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縁の下の力持ち! “管工事”の基礎知識と必要な資格を詳しく解説!

建造物を建築するときには、さまざまな専門工事が行われます。大手の建築会社では建築一式、土木一式などとして工事全般を請け負いますが、多くの場合は細分化されたさまざまなスペシャリストの総力によってひとつの建物が建てられることになります。

屋根工事、内装工事、電気工事など、さまざまな専門工事の中で、建築設備に分類される工事は空調設備、電気設備、給排水・衛生設備、そして搬送設備の4つ。この建築設備の仕事のうち、空調設備、給排水・衛生設備が、管工事と呼ばれる仕事です。

建築になくてはならない「管工事」とは、一体どんな仕事なのでしょうか。その具体的な仕事内容や資格について、詳しく解説しましょう。

管工事とは、一体どんな仕事なの?

管工事は、建築業の28種類の専門工事のうちの一つで、「管」を扱うスペシャリストによって行われますが、簡単に説明すると、水・空気・冷媒・ガス・油・蒸気などの液体や気体を、金属管やダクト(風道)などで配送、排出する機器類を設置したり、施工したりする専門工事のことをいいます。

具体的に管工事には、以下のような工事があります。

・空気調和設備工事

・給排水/給湯設備工事

・冷暖房設備工事

・浄化槽工事

・厨房設備工事

・冷凍冷蔵設備工事

・衛生設備工事

・水洗便所設備工事

・ガス管配管工事

・管内更生工事

・ダクト工事

ひと口に管工事といっても、実にいろいろな種類の専門工事があることがわかりますね。

管工事の代表格、空気調和設備工事とは?

前項でリストアップしたように、管工事にはさまざまな工事がありますが、ここではその代表例として、空気調和設備工事とダクト工事について紹介しましょう。

【空気調和設備工事】

空気調和とは、一般的には「空調」と略されます。温度・湿度・塵埃・気流をコントロールして、定められた基準値の環境を創り出し、維持する技術のこと。

空気調和には、その対象とするものによって、大きく2つに分類されます。

1.保健用空気調和

保険用空気調和は、一般的な建物の空調のことを指し、そこに居住する人間にとって快適な空間を作る目的で行われます。一般住居のほか、ホテル、オフィスビル、病院、商業ビルなども含まれます。

2.産業用空気調和

産業用空気調和は、工場の機械、情報センターのコンピュータなどの機能維持のため、あるいは貯蔵庫で保管する物の品質管理のため、そこで働く人の労働環境の維持なども目的として行われるものです。

管工事では、この空調機の設置・据え付けから、建物内で空調設備が効率よく運用されるよう、配管の設計・施工・管理を行います。

【ダクト工事】

ダクト(風道)とは、空調、換気、排煙などの「空気の流れ」を作るための金属やステンレスなどでできた管のこと。天井や床下などに隠れているため、普段はあまり見かけることはありませんが、ビルなどの建物には欠かせない存在です。

ダクトにはいくつかの種類があります。

・空調ダクト

空調ダクトは、空調設備(一般的には冷暖房機器)からの風を、建物内にまんべんなく流すために設置します。風を出したい場所に吹き出しファンを設置して風を送り込みますが、距離が長い場合、ダクトの途中に吸い込みのためのファンを取り付けることもあります。

・換気ダクト

換気ダクトは、建物内の空気の入れ替え(換気)のために設置するもので、いわゆる一般家庭の換気扇と同じ役割を果たすもので、換気ダクトには排気口や給気口を設置します。そのままではダクト内で空気の流れが弱くなる場合があるため、途中にファンを設置して空気の流れを作ることもあります。

・排煙ダクト

排煙ダクトは、火災のときに素早く煙を排出するための設備です。ダクト内の圧力が高く、高圧ダクト、あるいはまた風速が早いために高速ダクトとも呼ばれます。ビルでは屋上に大きなファンを設置し、排煙口から煙を逃がすように作ります。

