます。

世界的なシェア争いにかかわる海外の企業

ちなみに、自動車用ガラスでの世界的なシェア争いにかかわる海外の企業として、上記のほかに次の企業があります。

■福耀(フーヤオ)

中国最大のガラスメーカー。自動車ガラス市場において近年頭角を現しており、すさまじい成長スピードをみせている企業です。

 ■サンゴバン(SAINT-GOBAIN)

17世紀創業のフランスの老舗ガラスメーカー。自動車ガラスは欧州を中心に提供し、大きなシェアを占めていますが、板ガラスの世界シェアについては日本のメーカーと争うことも。

どのメーカーも専門的かつ高い技術要素を持ち、テクノロジーを駆使した最先端の技術で付加価値のあるアイテム開発に取り組んでおり、今後は地球レベルでの貢献が期待されています。

ガラス加工にも使われるグラインダーとは?

さて、ガラス加工に使われる機械のひとつに「グラインダー」があります。

英語ではgrinderであり、粉挽機や研磨機という意味を持つほか、コーヒー豆を挽く装置(coffee grinder)や、ひき肉を作る機械(meat grinder)もグラインダーと呼ばれますが、ここでいう「グラインダー」はガラス加工だけではなく、金属やコンクリートなどの切断や研磨などの加工にも活躍する電動工具のこと。円盤形の砥石であるディスクを取り付け、その用途に応じてディスクを変えて利用するグラインダーはディスクグラインダーといいます。

ガラス加工には、切断するためのカッター、穴を開けるドリルなども使われます。必要なサイズや形のガラスにするためにカッターなどを使って加工しますが、単にガラスをカットしただけで終わりではありません。ガラスの切断面は非常に鋭利なため、そのままにしておくととても危険です。そこで、切断面を滑らかに削ったり磨いたりする機械であるグラインダーが必要となるわけです。グラインダーはガラスを安全に取り扱えるよう、切断面を細かく研ぐための「砥石」だと考えるとわかりやすいでしょう。

ガラス用のディスクグラインダーには、ガラスの厚みや加工のしかたによってさまざまな種類があります。ガラスは割れやすい性質を持っていますが、実は大変硬い材質でもあります。そのため、グラインダーにセットするディスクにはダイヤモンド砥石が使われています。

また、高速で回転すると摩擦熱でガラスが割れてしまうため、変速付きのグラインダーや低速高トルク型のディスクグラインダーが使用されます。業務用の大きなサイズから、DIYで使えるコンパクトなものまであるので、加工する内容に応じて使い分けることができます。

ラインダーでの加工方法と主なメーカー

ガラスをグラインダーで削る、もしくは研磨する加工として、主に次の方法があります。

 ■糸面取り/ガラス切断面の角を軽く取る加工

■面取り/ガラス切断面の角を丸く削る加工

■磨き加工/ガラス切断面の角を滑らかに磨く加工

■ラウンドエッジ加工/ガラス切断面を丸く滑らかに磨く加工

■OG加工/ガラス切断面を高級感のある形状に仕上げる加工

■ペンシルエッジ加工/自動車の窓ガラスに使われる丸みを帯びた加工

 いずれのガラスも家具や自動車など、用途に応じて最適な方法で加工され、製品化されていきます。 

また、グラインダーを扱う主なメーカーは次の通りです。

■ボッシュ/ドイツのメーカー。世界的シェアを持ち、安全性にも配慮されています。

■マキタ/電動工具として日本ではシェアトップを誇り、ラインナップも豊富。

■日立工機/国内シェアはトップクラスで、コードレスのディスクグラインダーが人気。

このほか、京セラインダストリアルツールズ(2018年1月より、リョービから事業継承)、パナソニックなどがあり、プロ用やDIY用、初心者向けなどのグラインダーが揃っているので、自分に合ったものや目的ごとに選びわけするとよいでしょう。

ガラス加工でグラインダーを使う場合の注意点

最後に、DIYなどでグラインダーを使用する場合の注意点を挙げておきましょう。

グラインダーを使ってガラス加工の作業をする場合、細かい破片などが飛び散ります。目に入ると非常に危険なため、作業時は必ず保護メガネを着用しましょう。また、研磨作業で生じる細かい粒子の削りカスは、ほんの少しの風圧で飛んでしまいます。吸い込んでしまう可能性があるため、マスクを着用すると安心です。

加工した際に出る削りカスはあくまでもガラスです。素手で払ったりするとケガをしかねないので、革手袋をつけて作業をすると安全性が高まります。

さらに、削りカスが服についたままだと擦れた場合に着ている服の生地を傷めたり、皮膚がこすれてケガをしたり……ということも。できれば、作業着や作業服などに着替えて作業することをオススメします。そのとき、ツナギタイプの作業服を着用すれば、破片や削りカスが服の中に入り込む心配もぐっと減少しますね。

グラインダーは高速でディスクが回転して切断や研磨を行う電動工具です。まずは、グラインダーのスイッチが切れていることを確認してから、コンセントにつなぐことを習慣にしましょう。もしスイッチがオンになったまま電源が入ると、グラインダーが突然作動し、暴れだして制御できない危険もありえるからです。

電源を入れたままでのディスクの交換はもってのほかですし、巻き込み防止のためにも安全カバーを取り付けて使用することを忘れずに。もちろん、小さな子どもやペットがいる場所での作業は厳禁です。

── グラインダーはガラスだけではなく金属やコンクリートなどにも利用できます。そのため、使いこなすと大変便利な工具ですが、常に危険には十分注意して、安全に作業をすることを心がけて使用する必要があるでしょう。

ガラスは生活全般に密着したものであり、その用途は多岐にわたりますが、日本のガラスメーカーが世界のトップに君臨していることをご存じの方は案外少なかったのではないでしょうか。

特に、自動車ガラスの分野では、絶大なシェアを誇っているため、フロントガラスやドアガラスにはAGCやNSGというガラスメーカーのロゴが入っているのだそう。ぜひとも、愛車のガラスチェックをしてみてはいかがでしょうか。

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