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看護師は、医療的ケア以上に心のケアも!社会的信用も高く、安定した収入も魅力

看護師といえば医療・福祉の第一線で活躍し、乳児から高齢者まで対応する、私たちにとって身近な存在といえるでしょう。私たちが病気やケガで苦しんでいるとき、また家族の具合が悪くて心配なときなど、看護師に励まされたり勇気づけられたことが、誰にもあるのではないでしょうか。

社会的な信用度も高く、高齢化社会に向けてますます需要の高まる看護師ですが、2020年のコロナ禍にあって、逼迫する医療現場での看護師の不足、コロナ感染のリスクを背負いながらの過酷すぎる現場なども問題となりました。

命を守りたい ── 看護師としての使命感から、身を挺してコロナに立ち向かう看護師の姿に私たちは心洗われ、看護師の責任の重さ、需要の高さ、かけがえのない仕事であることをあらためて認識させられたのではないでしょうか。

看護師は、病気やケガ、症状のケア以上に、私たちの心のケアも請け負います。時代とともに、看護師の仕事の領域や働き方も様変わりしてきました。今回は、看護師について、看護師の仕事内容、職場や働き方について学んでいきましょう。

看護師とは?

看護師は、保健師助産師看護師法の第5条において、以下のように定義されています。

「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者をいう。※じよく婦(褥婦):分娩後から妊娠前に戻るまでの期間にある女性

看護師になるためには、看護師養成課程のある学校で3〜4年学んだのち、看護師国家試験に合格して看護師免許を取得することが必要です。

また看護師の役割については、大きく分けて以下の3つです。

〇医師の診療、診察の補助

〇疾患やケガを抱える人の医療的ケア

〇患者およびその家族の精神面でのケア

医療的ケアだけでなく、精神面でのケアも請け負っていることはポイントとしておさえておきましょう。

業務の基本は、医師の診療補助と患者のケア

機能的なナースパンツ

では、看護師の業務内容について、具体的にみていきましょう。

看護師の業務は、配属先によっても変わりますが、基本的な部分では「医師の診療の補助・患者のケア」であり、看護師が行う主な仕事は以下のようです。

【看護師の業務】

〇血圧・体温・脈拍などの測定

血圧・体温・脈拍(心拍)・呼吸状態はバイタルサイン(生命兆候)と呼ばれ、バイタルサインを測定することで数値から異常の有無をチェックできる。

〇点滴

入院・外来問わず行うことが多く、医師の処方によって点滴液を選択し、滴下数を合わせ投与する。

〇注射・採血

静脈注射をはじめとする注射や、検査のための採血など。

〇食事・排せつ・入浴などの介助

食事・排せつ・入浴などの身体介助は、病院によっては専門の介護職員を雇ったり看護助手が行う場合もある。食事介助時の誤嚥(ごえん)や、入浴時のバイタルの変化などは、患者の命に直結するため特に注意を要する。

〇体位変換

自分で体を動かすことができない患者の体の向きや体勢を変える体位変換で、苦痛の軽減・血流の循環促進・関節拘縮や変形の防止・褥瘡(床ずれ)などを予防する。

〇手術の補助

手術室に配属となった看護師は、手術がスムーズに進行するよう医師をサポート。手術室の環境整備・器材の準備・術中の器材の手渡し・麻酔の介助・手術の記録など、手術室での業務は多岐にわたる。

〇夜勤の巡回

夜勤中には、病棟巡回を実施。消灯後に懐中電灯を持って入院病棟をまわることが多く、患者の入眠状況の確認・点滴や容態のチェックなどを行う。

〇患者の移送

検査室への移動・病室や病棟の変更・病院から病院への転院時など、患者の状態に合わせ、安全に搬送できるよう配慮して行う。

〇カルテの記載

患者の記録をカルテに残す目的は、「法律上の義務(記録を残す義務)」「チーム医療での情報交換や資料」「保険請求の根拠」など。

〇カンファレンス

医療機関で実施されるカンファレンスは医師・看護師・薬剤師・理学療法士などの医療チームで集まり、患者の情報の共有・容態の確認を行い、今後の治療方針などを話し合って決定する。