このダクトの取り付け工事も、管工事の大きな仕事の一つです。

管工事同様、配管工の仕事も知識や技術が多種多様

建築現場で、前項までに紹介したような管工事を行う職人を「配管工」といいます。

先に説明したように、管工事は実にさまざまな専門的な仕事があるので、ひと口に配管工といっても、衛生配管工、空調配管工、冷媒配管工、ガス配管工、医療ガス配管工、消化配管工などの専門分野があり、それぞれの分野ごとに求められる知識や技術、材料などが変わります。

ちなみに、ダクト工事も管工事のうちの一つですが、ダクト工事を行う職人は配管工ではなく「ダクト工」と呼ばれます。

管工事は、天井内、機械室、床下、パイプシャフトなど、狭い場所での作業が多くなりますし、配管工が苦労してようやく築いた管工事も、一般の人の目にほとんど触れることはありません。しかし、管工事がなければ水を飲むことも、トイレを使うことも、さらには冷房や暖房を使うこともできません。

管工事は、まさに私たちの生活を見えないところで支える「縁の下の力持ち」なのです。

管工事と水道施設工事は、どう違う?

管工事、水道施設工事、さらに土木一式工事などは、いずれも上下水道にかかわる工事です。その区分はどうなっているのでしょうか。

2001年4月に出された「建設業許可事務ガイドライン」では、以下のように分類されています。

〈上下水道に関する施設の建設工事における『水道施設工事』、『管工事』及び『土木一式工事』間の区分の考え方は、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、これらの敷地外の例えば公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』である。なお、農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当する。〉

つまり、浄水場や下水処理場に関する工事では水道施設工事となり、家屋や一般の建築物での配管などは管工事、そして敷地の外の公道下での下水道の配管工事などは、土木一式工事に分類されるということになります。上水でも下水でも、現代社会では水を長い距離運ぶことが不可欠ですが、そのパートごとに建設許可が異なるということになります。

管工事の資格にはどんなものがあるの?

管工事をするためには資格が必要です。

それは「管工事施工管理技士」といい、1級と2級があります。建設業法第27条に基づき、国土交通大臣が管轄する機関が実施する国家試験となっています。

加工時施工管理技士は、空調設備工事、冷暖房設備工事、給排水・給湯設備工事、ダクト工事など、前項で紹介した管工事で、施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理などの業務を行うことができます。

【1級管工事施工管理技士】

特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」、現場に配置する「監理技術者」として認められます。

2級管工事施工管理技士、一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」や「建設工事における主任技術者」になれるなど、施工管理を目指す場合には必要な資格です。

管工事施工管理技士は、建設工事現場において極めて重要な資格であり、施工管理の技術責任者としてとても高く位置づけられている重要な資格です。国家資格取得のメリットは十分にあるといえるでしょう。

1級の受験資格には

大学の指定学科を卒業後3年以上の実務経験、高等学校の指定学科を卒業後10年以上の実務経験、2級管工事施工管理技術検定合格者で、5年以上の者は合格後5年以上の実務経験など、さまざまな厳しい条件があります。

2級の受験資格には

大学の指定学科を卒業後1年以上の実務経験、高等学校の指定学科を卒業後3年以上の実務経験などの条件があります。2級の学科試験は17歳以上であれば誰でも受験できます。

試験は実地試験と学科試験があり、学科試験は機械工学、施工管理法、法規があります。実地試験では施工管理法があります。試験は年1回、一般財団法人全国建設研修センターが実施します。

── 以上のように管工事には実にさまざまな種類があり、それを施行する配管工の仕事も多種多様におよぶことがわかります。

さらに、管工事施工管理技士は取得の難しい国家資格で、建設工事現場では多くの工事関係者に認められる資格であるため、配管工をめざす人は、この資格取得を目標に経験を積み、法規や技術の勉強を積んでいってほしいものです。

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