ニッカポッカが禁止?着用できない工事現場が増えている理由とは
2019.11.22建設業界では工事現場の職人の服装といえば、とび職や大工を中心に、ニッカポッカが定番とされてきました。最近では、一般の人がニッカポッカをファッションアイテムとして、おしゃれに着こなすことも人気となっています。一方で、建設現場ではニッカポッカの着用での入場を禁止するケースが増えてきているなど、ニッカポッカを巡る状況は大きく様変わりしているのです。
そこで、ニッカポッカが建設現場で長らく愛されて来た理由を踏まえたうえで、ニッカポッカを禁止している工事現場が増えている理由について解説していきます。
そもそも「ニッカポッカ」とは?
ニッカポッカとは、ひざ下までゆとりがあり、裾が絞られたダボっとしたシルエットの作業用のズボン。ニッカポッカの先を足袋に入れるのが定番の履き方です。ニッカポッカは、とび職や大工を中心に工事現場で多くの職人に使われてきました。ニッカポッカの中でも七分丈のタイプは七分と呼ばれることもあります。
ニッカポッカという名前は、もともとは英語の「ニッカーボッカーズ(knickerbockers)」からきているとされています。一説によると、オランダの「ブリーチズ」と呼ばれる短いズボンが起源で、オランダからの移民を通じてアメリカに伝わり、大量生産されました。そして、裾が広がらないという利便性から、野球や乗馬、ゴルフなどのスポーツウェアとして広まったり、軍隊でも使用されるようになったりしたとされています。このほかに日本で、祭りの神輿の担ぎ手や大工などが着用していた股引がもとになっているという説もあります。
「ニッカポッカ」が職人に好まれているのはなぜ?
ニッカポッカを禁止する建設現場があるものの、裾の幅が広いニッカポッカを愛用する職人もまだまだいます。とび職や大工を中心に工事現場で、職人にニッカポッカが好まれて着用されてきたのはなぜなのでしょうか。
足回りにゆとりがあり、動きやすい
ニッカポッカはダボダボズボンといわれるように、お尻から太ももあたりにゆとりがあるのが特徴。立ったりしゃがんだりする作業が多い職人にとって、股まわりにゆとりがあるため、動きやすいことがメリットです。思ったように足を動かすことができないと、転倒や転落のリスクが高まります。また、裾の部分は絞られているため足運びにがしやすく、機能的といえます。さらに、ニッカポッカはダボダボしていることで、汗をかいたときにも足にまとわりつきにくいこともメリットといえるでしょう。
危険を回避できる
ニッカポッカは股まわりに余裕があることで、火花が飛び散ったときに直接肌に当たる危険を抑えられることも利点です。また、ニッカポッカは裾が絞られているデザインであり、特に裾を足袋の中に入れている場合は、靴の中に異物が入ることも避けられます。
このほかにもニッカポッカは危険を回避できるとされる理由が3点ありますが、この3つには賛否両論があります。1つ目は、工事現場で差し筋があったり、障害物が置かれていたりしたときに、ニッカポッカはダボダボのデザインのため、ズボンの裾が当たって危険を察知できるから安全という意見。ただし、ニッカポッカはダボダボしていることで、差し筋に引っかかりやすくむしろ危険という考え方もみられます。
2つ目は、高所作業中に強風が吹いたとき、ダボダボとしたズボンが風であおられることで、危険を察知できるという点。作業中の職人自身が危険と判断して作業を中断できること、地上の管理者や作業者も風の強さを判断できる点がメリットとされています。しかし、ズボンの幅が広いことで強風のあおりを受けやすいのでは?と危惧する向きもあります。
3つ目も高所作業に関することで、ダボダボの部分がバランサーの役割を果たして、バランスをとりやすくなるという点です。一方で、これは根拠がないとする考え方もあります。
職人としての誇りとカッコよさ
ニッカポッカは、とび職や大工など職人の象徴的な服装。「とび職=ニッカポッカ」というイメージを持つ人や、職人と魂だと考える人は少なくありません。ニッカポッカは高所作業などの危険も伴う工事現場で、手に職を持っている職人が誇りを持って着る服です。また、ニッカポッカ姿の職人をカッコイイと思い憧れる人もいます。
種類が豊富
ニッカポッカはカラーバリエーションが豊富で、長さや幅の広さによって様々な商品があります。会社によっては派手なものは禁止されていることもありますが、好みのダボダボ具合のニッカポッカを選び、自分らしい着こなしができることもニッカポッカが愛されている理由です。
「ニッカポッカ」を禁止する現場が増えている理由
ゼネコンを中心に工事現場での足袋の使用を禁止し、重い物を足に落とした際のケガを防ぐため、指先の部分に鉄板が入っている安全靴の着用を義務付けるケースが増えています。また、ニッカポッカの着用を禁止し、平ズボンの着用も進められています。ゼネコンの動きが工務店やリフォーム会社に広まっていき工事現場でニッカポッカを着用する職人を見かけることが少なくなって来ました。
なぜ、建設業界では、ニッカポッカや足袋を禁止する現場が増えているのでしょうか。
安全管理に対する意識の高まり
ニッカポッカには危険を防止するうえでのメリットもあるものの、ダボダボとした裾の広さが原因で、差し筋や障害物に引っかかって転倒したり、足場から転落する要因となったりすることもあります。また、万が一、足袋では資材などが足の上に落ちたときに危険です。工事現場の元請け事業者は、協力業者の職人の安全管理も担っています。安全管理への意識が高まっている昨今では、作業における服装の面からも安全性を強化する流れから、平ズボンと安全靴の着用の義務化が広まっているのです。
また、危険性が高い高所作業の職人のみニッカポッカを禁止すると、管理が煩雑になることから、工事現場全体として、ニッカポッカが禁止されるという事情もあります。すべてのニッカポッカを禁止するのではなく、裾の広いロング丈のみを禁止し、七分は可とする工事現場もあるようです。
「ニッカポッカ」に対するイメージへの懸念
ニッカポッカを着用する人に対してカッコイイと思う人がいる一方で、怖いイメージを持つ人も少なくありません。建設業界のイメージアップを図るという狙いも、ゼネコンを中心にニッカポッカの着用を禁止している理由の一つです。
作業服の機能性の向上
作業服の平ズボンは耐久性が高く、帯電性が付加された素材が使われた商品や火、熱に強い商品もあるなど、機能性が向上しています。また、動きやすいストレッチ素材のカーゴパンツも展開されています。こうした理由やニッカポッカよりも安い商品もあるという理由から、ニッカポッカが特に禁止されていない工事現場でも、平ズボンを選ぶ職人もいるようです。平ズボンのバリエーションが豊富で多くの代替となる作業服の選択肢があることも、平ズボンの着用が進んでいる理由の一つといえるでしょう。
まとめ
現在においても、すべての建設現場でニッカポッカが禁止されているわけではありません。また、ニッカポッカを職人の誇りと考えて、ニッカポッカの着用にこだわっている会社もあります。ニッカポッカを含め、作業服は安全やイメージも重視する時代に変わっていくと考えられますが、今後すぐにニッカポッカが完全に消えることはないでしょう。
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