広がる活躍の場

他の医療スタッフとの連携も重要

では、看護師の就業先について、医療分野と福祉分野に分けてご紹介しましょう。

【医療分野】

〇病院

一定の規模以上の病院には多くの診療科があり、看護師が担当する領域や仕事内容は科によって大きく変わる。小さな病院ではオールラウンドな能力を求められることが多い。

外来看護師は、病院を訪れた患者を医師が診察する際に補助する。内科では患者の服を脱がせたり、ベッドに寝かせるなど、医師の診察がスムーズに進行する手助けをし、外科では患者を支えたり包帯を巻くなど内容が異なる。

入院患者のケアをする病棟看護師の仕事は、規模の大小にかかわらず注射や点滴、採血やガーゼの交換、ベッドサイドの交換など。また患者の心身のケア、身のまわりを清潔に保つことなども重要。

〇クリニック

クリニックは救急外来がなく入院設備も整っていないため、外来診療がメイン。看護師の仕事は医師の診療補助が中心、診療を受ける前の問診やバイタルサインの測定に始まり、検査の説明や治療の補助、採血、注射、点滴の対応など。

スタッフの数が限られている分、一人で幅広い仕事をこなす必要があり、 医療器具の洗浄や消毒、薬品や備品・器具の発注、診察室の清掃まで守備範囲は広い。

〇訪問看護ステーション

訪問看護師は、所属する訪問看護ステーションから利用者の住居に向かい、利用者の主治医の指示書に基づいた医療処置を行う。内容は利用者によって変わるが、主にカテーテルの交換やインシュリンの注射、点滴、血糖値の測定など。

また、体温・血圧・脈拍・呼吸などバイタルサインをひと通り調べて利用者の健康状態をチェックし、主治医に報告するのも重要な仕事。持病のある場合は、状態を確認して利用者に必要なアドバイスを行い、利用者が終末期を迎えている場合には、痛みのコントロールや緩和などの処置が求められる。

さらに、利用者がよりよい療養生活を送れるよう、食事や排泄、清潔な部屋の維持などをサポート。利用者の状態や療養内容に合わせて、褥創(じょくそう)防止や服薬・栄養摂取の指導、嚥下訓練、歩行訓練などを行う場合もある。

そのうえで訪問看護師に求められるのが、「利用者とその家族のメンタルサポート」。利用者と家族が快適に療養を進めるためのメンタルケアは欠かせない。

【介護分野】

〇老人ホーム

老人ホームで看護師が第一に求められるのは「入居者の健康管理」。介護老人福祉施設をのぞく老人ホームには医師が常駐せず、施設の協力医の指示に基づいて必要な処置を行い、各人の服薬を管理し定期健康診断の手配や、同じ施設で働く介護スタッフと連携する。

毎日の生活から健康状態をしっかり把握し、変化があったときには適切な対応を迅速に行う必要があり、入居者の家族や他の医療スタッフなど多くの関係者との連携が求められる。そうした仕事の特色から、看護師としての能力だけでなく、高いコミュニケーション能力やサービス精神が求められる。

〇デイサービス(通所介護)

看護師の仕事の第一は利用者の健康状態の確認。基本的に医師のいない施設のため、看護師が入浴や運動が可能かどうか判断する。利用者は高齢者のため、小さな異変を見逃さない観察力が求められ、前回の利用時との違いを見つけるために記録をとることも重要。

利用者によっては血糖測定やインシュリン注射、軟膏(なんこう)塗りや点眼、服薬の指導や補助、 爪切りや傷の処置といった内容が加わり、浣腸や摘便(てきべん:肛門から指を入れ、大便を摘出する医療行為)などを行う場合もある。

デイサービスやデイケアでは、看護師のほかに介護士、理学療法士や作業療法士がともに働き、他のスタッフの仕事を手伝うことも多い。

〇訪問入浴

一般的な訪問入浴サービスは、メインとなる介護職員、補助的な仕事を担当する介護職員、入浴前に利用者の健康状態をチェックする看護師の3名がユニットを組んで行う。看護師は入浴前に利用者のバイタルサインをチェックするほか、家族から体調を聞き、さらに観察して問題がないか調べる。

なお、訪問入浴のサービスを受ける利用者は、事前に医師による許可を受ける必要があり、その指示に従って健康状態を確認する。看護師が「入浴可能」と判断すれば、利用者を浴槽の近くまで運ぶ手伝いや脱衣の手助けを行う。外傷などが見受けられるときは、入浴時に痛まないようケアする。

