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タクシー業界に「新卒採用」の波!配車アプリでAI化!変わりつつあるタクシー事情

終電や終バスに乗り遅れたときや飲み会の帰り、目的地の場所がわからなかったり遅れてはならない急ぎの用など、他の交通機関に比べると費用はかかるものの、いざというシーンで頼みの綱となるタクシー。タクシーの後部席に乗り込んだ急を要するときのほっとした安堵感は、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

さて、人手不足や高齢化などのイメージもあるタクシードライバーですが、近年では大手タクシー会社が新卒採用の拡大に動き、日本交通では2013年に6人にすぎなかった新卒採用を、16年には143人へと大幅拡大。その後も毎年150人前後の新卒採用を続けているそうです。

また時代とともに、介護タクシーや子育てタクシーなどタクシーサービスも広がりをみせ、これからタクシー業界が大きく様変わりすることが予想されています。そんなタクシードライバーにはどうすればなれるのでしょうか? 今回はタクシードライバーについて、なり方や適性、多様化するタクシーサービスについてご紹介しましょう。

ではまず、タクシードライバーになるためにはどうすればいいのでしょうか?

タクシードライバーになるためには「普通自動車第二種運転免許」が必要

一般の自動車を運転するのに必要な免許は、正式には「普通自動車第一種運転免許」と呼ばれています。一般的に「第一種」は省略されることが多いのですが、「第一種」があれば「第二種」もあり、それが「旅客の運送を目的とした運転免許=第二種運転免許」と呼ばれるもの。簡単に説明すると、タクシーやバスを運転するには「〇〇自動車第二種運転免許」が必要になります。

では、タクシーを運転するために必要な「普通自動車第二種運転免許」とは、どのようなものでしょうか。

【普通自動車第二種運転免許】

●第一種運転免許を取得後(停止期間を除いて)3年以上経過していることが条件。

●タクシーを運転するためには必須の免許であり、大型や中型のバスの場合には、また別の免許が必要になる。

●タクシーや、酔客を送迎する運転代行(乗客を乗せない伴走車であれば二種は不要)の運転が可能。

また、第二種運転免許の取得方法については、下記の3通りがあり、第一種運転免許取得方法と違いはありません。

●合宿で学ぶ。

●教習所に通う。

●直接運転免許試験場において技能試験を受ける(いわゆる一発試験)。

多くのタクシー会社では、二種免許の取得費用を負担?

「普通自動車第二種運転免許」は、タクシー会社に入社する時点で取得している必要はありません。まずはタクシー会社に就職することを考えましょう。

各社では「普通自動車第一種運転免許」を所持している人を優先的に採用し、養成訓練をおこなうことが多いようです。なお、二種免許を取得するためには第一種免許を取得してから3年以上経過している必要があるため、各社の応募資格も「一種免許取得後3年以上」が一般的。学歴はほとんど問われず、二種免許を持っている未経験者も歓迎されます。

二種免許を保持している場合には入社後は研修を受講して、現場デビュー。

二種免許を持たずにタクシー会社に採用された場合には、次の手順を踏みます。

●公認教習所にて教習を受け、二種免許を取得(教習期間中も給与あり)。

●東京(東京都特別区・武蔵野市、三鷹市)、大阪、神奈川(横浜市、川崎市、横須賀市および三浦市)のタクシー会社で働く場合には「タクシーセンター」といわれる場所で講習を受け、地理試験に合格する必要がある。地理試験は道路や交差点の名称、建造物、駅の所在などに関するさまざまな問題が出され、各タクシー会社では独自の問題集などを用意して研修生をサポート。

●地理試験に合格すると、健康診断や接客・マナーなどの研修を受けてデビュー。

タクシードライバーの一日

画像はイメージです

大都市圏では深夜・明け方問わず、24時間利用することができるタクシーですが、タクシー会社で働くタクシードライバーの多くは「隔日勤務」をとっています。隔日勤務とは、一日に最大21時間程度勤務し、翌日は「明け」で休みという勤務スタイルのこと。

