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工事や危険業務等に必須の作業服や作業着。その生地・性能・規格を解説!

配管工事に電気工事、塗装などの外装工事や内装工事、あるいは、大工工事などで作業着として着る作業服は、つなぎやブルゾンタイプなどが多く利用されています。色もブルー、グレー、黒など職種や企業によってさまざまです。

では、その素材はどうなのでしょうか? 

どんな作業でも寒い季節には防寒性の高い服を着て作業をする必要がありますし、最近のような酷暑では通気性がよい素材でありながらファンがついた、いわゆる「空調服」も開発されています。自由に体を動かすことで安全性を損なうことなく作業するためには、優れたストレッチ性と快適な着心地が求められます。

板金やフォークリフト作業、道路工事に建設業など、あらゆる作業服に使用されている素材や生地はどのようなものがあるのか、また、どんな工夫が凝らされているのかを、早速、ご紹介していきましょう。

作業服の生地に使われる繊維って、どんなもの?

当然ながら、作業服専用の生地や織物はありません。主に使われる繊維としては「天然繊維」もしくは「化学繊維」に分けられますが、大きく次のような種類に大別できます。

■天然繊維(主に自然の植物や動物などからつくられる)

・綿(Cotton)……綿花からつくられる。通気性が高い

・毛(Wool)……羊毛からつくられる。保温性に優れている

・絹(Silk)……蚕が生み出す繭(まゆ)からつくられる

・麻(Linen)……亜麻からつくられる。速乾性がある……など

■化学繊維(主に石油や天然ガスなどの化学合成物からつくられる)

・ナイロン(Nylon)……線状ポリアミドのことで、商標名が一般化したもの

・アクリル繊維(Acryl)……アクリロニトリルの含有量が85%以上の場合をいう

 ※アクリロニトリルの含有量が35%以上85%未満の場合は「アクリル系」

・ポリウレタン(Polyurethane)……主原料はイソシアネートかジイソシアネート

・ポリエステル(Polyester)……さまざまな種類があり、商標名のまま「テトロン」と呼ばれることも

・アセテート((Acetate)/半合成繊維)……天然の高分子に化学的な処理を施した繊維……など

多種多様な素材の繊維を混紡することで通気性や保温性、難燃性、強度、肌触りなどをよくした生地がつくられ、その中から作業着に適した生地が選ばれています。

作業服に適しているのはどんな生地?

では、実際に作業服に使われている生地には、どのようなものがあるのでしょうか。

【ツイル】

ツイルとは「綾織り」のこと。縦糸と横糸を交互にする「平織り」に対し、1本もしくは2本飛ばして交差させて織るため、斜めにラインが入ったように見えるのが特徴です。

平織りよりもしなやかさがあり、糸を太くすると厚地で丈夫なため、秋冬用のユニフォームなどに使われます。

ツイルのうち、ドビー織機で織った模様があるものを「ドビー織り」といいます。また、細い糸と太い糸を組み合わせた「校倉織り」は、生地表面が独特で高級感があるうえ、通気性もが高い点も特徴です。

細い糸を使って織ると薄地でありながら織り目が緻密で丈夫な「サマーツイル」となり、春夏用になります。また、使う繊維により、保温性が増したり、通気性が高くなったりします。例えば、ポリエステル65%・綿35%の混紡は、肌触りが爽やかな涼感素材として春夏用の生地にぴったりです。

【ギャバジン】

これも「綾織り」の一種で、日本では「ギャバ」ともいわれます。縦糸を横糸の2倍使って織ってあるため、目が詰まり緻密で丈夫な生地です。

また、綿でつくられたものはバーバリー社のトレンチコートに使われていることで有名です。当時は戦争に行く兵士が雨に濡れないようにと防水加工などが工夫されました。しなやかで光沢感がある生地は撥水性や耐久性にも優れ、何より丈夫なため、スーツ、コートに使われるだけでなく、作業着にも適しています。 

【ブロード】

織物の三原組織のうちの一つである「平織り」の生地を指します。縦糸と横糸を単純に交互に織ったもので、左右対称の模様です。薄地ですが丈夫で摩擦に強く、生地の風合いはなめらかで光沢が出るため、ワイシャツに使われていることで知られます。肌触りのよさから、シーツやパジャマなどのほか、作業用のパンツなどにも使用されています。英国では太い糸を使ったものを「ポプリン」と称します。

ブロードは綿100%が基本ですが、綿をメインにポリエステルやウール、ポリウレタンなどを混紡して、ストレッチ性や形状安定性を高め、作業用に適した生地として使用されます。