その他、洗体や洗髪の補助(事業者によっては入浴補助を行わない場合もあり)、入浴後は更衣を行う前に保湿クリームや軟膏の塗布、湿布を貼るなど。入浴後の体調に変化がないかを確認するのもこのタイミング。何らかの変化が認められたときにはケアマネジャーに連絡し、必要な措置を取る。

【その他】

〇保育園

主な仕事は「園児の健康管理」。一般に、保育園に看護師1名での勤務となり、特に0歳児クラスから年長クラスまでを幅広く担当、随時健康状態をチェックする。

さらに、アレルギーがある園児や内服のある園児の管理、転倒などによる軽いケガの応急処置、必要に応じて保護者への連絡や医療機関への受診なども行う。

その他、園児の健康診断や歯科検診での補助や保健だよりの作成、保育士や保護者への健康アドバイス、園児との外遊びやレクリエーションへの参加など、業務内容は多岐に渡る。

〇イベント・ツアー

イベントでは、イベント会場の救護室に待機してケガ人や急病人の対処にあたる。待機する看護師の数はイベント規模により異なるが、少人数が一般的。 運ばれてきた人の症状を把握し、最低限の対処を行うとともに、症状によっては医療機関への連絡、搬送対応等を行う。
ツアー同行時の対応も同じく、ケガ人などの応急処置を行い、経過観察。状況によって医療機関への引き継ぎなど。求人の多くは単発・短期の仕事となる。

高齢化社会のなか、看護師は病院や診療所での診療補助だけでなく、福祉施設への勤務や訪問介護、患者とその家族の心のケアなど、さまざまな役割が期待されている職種であることがわかりますね。

看護師としての働き方

看護師の9割以上を占める女性の場合、結婚・出産・育児などによって仕事にかけられる負担(時間)は大きく変わります。

結婚や出産を機に退職する人も多く、そのため病院でも女性のライフプランによって働きやすい環境を整備し、託児所を完備したり、時短勤務や外来担当など、子育て中でも働ける環境作りを目指しています。

近年では雇用形態も多様化し、それぞれの状況やライフスタイルに合った働き方を選べるようになっています。

ここでは、雇用形態ごとの働き方とその特徴についてご紹介しましょう。

【正職員】

勤務先に看護師として正規雇用される「正職員」は最も一般的な働き方であり、病院勤務の場合、看護師の雇用形態は大抵の場合、正職員での求人となる。

現在の病院は看護師の働きやすさ向上のため、託児所の設置や正職員でも夜勤を行わない「日勤限定」や土日に休みを固定する「平日限定」などの働き方ができる場合もある。

研修など教育支援も充実しており、スキルに応じて責任ある仕事を任せてもらえるため、看護師としてのキャリアアップを目指しやすい環境といえるが、入院患者を受け持つ病院の病棟では、24時間体制でケアを行うため、看護師は夜勤を含めた2交替制、あるいは3交替制で勤務するのが一般的。そのため、生活は不規則になりがち。

また、正職員は昇給やボーナス・退職金の支給もあり、各種手当や福利厚生も充実していて安定した収入が期待できる一方、責任をともなう仕事が多いため、仕事とプライベートをうまくコントロールする必要が求められる。

【派遣】

希望する仕事やスキルを派遣会社に登録し、条件に合う勤務先に派遣される仕組みの雇用形態。賃金や社会保険は派遣会社が負担し、仕事上の指揮命令は派遣先である勤務先が行う。一つの派遣先で働ける期間は最長3年と法律で定められている。

看護師の派遣については、労働派遣法で、有料老人ホームやデイサービスなど医療行為をともなわない施設にのみ認められ、病院やクリニックなど医療施設への派遣は、紹介予定派遣と産休・育休の代替派遣を除き禁止されている。

紹介予定派遣とは、ある一定期間派遣スタッフとして勤務し、その後、派遣先の職場に直接雇用される働き方。

また委員会やカンファレンス、勉強会などへの参加義務はない場合が多く、勤務時間は残業がないように配慮される。

効率よく仕事したい、期間限定で働きたい、さまざまな職場で働いてみたい、という人におススメの働き方。また、看護師の業務内容のなかでターゲットを絞ってスキルアップさせたい場合など、経験をもとに就業先を探すことも可能。