勤務日は朝から深夜まで長時間タクシーの中で過ごすことになります。そんなタクシー運転手の一日はどのようなものでしょうか。

〇午前6時40分  出勤/出勤したら制服に着替え、アルコール検査と健康状態のチェック。規定以上のアルコール反応が出たり、体調が悪い場合には乗務できない。

〇午前7時  車両点検/安全運転のため、必ず毎日車両を点検する。

〇午前7時30分  点呼、朝礼/「ありがとうございました」などの声出しなど。

〇午前8時  営業開始

〇午後12時30分  昼食/1日に3時間休憩時間をとる決まりになっているが、乗客の状況によって時間は変わる。

〇午後1時30分  営業再開

〇午後4時  休憩

〇午後6時  営業再開/夕方以降は乗客が増え、特に電車やバスの運行終了後は一日で一番乗客数が多い(稼げる)時間帯。午後10時から午前5時までは割増し料金。

〇午前1時30分  帰庫/営業を終え、車庫(営業所)へ戻る。

〇午前2時  営業報告・洗車/売上金を入金し、日報の提出。また、車両をきちんと洗い、車内を掃除。

〇午前2時30分  業務終了/帰宅。翌日は勤務がないためゆっくり休むことができる。

また、昼日勤と夜日勤はシフト制にしている会社が多く、どの勤務形態を選ぶのかは自由なので、自分の生活スタイルに合うものを選べます。

●「昼日勤」:午前7時から午後4時、または午前8時から午後5時という、普通の会社員と変わらない勤務時間。

●「夜日勤」:午後6時から午前2時、または午後7時から午前3時など。

タクシードライバーに向いているのはどんな人?

タクシードライバーの給料は「歩合制」による部分が多く、そのため多くの乗客を確保する必要があります。ただ「車が好き」「運転が好き」「運転が得意」というだけでは続かないでしょう。ではここで、タクシードライバーに向いている人、適性のあるのはどのような人なのでしょうか? まとめてみましょう。

【タクシードライバーに適性のある人】

●気配り

乗客を安全に的確に目的地に移送するのがタクシードライバーとしての基本ですが、実際にはサービス業としての自覚も必要とされます。乗客がタクシー内で快適に過ごせるよう、運転に集中しながらも常に乗客の様子に気を配り、さりげない心配りができる人には向いている仕事です。

●コミュニケーション能力

タクシー利用者には、「タクシードライバーに必ず声をかける」という人が少なくありません。タクシーでの移動中、会話がはずめば楽しいひと時になりますね。また、タクシードライバーは日々さまざまな乗客と接するだけに、相手を不快にさせないコミュニケーション能力も必要とされます。「運転は好きだけれど他者は嫌い」という人には、あまり向いている仕事とはいえないでしょう。

●一人で過ごす時間が苦にならない

タクシードライバーは、車内で一人で過ごす時間が長いだけに、一人の時間が苦にならない人に向いているといえるでしょう。毎日、会社からタクシーを出庫してからの過ごし方は、基本的に個々のドライバーに任されます。その日の営業が終わるまでは自分で乗客を見つけながら走ることが基本のため、会社組織としての連帯感やチームワークとは無縁な仕事ともいえます。一人で過ごす時間が退屈な人には、タクシードライバーは厳しいかもしれません。

●ストレスに強い

タクシードライバーの仕事は、基本的に一日の拘束時間がとても長くなります。運転中は安全運転のために常に集中している必要がある一方、乗客に不快な思いをさせてはいけない、安全に適切な時間内に乗客を目的地に送り届けなければならない、というような精神的プレッシャーもかかりやすいといえます。また、仕事を続けているうちに、酔った勢いで暴言を吐いたり、理不尽な文句を言う乗客もあります。しかし、そうした場合も業務を投げ出すわけにはいきません。タクシードライバーは、すぐにイライラするような人ではなく、我慢強い人やストレスに強い人に向いているといえます。