 この他にも数多くの種類の生地があり、その作業に適した繊維や生地を使って作業服やユニフォームがつくられています。

特殊加工や装置で工夫された作業服

作業現場の中には、危険物を扱う場合や、ほこりやチリなどにまで気を配らなくてはならない工場など、いろいろな環境や種類の職場が存在します。そのため、作業服や制服にはその作業に適した特殊な加工を施したものや、JIS規格で定められているものがあります。

主なものを見てみましょう。

●静電気帯電防止作業服(JIS T8118)

日本工業規格が定めるもので、静電気が帯電することで発生する災害などを防止するために、作業服に帯電防止機能を持たせた作業服を指します。導電糸を使用した帯電防止繊維を使用する(裏地含む)ことや、やむを得ず違う生地を使用する場合は、その使用面積の割合などが定められています。

例えば、防寒服の場合でも裏地にはボア生地を使用しないこと、金属製のボタンやファスナーなどを使用する場合は直接表面に出ない構造にする必要があることなどで、外側にファスナーを付けるデザインの場合は樹脂製のものに変えるなどの工夫がされています。

静電気の発生は通常の生活でも起こりますが、ガソリンスタンドなどで静電気を帯同して作業をした場合は引火する可能性があり、大災害を誘発する恐れがあるため大変危険です。また、デリケートな精密機器を扱う工場などの場合は、静電気が溜まることで機器に異常をきたすこともありえるため、このような作業服が必要になります。

静電気帯電防止作業服を着ていることで、静電気の発生に際しても安心して作業ができるだけでなく、季節に応じて通気性や保温性など快適な着心地を追求したユニフォームが多くつくられています。

●高視認性安全服(JIS T8127)

日本工業規格で定められた服で、車を運転するドライバーにとって視認性の高いものを指します。この服にセットするのは国際規格「ISO20471」に準拠した再帰性反射材と蛍光素材です。日中では蛍光素材を、暗くなる夕方以降は再帰性反射材が反応して、交通整理や道路工事などに従事する人を遠くからでも認識できるので、事故防止や安全性が高まるというわけです。

使われている生地はポリエステルと綿の混紡が多く、通気性、防水性などにも長け、速乾性のあるものなどが多いようです。建設現場や運送業、鉄道の保全作業、道路工事など幅広い分野でのユニフォームに使われています。 

●空調服

近年の酷暑、猛暑に対応した作業服で、熱中症などの予防や、炎天下・高湿度の現場での作業効率を高めるために開発されました。服に小型ファンを取り付けて外気を取り込み、つくられた風を体に当てることで汗を気化させ、涼しさを体感できるしくみです。

汗が気化する際に熱を奪って体を冷やし、服の中の空気は襟や袖につくられた排出口から出ていくようになっていて、バッテリー、アダプター、ファン、ケーブルなどをセットして使用します。なかには、保冷剤をセットできるポケットがついた空調服もあり、ファンを回転させて使用することで熱中症対策にも役立ちます。

空調服に使われている生地はポリエステル100%のものが多く、空気が漏れにくいうえ、撥水性も期待できます。火気を扱う現場では綿素材を使用することで、防風性、吸湿性、着心地などに適した作業服になります。シワになりにくく取り扱いやすい面から、綿とポリエステルの混紡生地も使われています。

 ●防炎作業服・難燃作業服

溶接作業など火気を扱う現場に適した作業服は、防炎性・難燃性が高い生地を使用します。

厳密には、「防炎」とは綿やポリエステルなどに燃えにくい難燃剤などを加工したもので、「難燃」とは原料(高分子)の製造工程で燃えにくい性質にすることを指します。どちらも不燃ではありませんが、このような作業服を着用することで炎が燃え広がることはなく、生地自体に着火しないため火傷を負うリスクを防ぐ効果があります。

近年は炎に触れても炭化する自己消火機能をもつ繊維や、吸湿性をあわせ持つ素材、耐熱性・難燃性に優れた繊維などが多くの企業で研究・開発されており、多くの作業服に使用されるようになってきました。そのうえ、耐熱性、耐久性、耐水性、防汚性にも優れ、洗濯による劣化がないものなども開発されています。

このほか、作業の基本である動きやすさを重視したストレッチ素材には綿・ポリエステル・ポリウレタンの混紡やポリエステル・綿・麻の混紡などの生地が使われています。さらに、遮熱性、保温性、消臭性、吸湿性の高いものや、UVカットを施したもの、防虫素材、花粉対策素材など、用途により多種多様な工夫が凝らされている生地や素材があります。 

── 道路工事や建設現場、工場などで危険と隣り合って作業をする人たちの安全や快適性を少しでも高めるために、作業服にはさまざまな工夫がなされています。今後も、定められた規格を満たすだけではなく、ニーズに応じて対応し、常に新しい技術やしくみ、機能が生み出されていくことでしょう。

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