【アルバイト・パート】

時間的拘束が少なく、働く日数、時間帯を自由に選んで働ける。賃金を配偶者の扶養の範囲内にとどまる程度に調整したり、逆に効率的に収入を得るため夜勤専門で働いたりすることもできる。メインの仕事をしながら、空いた時間を活用してダブルワークをすることで収入の補填(ほてん)も可。

ただ、正社員に比べて突然失業するリスクもあり、社会保険が完備されていない、ボーナス・退職金が支給されないといった場合もあり、正職員より給料や福利厚生面で不利なケースが多い。

また、臨時雇用が前提のため、責任のある仕事を任せられることは少なく、スキルアップを目指すのは困難といえる。

アルバイトでは、コンサートや中高生の修学旅行での健康管理など1日だけの単発の仕事もあり、結婚や出産などの理由で休職しブランクから復帰する際、就業感覚を取り戻すめアルバイト・パートの看護師として勤務する人もいる。

社会的信用度が高く、安定収入が得られる

患者の手に手を添える看護師

看護師は国家資格であり、医療現場で活躍する専門職として社会的な信用度が高い職業といえるでしょう。

人命にかかわる責任の重い仕事であり、かつ、患者の容体が急変してもすぐに対応できるよう、2交代制や3交代制という勤務形態が基本。そのため生活のリズムは崩れやすく、休日も不規則であるため、思うように休みが取れないことも少なくありません。

心身ともにハードな仕事でありながら、明るい笑顔や優しい声かけを忘れず、患者やその家族の心のケアまで請け負うのですから、大きな信頼を得られるのも当然といえますね。

一方で、看護師の仕事の大変さは給料や待遇のよさにもつながり、正規雇用の看護師は、同世代の一般企業の正社員よりも平均年収が高水準となっています。

最近では経営に苦しむ医療機関も出ており、看護師になれば安心というわけではありませんが、看護師はまだまだ人手不足のため、転職のチャンスも多く、経験を積んでさらに給料や待遇のよい職場へ移ることも可能です。

患者やその家族を笑顔に

いろいろな意味で大変な仕事といえる看護師ですが、その分、やりがいも大きく、なかでも多くの看護師が幸せに感じるのは「患者さんが元気になって、笑顔を見せてくれること」。

病気やケガで不安を抱える患者が、最初はつらそうな顔をしているのが、看護師が優しく声をかけたり、困っていることに適切に対処したりすることで次第に笑顔を見せてくれるようになり、大変な思いをしながら治療やリハビリに励むようになる姿には、逆に看護師が励まされることもあるようです。

また、患者の家族をケアするのも看護師の大切な仕事であり、やりがいにつながります。

特に急病や大ケガで病院へ運び込まれた患者の場合、その家族も大きな不安を抱えています。末期がんなどで治療や延命が難しい患者の家族も、深い悲しみや苦しみのなかにあります。看護師は、このような患者の家族に対しても真摯(しんし)に向き合い、その気持ちに寄り添いながら精神的なケアを行います。看護の奥深さと難しさを日々実感する仕事といえるでしょう。

看護師の笑顔が患者を笑顔にし、その患者の笑顔で逆に看護師が笑顔になれる。笑顔から笑顔、それが看護師から患者、患者の家族や他の医療スタッフへ……笑顔の連鎖が医療の現場に広がれば、本当に素晴らしいですね。

──日本看護協会は2020年12月22日に「看護職員の新型コロナウイルス感染症対応に関する実態調査」結果を公表し、多くの病院で「新型コロナウイルス感染症に対応する看護職員の確保」に苦労していること、潜在看護職員(看護師として働いていない有資格者)を採用するうえでの問題点や、専門性の高い看護師が広範な場面で勤務していること、2割近い看護職員が「離職」等を考えていることなどが明らかになっています。

さまざまな問題を内包したまま2021年が明けました。一日も早いコロナ終息、そして医療現場に浮上する問題の解決を願いつつ、戦場のような医療の現場で今も働く看護師はじめスタッフには、敬意とともに感謝の念を忘れてはならないでしょう。

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