おさえておきたいタクシー料金の仕組み

便利で頼りになるタクシーですが、気になるのが「タクシー料金」でしょう。タクシードライバーにとっては肝心かなめの収入源であり、乗客にとってもタクシーに乗り込んで人心地ついたものの、料金がいくらになるのか心配しているようでは落ち着きません。タクシー料金については地方によって違いがあるため、基本ラインをおさえておきましょう。

東京23区と三鷹市、武蔵野市のタクシー初乗り運賃は2017年より最長1.052kmまで上限410円と定められ、以降は距離と時間によって加算されています(地方や地域によって初乗り料金は異なる場合がある)。

そもそもタクシー料金は一定距離内の初乗り運賃と、その距離を越えて乗車した場合の走行距離に応じた「距離制」で計算されますが、走行速度が10km/h以下になった場合には、走行時間を距離に置き換えて計算する「時間距離併用制」が適用されます。

時間距離併用制は、賃走中のタクシーが混雑に巻き込まれたり、乗客の都合で待機させられたりといった「運転手の拘束時間」が長くなる状況に対応するために設けられたもの。このため、信号で停車している間や、初乗り運賃が適用される最大距離まで到達していないような時にも運賃が加算されることがあります。

たとえば東京23区などにおける2017年1月30日以降の料金体系では、距離制の加算運賃は237mごとに80円、そして時間距離併用制の運賃は90秒ごとに80円です。

意外と知らないタクシーサービスあれこれ

多くの人が利用するタクシーですが、一般乗客を目的地に移送する以外にも、いろいろなタクシーがあるのをご存じでしょうか? 知っておくだけで心強い、多様化するタクシーサービスの一部をご紹介しましょう。

【多種多様なサービスを提供するタクシー】

●乗合タクシー:バスの便が少ない地域やグループでの観光旅行などに。一人あたりの定額運賃で定員まで相乗り可能。地域に対応した団地型、過疎地型、観光型、イベント型、空港乗合型など。

●観光タクシー:名勝地や特産物などの知識豊富なドライバーが観光ルートに沿って案内する。

●タクシー代行:飲酒などで自分の車を運転できなくなった時などに、タクシー会社のドライバーが乗客の車を自宅まで運ぶ。

●介護タクシー:指定居宅サービス事業者のタクシーではケア輸送士、ヘルパー資格のドライバーや同乗するヘルパーが乗降介助や身体介護サービスを提供。

●福祉タクシー:リフト、スロープ、寝台を備えつけた福祉車両で、車いすや寝台を必要とする乗客を目的地まで移送。

●育児支援タクシー:保育実習などの研修を受けたドライバーが、チャイルドシートやジュニアシートなどを備えて対応。緊急時や夜間対応のほか、子どもだけの乗車も可能。

●便利タクシー:病院の予約や買い物代行、書類の受け渡しなど必要な時に必要なサービスを提供。

大手が新卒採用を拡大。タクシーのAI化。潮目が変わったタクシー業界

2017年の「タクシー運転者賃金・労働時間の現況」によると、タクシードライバーの平均年齢は59.44歳となっています。かなり高齢化が進んでいますね。この理由としては、これまで働いてきたタクシードライバーが年をとって高齢化していること、平均年齢が高いことで中高年での転職先として人気があり40代からの転職者が増えている、などが挙げられます。このように、これまでのタクシー会社では中途採用が中心で高齢な離職者の受け皿ともなっていましたが、大手が新卒採用を拡大したことで潮目が変わり始めています。

若手ドライバーを支援する動きは、存在感を高めつつあるタクシーの配車アプリでも進行し、AIを活用した「ドライバー向けの効率的な乗客獲得システム」の開発が進められています。東京のタクシーは9割以上がいわゆる「流し」による客で占められていますが、経験不足の若手タクシードライバーは乗客を見つけにくく収入がおさえられがち。しかし、タクシーの配車アプリでは、過去のデータや気象・イベントの情報から見込み客が多い地域を地図上に表示、さらにどんなルートを通れば最も多くの客を拾えそうかナビゲーションするシステムを開発しているようです。

若手ドライバーが増え、タクシーのAI化によって、令和の世には、タクシーやタクシードライバーのイメージが大きく変わるかもしれませんね。

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